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幼稚園クラスメイトの中国人一家と、ディナーへ

連載:駐在員の妻は見た!中国の教育事情 幼稚園クラスメイトの中国人一家と、ディナーへ

2018年より中国・広州に滞在中の5歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。(新型コロナウィルスによる退避のため、一時帰国中)


英語メインの幼稚園に転入した娘。同級生は7割が中国人。私は、転入早々に巻き込まれたトラブルにびくびくしながらも、少しずつ中国人保護者達との距離を縮めていきました。

第27回 休日に、公園で幼稚園クラスメイトと出会った

転入から2カ月、ある日曜の午後、家族3人で高級住宅地エリアの公園で遊んでいると、娘が誰かを見つけて「あ!」と叫びました。見ると、向こうも手をふって走ってきます。幼稚園で同じクラスの中国人です。休日ですが、シッターがぴったりついています。

お互いの家から離れた、しかも広大な公園内で出会うなんて、なんたる偶然!

「えーと、名前何だっけ?」と急いで、ウェブ名簿で調べる私。後から走ってきたママをみてびっくり! なんと、転入早々に遭遇した「幼稚園の教室の空気汚染」問題の中心にいた(25号参照)クラスリーダーでした。

高価な空気清浄機を幼稚園に寄付するという件で、割り勘断ったし、ちょっと気まずいんだよな……。しかし、ローラのママはそんなことはおくびにも出さず、英語で話しかけてきました。

「この子達をみていると、YES、NOくらいしか、英語で話さないよね。英語ちゃんと身についているのかしら?」と、ローラママ。私は、「うーん、まだセンテンス(文章)で話すまでいってないからね。母国語で話せる友達がいれば、そちらと遊ぶのが楽なんだろうね」と私の受け答え。

この日、公園でのローラと娘。偶然の出会いを記録した一枚です。二人でおままごとに夢中。

ディナーのお誘いを受けました!

しばらく遊んで立ち話をした後、「もともと、この近くのレストランで夕食を予約しているのだけど、一緒にどう? 夫とそこで待ち合わせているの」と持ちかけられました。

おーーーーっと、来ました! ディナーのお誘い。

中国人がご飯に誘うというのは「私がおごるから」という意味です。そして、次にこちらが誘い返して、おごり、その次に続く……。こうして交流を深めます。日本人同士のように、割り勘することはありません。

割り勘は「この場で関係は終わり。持ち越さない」という風に感じられるので、冷たくとられます。中国でも学生などの若い世代では、割り勘する場合があると聞きますが、私自身は中国人と割り勘したことは一度もありません。だって、失礼にあたりますから。そして、こうして好意・興味を持った相手とどんどん親密になっていく中国人の行動スタイルが、私は好きです。ほんとに、躊躇なく誘ってくれるんですよね。私もこのタイプなので、ノリがあいます。

夫に相談するからちょっと待ってね、と日本語でこそこそ。

私:「あのさ、わかってると思うけど、めちゃくちゃお金持ちだよ。おごってもらって、次回、うちが招待しなきゃだよ。それに英語で通すことになるよ、大丈夫?」

夫:「俺も、中国長いし、お誘いの意味くらいわかるよ。これからの幼稚園での人間関係をどうするかに関わるし、聡子が決めたらいい。聡子が行きたいなら、俺は受けて立つよ。ってか英語できるし、馬鹿にすんな」

よっしゃ! というわけで、お誘いを受けることにしました。娘たちは、手をつないで大はしゃぎ。娘にとっても、幼稚園の中国人友達と休日のご飯は初めての経験です。

超高級海鮮レストランへ

案内されたのは高級海鮮レストラン。これ……、中華料理の中でも最も高い種類じゃないですか! 店の外の生簀には、高級タラバ蟹や伊勢エビ、世界各地の高級海産物がうじゃうじゃ。仕事で水産が専門の夫は、写真を撮りまくり、興奮しながら説明してくれますが、私は値段を見てそれどころではありませんでした。

「人気の店だから個室とれなくてごめんね」と言われて通された広間の壁には、プロジェクターで日本の桜や富士山の画像が映し出されています。もう、店のコンセプトがよくわかりません……。

テーブルにはローラパパが先に着いていました。うーん、中国人にしては小声で話すためよく聞こえませんが、どうやら中国語しか話せないようです。早くも英語封印、がんばれ私。

メニューを渡されましたが、オーダーはすべて彼らに任せました。そして聞き取れないところは、夫に訳してもらいながら、なんとか話題についていきました。ローラママは、雲南省などの比較的貧しいとされる省の出身であること、北京で出会って結婚したので広州にはもともと縁がなかったこと、などがわかりました。日本が大好きで、よく旅行に行くとも。

びっくりするほど小さな声で、上品にしゃべります。これって、お金持ちだから? それとも性格? 日本人っぽい雰囲気です。

娘がまったく食べてくれなくて冷や汗

やがて、たらば蟹を中華炒めにしたものや、タスマニア産ロブスターにチーズ和えて中華風にしたものなどが運ばれてきました。夫は「この料理の仕方ははちょっと違うんだよなぁ」と残念がっていましたが、概ねおいしくいただきました。

しかし、娘は和食が好きなため、ほとんど食べません。しまいには「お菓子を食べたい」と言い出す始末。子ども達の行動を予期していたシッターがおやつをくれましたが「うちの子はよく食べるのよ」と言った手前、冷や冷やしました。

休日も、シッターが子どもの面倒をすべて見る

もちろんシッターも同席。エプロンをさせ、肉などを細かく切り、食べさせるのも彼女の役割です。トイレに連れて行くのも彼女。うちの子の面倒までみてくれようとします。

シッター自身は、白米に青菜をのせて食べていました。いくらすすめても、それ以外には手をつけようとしません。住み込みで、ローラが生まれたときから面倒をみているはずですが、立ち位置をしっかりわきまえているようです。10代後半~20代前半くらいでしょうか。

ローラの両親は離れた席に座って、食事と会話を楽しんでいました。

このディナーで、夫を見直しました

夫は、半年だけ北京に企業派遣で留学したことがあり、また中国人相手の商売をしているため、中国語ができます。そして、中国人気質をある程度理解しています。

が、2時間の夕食をすべて中国語で通し、しかもローラの両親やシッターを笑わせていたのを見て、改めて「すごい!」と感じました。日本人同士でさえ、初対面の相手を笑わせるって大変なことです。こういうのって語学力の問題だけではないですよね。今では、私も「中国人を笑わせる鉄板ネタ」を身につけましたが、いやー、この夕食は夫を見直す機会となりました。これは、回数をこなして、試行錯誤するしかありません。

そしてお会計は、なんとなく計算しても10万円近くいった気がします。次回、私達は彼らを、どこへお誘いしたらよいのでしょうか……。

(この記事は、2020年10月30日現在の情報を元にしています)

岡本 聡子

岡本 聡子ライター・経営学修士・防災士

2003~05年上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(株式会社アルク『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を執筆。2018年より、広州へ駐在帯同中。5歳女児の母。防災士としてNPO活動も行う。「駐在員の妻は見た!中国の教育事情」を連載hanakomama.jp/column/chinese-education

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