
連載:サン シー ゴー 取材エピソード 大地震がきたら、どうする? 保育園や幼稚園の子どもたちの答えは……

防災について親子で話し合おうというのが今回の3・4・5のテーマ。
実は最初、345歳の子どもと話し合ってもわかるのかな、と思っていたのです。が、その考えは、吹き飛びました。
取材した、高貝正芳さんからこんな話を聞いたからです。
3歳のときに聞いたことを思い出し、自分で避難できた小学生
東日本大震災のとき、働いているお母さんが、職場から命からがら帰ってきたら、小学3年生の娘がいない! 必死になって探したら、娘さんは仲の良い子の家に避難をしていたそうです。
「どうしてそこに行ったの?」と聞くと「だってママがそうしなさいって言ったじゃない」と娘さん。
ママのほうはすっかり忘れていましたが、幼稚園のときに「もし、ママがいないときに災害にあったら、食べ物とお金と着替えを持って、仲のいい友だちの家に避難していなさい」と言われたことをずっと覚えていたというのです。
三つ子の魂100までと言いますが、まさにそのとおり。だからこそ、幼いときからの防災教育が大事だと高貝さん。高貝さんは、一般社団法人いのちを守る@プロジェクトJAPANの代表として、全国各地で子ども向けに防災教室を開催しています。
子どもと離ればなれで被災、そのときどうする?
働くママにとって、仕事中の、子どもと離れているときに被災する不安は常につきまといます。子どももそれは同じでしょう。
高貝さんは、保育園や幼稚園で防災教室をするときに、子ども達に聞くそうです。「園にいるときに、大地震がきたら、園にとどまりますか? 家に帰りますか?」と。
すると、3分の1の子が、「家に帰る」と答えるそうです。その理由は、「ママを助けたいから」。なんとけなげな…。思わずうるっときてしまいました。
でも、高貝さんによれば、もしそれがM7級の地震の場合、絶対にしてはいけないこと。
親のほうも同じ。一刻も早く子どもを迎えに行きたいと思っても、しばらくは安全な場所で様子を見るのが正解です。なぜなら、それほどの大地震の場合、道路が寸断されていたり、建物が倒壊している可能性があり、そんなときに外に出たら2次災害に遭わないとも限りません。
最悪の場合、お互いにすれ違って、二度と会えなくなるかもしれません。
日ごろから家族で話し合っておく
政府は、8月25日に、「東海地震」について、確度の高い予測は「できないのが実情だ」と発表しました。予測できないのなら、いつ地震が起こってもいいように自分たちで備えておくしかありません。
家具を固定すること、水や食料を備蓄することはもちろんですが、「もしものときにどうするか、家族でよく話し合い、子どもが自分で考えて行動できるよう育てておくことが大事」と高貝さん。
子どもが自分で考えて行動できるようにするってどうすればいいのでしょう。
たとえば「地震が来たら机の下にもぐる」と丸暗記で知識を覚えさせるのではなく、「なぜそれが必要か」理由も教えること。
一番の目的は、「命を守る」「怪我をしない」こと。であれば、「机が窓のそばにある場合は、ガラスが割れて怪我をするかもしれないから、その机の下にはもぐらないほうがいい」が、正解かもしれません。
状況に応じて子どもが自分で考えられるように。そういう思いを込めて、今回の本誌の記事はクイズ形式にしてみました。ぜひ、お子さんと、「こんなとき、どうしたらいいと思う?」と楽しみながら考えてみてください。
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