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取材エピソード自分の身長より大きい絵を描く子どもも。Art Houseをレポート!

2017.12.03

自由なだけじゃない。
ルールを守って最後まで責任を持って仕上げること。
絵画教室で身につく力とは?

今回の345では、絵画教室「Ryuhow’s Children Art House」を訪ねました。

Art Houseのドアを開けた瞬間、目に飛び込んでくる空間は…、何と言ったらいいのでしょう、混沌というか自由というか…。テーブル、椅子、床も絵の具まみれ。この空間なら何をしても許されそう!

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棚には、絵の具や色鉛筆、粘土、木切れ、きれいに色分けされたビーズやボタンなど、もの作りの素材たちが、いつでも作品作りに取り掛かれるよう、きれいに並んでいます。子どもでなくてもワクワクしてしまいます。

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現役のアーティストで代表の清水龍鳳さんに、Art Houseってどんなところか聞きました。

「普通の絵画教室は、『今日はこれを作りましょう、これを描きましょう』と決まったことを決まった時間内にさせることが多いです。ここでは、○○をしなさいということは一切言いません。子ども達が、やってみたいと思ったことを自由にさせています」

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そのために、厳選された道具や材料が、子どもの目の高さに、すぐ使える状態で並んでいるのです。

子どもだからといって子ども用の道具を使わせるのではなく、画材はプロも使う高価なもの。

「自由にさせるといってもルールはあります。愛情を持って大切に道具を使うこと、責任をもって最後まで作品を仕上げること。ルールを守れない子は参加できません」

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たくさんの道具や材料に触発されて、どんどん制作に入る子もいれば、「何をしたらいいかわからない」と途方に暮れる子もいるそうです。

与えられたことをするのに慣れ過ぎてしまっているからかもしれません。でも、そんな子もやがて、「これなら自分もできるかも」「やってみようかな」と作品作りに取り組み始めます。

びっくりするのは、2歳の子も正しい指導のもと、ミシンやのこぎりも使って作品を作ること。

「危ないからやらせない、ではなく、正しい使い方を教え、愛情を持ってサポートすれば、小さい子でも怪我をせずちゃんと使えるんです」

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毎年1回、教室に通う子ども全員が、100号(162×130cm)のキャンバスに絵を描き、展覧会を開くそうです。

2歳の子も、自分の身長よりも大きい絵を描くというのだから驚き。適当にばばっと描くことは許されません。

「しっかり作品と向き合って、最後まで仕上げさせる。できない、といって途中で泣く子もいます。でも、そこで踏ん張って一つの作品を仕上げることで驚くような成長を見せてくれます」

ただ自由にさせているだけではないんですね。

「責任をもって一つの作品を仕上げることで、忍耐力、決断力が身についていくのです」

オープンして今年で24年というArt House。かつてここで学んで社会人になった人もいます。

「みんながみんな絵の道に進んだわけではない。たとえば、魚の絵ばかり描いていた男の子は海洋学の道に進みました。大切なことは、自分の好きなことに集中して取り組み、最後までやり遂げる経験。それによって得た自信は、どんな道に進んでも活かされます」

取材日に、教室に来ていたせあちゃんとおうたくん。普段はとってもおしゃべりで仲良しの子たちだそうですが、黙々と作品作りに取り組んでいました。

2時間経ってパパ、ママが迎えに来ても「帰りたくな~い!」。本当に集中しているんですね。この子たちは、どんな大人になるのかな。ちょっと楽しみです。

※本記事はこちらで読めます!

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石井 栄子(いしい・えいこ)

3児のママとライターを両立してン十年。『Hanakoママ』では3歳〜5歳向けの「3・4・5」を担当。ようやく子どもたちの手が離れ、趣味に飲み会にと羽を伸ばし中。今ハマっているのはオンライン英会話。もう英語で話しかけられても怖くない!のがささやかな自慢!

モデル〇おうたくん(6歳)せあちゃん(5歳)[ Art Houseのキッズ ] 写真〇松永光希 取材・文〇石井栄子