連載:ボビーのよかよか子育て日記 プロレスのような育児?タッグ・チーム・ペアレンティングとは
この連載は……
日本が大好きで九州に移住して14年。福岡や佐賀を中心にTVリポーター、料理家として活躍する、ボビー・ジュードさんの子育て日記がスタート! 子どもを通じて感じる、日米の子育て比較論、のびのびとした福岡での暮らし、英語と日本語、どちらで育てるか? など、ボビーさんが感じたいろいろな話題を展開します。ぜひお楽しみに!
日本で育児中のアメリカ人として、一般的な日本の父親と自分の子育てに関する感覚が違うって事は当たり前だと思う。
日本には、自分の周りにも育児に尽くしているお父さんはたくさんいると思うばってん、日本社会の事を大きく言うと、性別による役割分担(男性は外で仕事をし、女性は家の事をする)という考え方は文化の一つとして未だにかなり強く根付いているように感じる。
例えば、最近『男性の育児参加』という表現をよく耳にするけど、『参加』という言葉がなんか引っかかる〜。きっと、『男性も育児をしましょう』というポジティブな意味合いで使われているはずだけど、我が子の育児をすることは『参加』という言葉でよかと『女性の育児参加』とは言わないよね。
ってことは、女性の仕事である育児に男性が参加するパターンを原形にしてしまってるんじゃないか?
だから自分は、奥さんのやっている育児に参加しよる気持ちではなく、子育ては、奥さんと「TAG TEAM」でやりよるばい。
お父さんとお母さんはチームであること、一緒に同じ目標に向かって共に頑張っているというのは、まぁ、普通のことですよね。
でも、お父さんが例えば、仕事をして、お金を稼いで、そのお金で家族を支えていることだけでも、チームに貢献していると言えますよね。それはそれでいいと私は思うばってんが、それだけで育児をやっているとは言えないな。
やっけん、自分はそれ以上のことを目指したか。
それが、TAG TEAM PARENTING。
プロレス用語で『タッグチーム』というのは、一人の選手がレスリングをしているところで、一人じゃ勝てない、ヘルプが要る、休憩がいるとなった時、もう一人の仲間をタッグイン(バトンタッチ)して、入れ替わってもらうことです。
そこで大切なのは、入れ替わる選手は一人目の選手と全く同じ役割をちゃんと果たせること。
他のスポーツチームだと、蹴る選手もいれば、キャッチする選手もいます。ポジション違いで役割が違うけど、チームにとっては大事な存在かもしれませんが、レスリングはポジション違いじゃダメです。
入れ替わる選手も戦える選手じゃないとダメ。この例え自体が変かもしれないけど(笑)
育児がレスリングのようであれば、現在の日本のスタイルはどちらかというと、お母さんが孤軍奮闘しているところが多いように感じます。
世の中の家庭で、お父さんが不在の状態で、お母さんが一人で子供の面倒をみるのは当たり前だよな。
そういうことを考えながら、ある日自分に問いかけてみた。
逆に、お母さんが不在の状態で、私パパ一人で子供二人を困らずに見れるのか?
それが一時間だったらできる自信はあるが、それが例えば丸一日?二日間?一週間だったら?
一人で三食作って食べさせられる?
お母さんがいないと寝かしつけは大丈夫?
もっと深いところを掘り下げてみると、一人で通園の準備はできる?
今日の幼稚園は何をするのか、そこで何が必要なのか、把握してないな…。
今日中に洗わないと明日困る洋服は?
買い物で買わないといけない食料品やソープとかは?
そういえば、子供は今飲んでいる薬は何かある?
そういえば、子供の保険証は今どこにあるか、分からんな…。
育児をやっていたつもりだったのが、お母さんがいないとできないこと、分からない事が多かった。チームメートである奥さんにヘルプを求められても、できる事が相当限られているなと感じた。
だから、奥さんと私二人がいる時でも、パパ一人の時でもできるだけ同じ役割を果たせるようになりたいなと思った。
まだまだ、できていないことが多いですが、それが、私の今目指しているTag Team Parentingです。
次回は、タッグ・チーム・ペアレンティングをやっていると見えてくるもの、パパとして得することなど、まだまだ沢山話したいけん、また読みに来てくださいね!
そいぎ、See you next time!