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Column 子どもとネットの上手な付き合い方

これってネット依存? わが子のスマホの使い方

2020.05.30

子どもたちの間に急速に広がるスマートフォン。SNSを通じて、簡単に知らない人ともつながることができてしまう世の中です。子どもを危険から守るためにどうすればいいのでしょうか。子どもとネットの関係に詳しい大笹いづみさんに聞きました。


第4回 これってネット依存? わが子のスマホの使い方

最近よく聞く「ネット依存・ゲーム依存」とは

最近ネットや新聞などでよく目にする「ネット依存・ゲーム依存」。

それは具体的には、どのような状態のことを指すのでしょうか。

ネット依存・ゲーム依存の状態と聞いて、多くの人が最初に思い浮かべるのは「ネット・ゲームに触れる時間が長い状態」ではないでしょうか。しかしそれをネット依存だとすると、仕事で8時間パソコンと向き合っている人はパソコン依存なのでしょうか。毎日3時間本を読む人がいたとしたらその人は読書依存なのでしょうか。

実は「ネット依存・ゲーム依存」は医学的に明確な定義があるわけではありません。ここで、近いものとして国際保健機構(WHO)によって疾病認定された「ゲーム障害」の定義を紹介します。WHOでは

(1)ゲームをする時間や頻度を自ら制御できない

(2)ゲームを最優先する

(3)問題が起きているのに続ける

などといった状態が12カ月以上続き、社会生活に重大な支障が出ている場合にゲーム障害と診断される可能性がある、としています。つまり1日にどのくらい使っているかはゲーム障害と直接関係はないわけです。

今の子どもたち、どのくらいの時間使っている?

使っている時間が長ければ、即ネット依存というわけではないですが、使っている時間が長いとネット依存になりやすいのも確かです。家で過ごす大部分の時間をネットやゲーム、動画などで過ごすお子さんを見て、心配になる方も多いかもしれません。そこで、今の子供たちがどのくらいの時間、ネットやゲームに時間を使っているのかを見てみましょう。

上のグラフは2019年度、小学1年生から中学3年生までの24,869人の児童生徒に「休日にゲーム、 ケータイ、スマホやパソコンなどを使っている時間は1日あたりどのくらいですか?」という質問をした結果です。

1日に2時間以上と答えた子どもの割合は、小学校1,2年では30%~40%、5,6年生になると50%~60%、中学2,3年生では80%以上にのぼることがわかります。もしかすると現在休校中の自治体の家庭では、もっと多くの時間をネットやゲームに費やしている家庭もあるかもしれません。

最近は、友だち間の話題が動画やゲームが中心になっている子供たちもたくさんいます。その状況でまったく動画を見せない、ゲームをさせないということが難しいご家庭もあることでしょう。また、国をあげてスマホやタブレット、パソコンを使った教育、学習も推進されている中で、そういった機器(ICT機器)に触れる時間はおのずと増えてくることでしょう。つまり使用時間だけを見ていても、それをもって「ネット依存」であるかどうかを語ることはできないのです。

やめるべきときにやめられる?

ネット依存、ゲーム依存にかかわらず、依存状態とは「自分にとって害になったり日常生活に支障をきたしたりするのに自力でやめられず執着してしまう状態」を指します。つまり、ネットをやるべきではない時間、場所、場面になったとき、自分でやめられるかどうかが、ネットやゲームへの依存傾向があるかどうかを知る一つの指標となります。

例えばお子さんの日常生活の中で以下のようなことはありませんか?

・食事中や寝る前など、やるべきではない時にネットやゲームを続ける。

・他にやるべきことがある時でもネットやゲームを続ける。

・ネットやゲームに熱中していることを隠すため、使った時間や使ったお金についてウソをつく。

・注意してやめさせると、落ち着かなかったりイライラした様子になったりする。

使っている時間が短かったとしても、上記のような様子が見られる場合は、日常生活の中でネットやゲームの優先度が高まっている状態と言えます。食べること、寝ることよりもそれらが優先するようなってくると、日常生活に支障をきたしてくる恐れもあります。

つまり、使う時間の長短よりも、本来別にすべきことがある時に自分でネットやゲームをやめられるか、自制できるかがとても重要なのです。

お子さんがネット依存、ゲーム依存にならないために、まずは親子で話し合ってスマホやタブレットを使うべき場面、使わないほうが良い場面を一緒に確認し、機器の利用に関するルールを作りましょう。ネットやゲームに没頭してしまうと、悪気がなくても時間を忘れて使いすぎてしまうこともあります。アラームやタイマーを使ったり、声掛けをしてあげたりするなど工夫もしましょう。

また、家庭の中で大人や兄弟は無制限にスマホやゲームを使っているのに、自分だけ制限される状態だと不満が出るのは当然です。お子さんのルールを決めるのと同時に、他の兄弟や保護者ご自身のルールも一緒に作るなど、お子さんに協力することも重要です。

しかし、一緒に決めたルールを守らせるのが大変! という声もあります。時間を忘れるほど楽しいものを途中でやめさせられて、場合によっては好きではない活動を無理やりさせられるのは子どもにとっては苦痛かもしれません。ルールだけではない方法でネット依存にならないような工夫はできないものでしょうか。

次回は「ネット依存・ゲーム依存にならないための予防策」について一緒に考えてきましょう。

大笹 いづみ

大笹 いづみ (おおささ いづみ)株式会社教育ネット代表取締役

未来を生きる子どもたちの情報活用能力を育むことを目的とし、教材づくりや出前授業などを行っている。2児の母。

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