連載:サン シー ゴー 取材エピソード 子どもを学童に行かせず、自宅でお留守番させることにした理由
学童保育、行かせる?行かせない?~わが子の場合
今月の345(サンシーゴ)は、学童保育をテーマにしました。
だいぶ昔の話になりますが、私も子どもを学童保育に通わせた経験があります。
学童保育といえば、一番びっくりしたのは、保育園の卒園日の翌日の4月1日から、まだ小学校に入学もしていないのに、子どもは一人でお弁当を持って学童保育に通わなければならないこと。
昨日まで保育園にママの送迎付きで通っていた小さなわが子が、一人で歩いて!?
徒歩10分弱の距離でしたが、「大丈夫かな」と、不安でたまりませんでした。もちろん、朝お弁当を作らなければならないというのも大ショックでした。
しかも、最初の1カ月は、慣らし保育ならぬ慣らし学童期間で、夕方6時にお迎えに行かねばならず、働くママには大きな負担。
さらに、わが子が通っていた学童には保護者会があって、役員に選出されると、夏祭りやバザーなどのイベントも企画・運営しなければなりません。いざやってみると楽しかったりもするのですが、できれば役員にだけはなりたくないというのが本音でした。
そんな、不安だらけの学童生活でしたが(こういうのをひっくるめて、「小1の壁」というそうですね)、わずか1カ月で学童通いは終焉を迎えました。
あるとき学童の指導員さんから、「○○ちゃん(うちの子)がしばらく学童に来ていない」と電話がありました。子どもに聞くと、学童保育に行くより家で自由に過ごしたほうが楽しいから、学童には寄らず家に帰っているのだといいます。
どうも学童保育は、一応指導員さんはいるものの、悪く言えば“放ったらかし”で、本やおもちゃも乏しく、外遊びよりも室内で過ごすのが好きなうちの子にとっては、あまり居心地はよくないようでした(外遊びが好きな子にとっては、校庭を目一杯使って遊べるのでいい環境だったと思いますが)。
学童に行かないということは、家で一人お留守番ということ。
大丈夫なの!?と心配でたまりませんでしたが、よく考えたら夕方まで学童にいて、一人で歩いて帰ってくるよりも、まだ明るいうちにクラスの友だちといっしょに帰ったほうが安全かもしれない。
一人で家にいても鍵をかけていれば大丈夫だろうし、本人が家のほうが楽しいというのだから、無理に学童に行かせなくてもいいのかもしれない。それに、お弁当や、保護者会の心配もないし…。と、結局は自分がラクという理由であっさり学童をやめさせたのでした。
下の2人の子たちも、上の子がすでに家にいるので、やはり家のほうがいい、と言って学童には行かないまま。
だから、わが家と学童保育のおつきあいはとても短いものでしたが、「学童に行かせるのはなかなか大変」という印象だけ残っていました。
学童保育の選択肢は今後も広がりそう
今回、改めて学童について調べてみたら、私の時代とは違って民間(私立)の学童保育も随分増えているようす。施設は公立だけど、運営は民間企業がやっているという学童も増えていました。
その特徴を調べてみると、民間企業が運営する学童の何がいいって、1)送迎があること、2)預かり時間が長いこと、3)希望すれば習い事もできること。
働くママの悩みの一つは、送迎がネックとなって、子どもを習い事に行かせてあげられないこと。でも、学童保育の中で習い事ができて、送迎の心配もいらないなら願ったりかなったりです。もちろん費用はかかりますが、これで子どもにいろいろな経験をさせられるのなら、検討してみる価値はあります。
公立の学童にも、手作りの温かさがある、学校から近い(わが子の場合、校庭の隅にありました)、圧倒的に安い、という良さはあります。指導員さんも子ども好きな方が多く、子どもが嫌がりさえしなければ通わせたと思います。
いずれにせよ、選択肢が多いというのは親にとっても子どもにとってもありがたいこと。
私立には、塾系の会社やおけいこ事系の会社が運営するものがあり、塾系なら勉強も教えてくれる、おけいこ事系なら習い事の選択肢が豊富、など特徴があります。NPOが運営する小さくて家庭的な学童保育もあります。
ただ、学童でも待機児童問題はあり、学童保育の新設や新タイプの学童が増える可能性はあります。また、働く女性が増えていることから、学童保育の質の見直しが求められています。ここ数年で学童保育には大きな変化がありそうです。
時間があるときに情報を収集して、子どもにも親にも無理のない選択をしたいですね。
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取材・文〇石井栄子