連載:ボビーのよかよか子育て日記 バイリンガル子育て実践!
日本が大好きで福岡に移住して14年。TVリポーター、料理家として活躍する、ボビー・ジュードさんの子育て日記です。子どもを通じて感じる、日米の子育て比較論、のびのびとした福岡での暮らし、英語と日本語、どちらで育てるか? など、ボビーさんが感じたいろいろな話題を展開します。ぜひお楽しみに!
皆さん、こんにちは!
早速ばってんが、前回、国際結婚の場合でも我が子をバイリンガルにすることがどれだけ大変なのか、その大変さの原因やバイリンガルを促したい親の課題について、お話ししよったよね。まだ読まれてない方、よかったらチェックして下さいね!
我が家では5歳になったばかりの娘2人、日本語も英語も同じぐらいの量で喋ってくれるばい。今回は私たちが大切にしている事や実施しているポリシーを、ちょこっと紹介したいと思います!
文法を教えるとか、英語教室に通わせるとか、教材をおくとかではなく、自分は『言葉』というものに対するイメージ作りが一番大事だと思うばい!
『言葉』のイメージ作りと言われたら、ピンと来ない人は多いと思うけど、こりゃアメリカと日本の文化の違いで。アメリカで育った私にとって、多言語というのは当たり前。日本では「外国語」というのは珍しいものであり、遠い存在ではなか?
だから日本社会における『バイリンガル』『マルチリンガル』『言語取得』というのは馴染みがなく、難しいイメージだし、普通の人にはハードルが高くて抵抗のある存在になっているように感じる。英語や他の外国語が流暢な日本人は、『凄い』とか『才能がある』とか言われて、バイリンガルになっていることがえらい特別なことのように見られるやん。
だからこそ前回お話ししたように、バイリンガルのハーフは『特別』と思われたり、それが本人にとって仲間外れに感じて、自分がバイリンガルだと注目される事が嫌になってくることもある。
なので、自分の娘には英語ができる事は決して特別な事ではなく、あたり前のことと教えている。そして英語が目立つ存在や嫌な存在にならないように、英語への好奇心を高めるための英語のイメージ作り をやっとるばい!
そのイメージ作りでは、以下のポイントを強調しています。
『多数の言語が喋れて、得することが多い!』
『私たちの場合は英語も日本語もできてラッキー!』という風によく家族で話しています。話せる言葉が増えるほど、楽しめるものが増える。読める本が増える、観られる映画が増える、話せる相手が増えて、友達がたくさんできるということをいつも子供に見せようとしています。
あと、話せる言葉が増えるほど、人の役に立てる! 日本語を話せない人が困っていたら、私たちはその人をヘルプできる! 私自身が英語ネイティブだから言いやすいかもしれませんが、『単語しかわからない』場合でも、道に迷った観光客や注文に困っている外国人に声をかけるだけで、『ほら、英語ができたら人を助けられる』というメリットを見せられるやん!
『バイリンガル』『マルチリンガル』の当たり前化
積極的に国際結婚の家族同士でプレイデート、外国人が多く集まるイベント、外国人が経営する飲食店に連れて行く。バイリンガルの日本人の友達と交流をする。とにかく、いろんな言葉があること、そして多言語を喋る人はたくさんいることを子供に理解してもらうことがポイント。
ただ『バイリンガル』が当たり前だから、一つの言語しか話せないことが恥ずかしいとか悪いとか、思わせないように気をつけんばいかん。やっけん、家族で友達や親戚のお話しをする時は『グランマは日本語を勉強した事がないし、日本語は普段から聞いていないから、わからないよね』とか『舞ちゃんは英語をアメリカで勉強してたから、英語も日本語もできるよね』とか『友達のレオくんはフランス人で、フランス語も英語も日本語も出来るからいいよね』と、言葉を話せることだけではなく、話せる理由もよく話しています。
今、娘たちも幼稚園の同級生で中国語ができる子の話をするし『誰々ちゃんは英語教室行っているから、こんな単語知っているよ』と自ら言いに来たりして、周りにある『言葉』にとても興味を示している。
『ネイティブじゃなくてよか』も当たり前に
前回『親はそれぞれの母国語だけで接するべき』という教えに少し触れたけど、自分はそれをあまりきちんと守らなくていいと思うばい。まず、そうなってしまうと自分の娘の聞く英語の割合が激減してしまう。それとともに『おかしい英語』『おかしい日本語』がダメだと思わせたくない。私が思うには、ネイティブが喋っても、言葉の『完璧』なんてなかばい。
お父さんの、イントネーションがアメリカ人っぽい日本語、お母さんの、文法がちょっと違う英語を聞かせることにより、娘たちが「違うかも」と恐れて「言わんどこー」にならない働きはすると思う。文法や発音が違っていても、十分話せていると思ってほしい。
あと、周りの日本人の(爺ちゃん婆ちゃんも含めて、挨拶を交わす見知らぬ相手まで)「ほら、あの人も英語知ってるじゃん!」という気づきを大切にする。
『ハロー』と声をかけてくれるお隣さんや英単語をちょいちょい挟んでくる実のおばあちゃんの英語力を必ず褒める。言葉に関してだけではなく、出来があまりよくない時は『下手』ではなく、成長の段階だと教えようとしています。それが身についたようで、この間、娘二人が私の日本語の発音を訂正した後、二人で『お父さんは日本語をまだまだ勉強中だからね』と話しよった。(笑)
ま、ずっと間違ったままでよかとは思っていないけどね。もちろん、英語も日本語も上達していって、ミスを改善したい気持ちはあるけど、先ほど説明した言葉に対する考え方が身につくと言葉がより上達しやすくなるはずだ。日常生活において、もっともっと具体的にどうやって耳に入る英語の割合を補充しているのか、どうやって家族での英会話が『お勉強』にならないようにしているのかを次回紹介させてくださいね!
そいぎ、See you next time!