連載:オ イッチ ニー 0・1・2 歳向け おすすめはヤギ。子どもと動物が楽しくふれあえるポイント
動物とのふれあいをもっと楽しむために
0~2歳の子どもにとって動物園のよさは、自分たちよりも少しだけお兄さん、お姉さんがたくさんいること。彼らがやっていることを見るのも楽しい学習のひとつです。ママはちいさな先輩を参考に、どうやって動物に近づくといいか、さわるといいかなどを教えてあげるといいでしょう。
動物園などの施設でさわれる動物は、基本的に訓練した社会性のある個体だから怖がらなくても大丈夫です。手を口に入れやすい年代なので手洗いだけはこまめにして。上手になでたら「すごいね」と褒めるなど、いろんな言葉がけをしながら過ごしましょう。
見て、さわって、五感の刺激をもらおう
たとえば、子どもに人気のモルモットは膝の上に乗せるとずっしり重くて温かく、じっとしているように見えてもモゾモゾ足を動かすのが伝わってきてびっくり! 命を持つ動物が五感に与えてくれる刺激は、人工的なおもちゃでは得られない忘れられない体験になります。さわる時間の長さや、さわることができる、できないにとらわれないで、大きさ、匂い、鳴き声などいろんな刺激で五感を楽しませてあげましょう。
相手を思いやる心を育てるきっかけにしよう
動物にじかにふれる、すぐそばで存在を感じる “絶対的な距離の近さ”は、相手のことを考えるきっかけになります。相手を思うことは、やさしさの原点。0~2歳のころなら「おめめ閉じたね。眠いのかな」「鳴くのはお腹がすいているからかな」など想像が膨らむような言葉をかけてあげるといいでしょう。帰るときには「動物さん、一緒に遊んでくれてありがとう」とママが挨拶すれば、きっとあとに続いてくれるはず。
子どもの“楽しい”に共感しよう
言葉を話すようになると、匂いの強い動物のそばで「くしゃい、くしゃい」とはしゃいだり、大きな声で鳴く動物に「うるさーい」と叫んだり。大人にはネガティブに感じる言葉も、子どもにとっては“楽しい”の代名詞。「ほんとだね」と共感して盛り上げてみて。せっかくの体験を家でも思い起こさせてあげるのはママの役目。一緒にさわった動物の鳴きマネをするなど、体験と結びつけてあげると知的な発達にも。
ワンポイントアドバイス
Q1 おすすめの動物は?
個体差はありますが、ヤギは動きがゆっくりしていて0~2歳でもさわりやすい動物です。かゆいと体をすり寄せてブラッシングをねだったり、反応もわかりやすくて楽しめます。
Q2 怖がるときは?
子どもを抱き、手を添えて一緒に背中をやさしくなでることからはじめてみて。ヤギの場合、動いているときは攻撃的になりやすいので避け、姿勢を低くしてさわるといいでしょう。
Q3 注意することは?
子どもの写真を撮ることに夢中になると、動物の動きに気づかず危ないことも。特に子どもから離れた場所で撮るのは危険です。かならずそばにいて、周囲に注意を払いましょう。
帝京科学大学アニマルサイエンス学科教授。約30年にわたり、千葉市動物公園の“子ども動物園”を担当。『子どもが動物に出会うとき』(風間書房)など。
(Hanakoママ32号より)