連載:サン シー ゴー 3・4・5 歳向け こんなときはすぐ小児眼科へ。子どもの視力チェック5項目
早めのチェックが肝心。子どもの視力はどう守る?
文部科学省の調査によると、視力1.0以下の未就学児の割合は約27%。年齢が上がるにつれてこの割合は増加していきます。大切な子どもの視力を守るにはどうしたら? 小児眼科医の中山百合先生に聞きました。
「目の成長は、3〜4歳がピークで8歳ごろには完成。弱視や斜視※などの疑いがある場合は、8歳までのできるだけ早期に眼科医に見てもらうことが大切です」
近視による裸眼視力の低下は、人間では遺伝的な要素が大きく、生活習慣と視力低下の因果関係で医学的な根拠があるものは実はほとんどありません。何か特定の食物を摂取したり、トレーニングしたりすることで近視が予防できるという説のほとんどは経験論だけの話で、医学的に実証されていないとか。
ただし、「近くのものを長時間見すぎる」のが近視にはよくないことはわかっています。テレビやゲームが目によくないとよくいわれますが、ゲームをするなら30分までというように時間制限を決めることには、効果がありそうです。
一番よくないのは、ママが、「きちんとしつけなかったから子どもの視力が悪くなった」と自分を責めたり、「ゲームばかりしているから悪くなったのよ」と子どもを責めたりすること。
「遺伝で近視になり裸眼視力が下がったのならば、だれのせいでもありません。『だんだんお父さんお母さんに似てきたわね〜』と、明るく受け止めてあげて。メガネはかわいそうと思うママも多いですが、メガネは最も安全で子どもにも管理しやすく、コンタクトレンズと比べて安価です。必要以上にネガティブな印象を持たないで」
メガネのルックスを気にしているのは親だけで、ぼやけて見えていないのを我慢するより度の合ったメガネをかけたほうが子どもにとっては安全で、幸せなこと。適切な度数のメガネをかけたほうが近視を悪くしない効果もあるといわれています。
こんなときはすぐ小児眼科医へ
・目線が合わず、目で物を追わない
・片目の位置がずれている時がある
・目を細めて見る
・絵本などを極端に近づけて見る
・目が白く光って見える
「子どもは自分から見えにくいとは言わない(気づかない)もの。気になることがあればすぐに小児眼科医を訪ねてくださいね」
砧ゆり眼科医院院長。祖父母から孫まで家族みんなで通える病院を目指している。2児の母。
(Hanakoママ44号より)