連載:サン シー ゴー 取材エピソード 「○○してはダメ!」では子どもは混乱。言うことを聞いてもらう3つのコツ
子どもが“言うことを聞きたくなる”小さなコツ
今回は、4~5歳のぐずりや反抗にの対処法を、子どもの発達に詳しい福丸由佳先生(白梅学園大学教授 臨床心理士)に聞きました。詳しくは本記事をご覧いただきたいのですが、記事に書ききれなかったことを紹介します。
子どものぐずりや反抗については、「これはぐずりだ、反抗期だ」と、ネガティブにとらえないでと、福丸先生。「ぐずりだ、反抗期だ」と決めつけてしまうことで、子どもの本当の感情を見逃すこともあります。
たとえば、お母さんが「○○しなさい」と言ったことに対し、子どもが「いやだ」と言った場合、その背景には、子どもなりのさまざまな事情があるはずだと福丸先生は言います。
「また反抗して……」とネガティブにとらえるのではなく、「子どもは今、心の中でどんなことを考えているのだろう」と、ちょっと想像力を働かせてみれば、たとえば、「とても面白いことをしているから、今それをやめるのはイヤだなぁ」とか「○○ちゃんがおなじことをしても何も言わないのに私のときだけ言うのはひどいなぁ」とか「前に言ったことと違うじゃん、ずるいなぁ」などと思っているのかもしれません。
とくに4~5歳の子どもは、思っている以上に複雑な感情を持っているものです。だから、単に「いやだ」という言葉の中にも、いろいろな思いが隠れているかもしれないのです。
「子どもをよく観察して、なぜ反抗するか理由を考えることが大事。理由を理解し、認めてあげるだけで解決することもありますよ」
それでも、「言うことを聞いてくれなくて困る」ということってありますよね。そんなときのコツを聞いてみました。
コツその1「指示を具体的にすること」
たとえば、「走っちゃダメ!」と言うよりは、「席に座ってね」「廊下は歩こうね」するべきことを具体的に言う。
「○○してはダメ」と言われると、子どもは「叱られた」「否定された」と思うだけで、じゃあ何をすればいいの?と混乱してしまうのです。
コツその2「要件は一度に1つだけ言うこと」
「おもちゃを片付けて、部屋をきれいにしてね。ついでに、あれとこれも……」といろいろ言われると子どもは混乱します。「おもちゃを元のところに片づけてね」と、指示は具体的に1つだけにしましょう。
コツその3「できたらほめること」
親は子どもの“できていないこと”ばかりに目が行き、できたことは“当たり前”と思いがち。ちょっとしたことでもいちいち「○○できたね」と声をかけてあげましょう。
「小さなことでも子どもをほめ、認めることは、親子の温かい関係を作ることにも役立ちます」と福丸先生。
「朝、自分で起きられた、ご飯を自分で残さず食べた、親が言わなくても歯を磨けたなど、4、5歳の子なら当たり前、と思うようなことも、『ちゃんと起きられたね』『キレイに食べて気持ちいいね』『歯を磨いたんだね』と、ポジティブな声掛けをしてあげましょう。
すると、子どもは“ママに認められたい”“気にかけてほしい”という気持ちが満たされ、心が落ち着きます。それだけでぐずりはぐっと減るかもしれませんよ」
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取材・文〇石井栄子