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取材エピソード親野智可等(おやのちから)さんに聞いた「ほめ写プロジェクト」誕生秘話

2018.12.05

ほめ写プロジェクト誕生秘話

23年の教員経験で気づいた「ほめ写」の効果

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今回の345のテーマは「ほめ写」。お話を聞いたのは、教育評論家の親野智可等(おやのちから)さん。メルマガ「親力で決まる子供の将来」や『叱らないしつけ』などの著書で知られ、子育てママに絶大な人気があります。

「ほめ写」とは、親野智可等さんが中心となって進めているプロジェクト。

このプロジェクトをスタートしたきっかけを聞いてみました。

23年間の教員経験があるという親野智可等さん。教員時代、家庭訪問のときに、玄関にたくさんの家族写真を飾っているご家庭があったそうです。なかでも、父と子の写真が特に多かったので理由を尋ねると、お父さんは遠洋航路の船乗りで半年に1回くらいしか会えないのだとか。それで、お母さんがお子さんに、父親の愛情を実感し続けてほしいから写真を飾っていたのです。

この話を聞いて、お父さんがいなくても玄関を通るたびにお父さんの存在、お父さんに愛されている自分を感じることができるのが素敵だなと思ったそうです。

子どもががんばっている写真をたくさん貼っているご家庭もありました。おフロ掃除をしているところ、縄跳びをがんばっているところ、サッカーのリフティングの練習をしているところ……。
何かを達成した写真をたくさん貼っているご家庭もありました。運動会で一等賞を取った写真、何かの賞状をもらった写真…。写真のお子さんは、「あのとき○○でがんばった写真だよ」と嬉しそうに、親野智可等さんに話してくれたそうです。

写真を貼って常に見ることで、過去の成功体験や、楽しかった思い出を何度も思い出し、それが自信につながったり、愛されているという安心感につながる。それが子どもの成長にとてもいい影響を及ぼしていると感じ、コラムに書いたところ大きな反響があり、それがきっかけで「ほめ写プロジェクト」がスタートしたといいます。

実験で数値的にも効果が証明された

児童心理学者の岩立京子先生、脳科学の専門家 篠原菊紀先生が加わり、ほめ写を広める運動がスタート。また、写真を飾ることによる効果の測定も行いました。
その結果、ほめ写を実行した家庭としなかった家庭では、お子さんの自己肯定感に大きな差が出たそうです。

親野智可等さんが経験的に感じてきたことが、数値でも証明されたわけです。

自己肯定感の高い子は、難しいことに対しても「おもしろそう」「やってみたい」と積極的に取り組み、たとえ壁があっても乗り越えようとする。それに対し、自己肯定感の低い子は「どうせできない」と、何に対しても消極的になる傾向があるのだそう。

写真を飾るだけで、やる気のある子に育ってくれるなら、やらない手はないですね!

片付けに困る子どもの工作も写真に撮って飾ろう!

「どの子にも“輝ける瞬間”ってたくさんある。だけど、忙しくて忘れてしまうんですよね。でもそこに写真があると、見るたびに思い出し、記憶が強化される。それが自信につながる」

実験によって、スマホの写真よりも、プリントした写真のほうが、効果が上がることもわかりました。スマホの写真って案外繰り返しては見ないし、やはり壁に大きく貼ったほうが強く印象に残ります。

「子どもの絵や工作作品を飾ることも、自己肯定感を高める上でおススメです。でも、絵や工作はかさ張るので保存は悩みのたねですよね。一定期間飾ったら、写真に撮って保存するのもアイデア。作品だけの写真、作品と子どもの写真の両パターンを撮るといいでしょうと」親野智可等先生。

なるほど、「置き場に困る、かといって捨てるのも心が痛む」と悩みのタネだった子どもの工作問題、一挙に解決できます。

なんだかいいことづくめの「ほめ写」。今からでも遅くないかなと、昔の写真をさぐってみたら、わが子の保育園時代のかわいすぎる写真がわんさか出てきました。見ているうちに、ほんわか幸せな気持ちに。自分のためにも「ほめ写」、飾ってみようかな。

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ishiisan

石井 栄子(いしい・えいこ)

3児のママとライターを両立してン十年。『Hanakoママ』では3歳〜5歳向けの「3・4・5」を担当。ようやく子どもたちの手が離れ、趣味に飲み会にと羽を伸ばし中。今ハマっているのはオンライン英会話。もう英語で話しかけられても怖くない!のがささやかな自慢!

Photo by Natsuko Toida