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Column ボビーのよかよか子育て日記

娘が教えてくれたフェミニズム

2020.06.19

日本が大好きで福岡に移住して14年。TVリポーター、料理家として活躍する、ボビー・ジュードさんの子育て日記です。子どもを通じて感じる、日米の子育て比較論、のびのびとした福岡での暮らし、英語と日本語、どちらで育てるか? など、ボビーさんが感じたいろいろな話題を展開します。ぜひお楽しみに!


アメリカ人が母国のイメージについて聞かれると、アメリカという国は人種のるつぼであり、誰にでもアメリカンドリームという大成功するチャンスを与える国、みんなの自由と平等を大切にする国だと述べる人は多いと思うよ。だって、アメリカの独立宣言にこう書かれているもん。

『すべての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている。』

ただ、最近のニュースを見ていると、その権利に関してはアメリカはそう平等じゃないんだと分かるんではないでしょうか。

実はアメリカンドリームを信じながらも、アメリカは政治や社会の制度的に不平等な国だと感じている人は今までもずっと多かったと思うのです。。
独立宣言の和訳では『全ての人間』と訳されていますが、厳密にいうと、英語で『全ての男性』と書かれているばい。

もっと厳密にいうと、宣言を執筆した方々がその表現で表しているのは『土地の持ち主の白人男性のみ』だったんだ。アメリカの憲法により、一部の白人男性にしか人権を与えていなく、後からそうでない人に少しづつ人権を与えるように進化していった。

例で投票権を獲得した順にみてみると、土地の持ち主でもない白人男性(1856年)、黒人男性(1870年)、女性(1920年)、アメリカの先住民(1924年)、中国系アメリカ人(1943)、そして、人種や性別問わず、成人年齢のアメリカ人全員(1960−70年代)。これは、かなりざっくりした概要だと思ってくださいね。

だから、自分も含めて、アメリカは平等の国を目指しながらも、実はまだ平等になっていないと思っているアメリカ人が多くて、人権運動は大切で、身近な存在に感じている人も多い。

その環境で育った自分は、反人種差別でフェミニストだとずっと思って生きてきてるわけなんですが、実は4歳の娘から本当のフェミニズムについて色々と教えてもらっているばい。

まず、フェミニズムという言葉ですが、アメリカでもフェミニズムイコール 男尊女卑の反対であり、女尊男卑だと思い込んでいる人が多いです。

フェミニズムの正しい意味としては、男女平等であります。

アメリカでも日本でも、現在の社会の役割分担を見てみると、女性のほうが優遇されているというか、男性にご馳走してもらう機会が多かったり、家庭に入るために仕事に縛られないでよかったり、有利なことが多い、と思っているメンズは少なくない。そういった男性は、女性として生きていく辛さ、危険さ、不快な場面などについて真剣で正直に考えてみたことはないんだと私は思っています。女性ならではの心配、恐怖、危険だってたくさんあります。実際にアメリカの男性からフェミニズムに目覚める機会ってよく耳にする。

ただ、それがよく、同じような少し残念なパターンがある。

猥褻行為やDV、もしくは、セクハラのニュースを聞いた時に、ある男性が『もしもそんなことが自分の娘にあったとしたら、許せない』と思って女性の人権が大事だと思った。というパターンです。結果、女性の人権だって大事と思っているのはいいことだけどさ。

それが自分の身内じゃなかったら良いわけ? ってなる。

『被害者がある男性にとって大事な存在だからダメ』っておかしくない?
『女性は女性で、女性は人間で、人間がそうされたらダメ』でしょう?

だから、今までずっとフェミニズムに関しては、自分の娘は自分の娘だからではなくて、娘が一人間であるから、彼女たちの人権を大事にしたいと思っています。

日本で娘を育っていると、性別に対するイメージや扱いが遅れているなと、よく思います。『女の子だからこう』『男の子だからこう』という話をよく聞くし、女子力イコール美容・掃除・料理というイメージが強すぎて、その考え方にムッとすることもある。自分の娘には、男女のイメージを関係なく、好きなことを見つけて、好きなことをやってほしい。

なので、プリンセスやままごと、ヘアメイクや料理、かわいい物ばっかりではなく、電車や働く車、昆虫、アウトドア、スポーツなどに興味を持って欲しくて、それが好きになるように一所懸命導こうとしよった!

だけど、実は私自身が料理好きで、車、昆虫、スポーツには興味があまり……。なので、興味の促し方がかなりうさん臭いっっ(笑)。ドライブ中に工事現場を通った時に『ほら、見てよ、あの……機械。それが……きっと、なんか動いたりして、多分……。何かをする機械なんだよ! すごくない?』(笑)

今のところ、娘たちはアウトドア好きで昆虫も触るけど、他のところは日本人がいう『the・女子』。一緒にする遊びが9割プリンセスごっこでその他がキティちゃんやプリキュア〜。お父さんとしては、彼女の好きな遊びに合わせたいのですが、フェミニストアメリカ人としてはどうしても……。 

プリキュア〜のようにアイドルっぽい物だけには抵抗がある。正直、男性を喜ばせて男性が儲かるエンタメとしてプロデュースされてきたように見えるのです。

それはそうじゃないかもしれませんし、女性ファンも多いかもしれませんが、申し訳ないです……。私にはその部分がどうしても目立つ。娘たちもなんとなく、パパはプリキュア遊びが好きじゃないと察して、ある日あみちゃんが私に聞いてきた。『なぜ好きじゃないの?』って。

4歳児に説明をするのが、まー難しか! けど、挑戦してみた。

『男性が喜ぶような存在になる必要なんてないから』と流石にわからないはずだと思って。『お父さんはさ、あんな見た目で、あんな喋り方して、あんな振る舞いじゃないと人としては価値がないんだと思ってないからさ。意味わかる?』と聞いた。すると、あみちゃんに言われた。

『うん。分かった。お父さんの好まない格好をする女の子が好きじゃないってことね。』

げきショックでした。

娘に伝えようとしたことの真逆だ! お父さんの好みなんて関係ないからさ!

おっと、ちょっと待って。お父さんの好みが関係ないなら、何故ここでお父さんの好みを推してるんだろう? 自分の頭の中で『女性はこうであるべきとかじゃないよ』と教えたかったのに、それが行きすぎて『こうでないであるべき』になってしまっていたのだ。

それも、結局他人が決めつけて押し付けていることなんだと気づいたのです。本当の男女平等であれば、性別関係なく、本人には自分で選ぶ権利があるはずだ可愛くしたいだろうが、料理を作りたいだろうが、それが本人たちのチョイスである。

男性にも、女性にも自分の道を選ぶ権利があり、これからも娘の声を聞きながら、彼女たちの権利を大切にしたいと思っているばい。

そいぎ、See you next time!

ボビー・ジュード

ボビー・ジュード (ぼびーじゅーど)タレント・料理家

1983年アメリカ生まれ。22歳で来日。日本語や日本文化、和食にハマり、福岡や佐賀を中心にレポーターやラジオDJ、モデル、役者として活動。特技の料理も生かして「ボビー’Sキッチン」のコーナーをサガテレビにて放送中。instagram.com/bobbyjudo

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