
連載:サン シー ゴー 3・4・5 歳向け ひとりでも「自分を守れる子」にするために。教えておきたい6つのこと
自分で自分を守れる子に。子どもと考える災害時の心得
30年以内に、M7クラスの地震が起こる確率は70%といわれています。もしものときに、どうすべきか、全国で防災教室を開催している高貝正芳さんに聞きました。
被災したら大事なことは、1)初動(被災直後の行動)を間違えない、2)救助が来るまでの数日は自力で生き延びる準備をする、の2点。
危機に直面したときに正しい行動をとれるかどうかは、それまでに得てきた知識や経験すべてにかかっています。子どもが自分で自分の身を守れるように、防災について日ごろから話し合っておきましょう。
たとえば、多くの子どもは「地震が来たら机の下にもぐる」と教えられていますが、そばに窓がある場合はガラスが割れて危険なので、机から離れたほうがいいかもしれません。
状況に応じて自分で判断し、より安全な行動ができるように、「こんなときはどうしたらいいと思う?」と子どもに問いかけて。自分で考えることで、判断力を育てます。キャンプなどで電気や水道のない生活を経験することもおすすめです。
子どもの判断力を育てる防災クイズ

【第1問】津波や浸水のときは、高いところに逃げる?
答:はい
高台や、マンションの高層階など高い所に逃げます。あらかじめ、ハザードマップで自分の家が海抜どのくらいなのか、津波や浸水の恐れはないか、近くに高台はあるか調べておきましょう。
※ハザードマップはお住まいの自治体のHPで公開されています。
【第2問】ぐらっと揺れたら机の下にもぐる?
答:どちらともいえない
机が窓のそばにある場合は、ガラスが割れて危険です。机がそばにないこともあります。頭上にものが落ちてきたり家具が倒れてこない場所であれば、必ずしも机の下でなくてもかまいません。
【第3問】保育園で地震が来たら、すぐにママやパパを探しに行く?
答:いいえ
すぐに外に出るのは危険です。道ががれきでふさがれていたり、浸水しているかもしれません。パパやママと入れ違いになって会えないことも。保育園でパパやママが迎えに来るのを待ちましょう。
【第4問】家が無事なとき、避難所には無理をして行かなくていい?
答:はい
避難所が常に安全とは限りませんし、移動中の被災も心配です。家が安全な状態なら、家に待機します。あらかじめ、家具を固定する、備蓄をするなど、家で避難する場に備えておくこと。
【第5問】トイレは壊れていなければ使っていい?
答:いいえ
見た目は壊れていなくても、下水管が破損していたり、断水して流れないかもしれません。使う前に確認して。使えない場合に備え、携帯の非常用トイレを常備しておきましょう。
【第6問】火事のときは、なるべく早く逃げる?
答:はい
火が出たら、煙を吸わないよう姿勢を低くして、風上に向かって逃げます。保険証など大事なものはコピーを取り小袋にまとめて常時携帯。非常食・避難グッズがはいったリュックはすぐ持ち出せるところに置いておきます。
いのちを守る@プロジェクトJAPAN代表。阪神淡路大震災で被災した体験から、子ども向けの防災教室を多数開催。http://imp-japan.org/