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第30回 幼稚園のクリスマスイベントでカルチャーショック

連載:駐在員の妻は見た!中国の教育事情 第30回 幼稚園のクリスマスイベントでカルチャーショック

2018年より中国・広州に滞在中の5歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。(新型コロナウィルスによる退避のため、一時帰国中)


英語メインの幼稚園に転入した娘。授業は英語、日本人の友達もいるけれど、同級生は7割が中国人。最初の年のクリスマスイベント当日、事件は起きました。

イベントの準備は、適当かつ突然

幼稚園のクリスマスイベントは、校庭にステージや屋台を作って盛大に行われます。学年ごとの歌唱、バレエクラスの発表、保護者の出し物、先生たちのコミカルな踊り、などです。

屋台は、外部のレストランやケータリング、企業の出店が多いのですが、親も出店できます。

子ども達はこの日のため、歌や振りの練習を重ねます。幼稚園児なんて整列させるだけでも一苦労。それを、英語で指導して、英語の歌を歌わせるわけですから、先生達はもう大変!

日本国内の幼稚園だと、学芸会やバザーに関しては、遅くとも1カ月くらい前からは親を巻き込んで準備を始めます。一方、娘の幼稚園は、「保護者はお客様ですから。当日来て楽しめばいいんです。ボランティアが必要な時はお願いしますから」という姿勢。

それなら、と何もしないでいると、子ども達の衣装を親が作るクラスがある、との噂がまわってきました。イベントまで残り一週間しかないのに、問い合わせても、クラスによって先生の回答はまちまちです。

何度も確認してわかったことは、ペラペラの雪だるま衣装を子ども達が作る、ちゃんとしたものを買う、昨年のものを再利用する、など、学年ごとに、ばらばらに進行しているということ。先生達も、「衣装は、誰かがまとめて用意してくれるはずなので、詳細はわかりません」。

さらに日本人ママ達を動揺させたのは、イベント当日の予定が2日前になって告知されたことです。お昼まで幼稚園はなく、集合は13時半、帰りのスクールバスはなし。12月末で広州を離れて日本に帰国する人達は、自分達の送別会の予定を急遽変更してもらうなど、大あわてでした。

予定発表が直前になるのは、中国では当たり前です。最初は、このギリギリっぷりがストレスでした。日本の幼稚園では、年間・月間予定表が出ますもんね。

クリスマス前に、幼稚園で描いた雪だるまの絵。

クリスマスイベント当日の衝撃

イベント当日、早めに行き、ステージ前に並べられた座席に座り一安心。

しかし、イベントが始まると、一部の人々が立ち上がり、ステージ前に殺到したのです! 前列が立ち上がると、その後ろも立ちあがるので、ほぼ全員が総立ち状態。子ども達の姿が見えないうえに、人が押し合い、さらに前に出ていき、老若男女が入り乱れて大変危険です。小競り合いになっている人達までいます。

そう、やはり、ここは中国。

全体の利益のために、個人が我慢をする、という論理は通用しないようです。司会者の「後ろの人の邪魔になるので、座ってください」という呼びかけもむなしく、舞台がほとんど見えないままプログラムは進みます。

呆然とする、中国人以外の外国人ママ達。中には、ステージ前の群れに突入する勇敢なママもいますが、私はあきらめました。

勝てる気がしない。いや、子どものイベントで、親同士がこんな醜い争いを起こして良いはずがない。

最近は改善されてきましたが、本来、中国人は列に並びません。写真を撮る時は、禁止されようが制止されようがどこまでも入っていきます。この時は、まだ中国語で文句も言えませんでした。 人口が多く競争が厳しいから? 国民性? 学校教育? いろんな疑問が頭をもたげ、怒りがこみ上げた一日でした。

岡本 聡子

岡本 聡子ライター・経営学修士・防災士

戦略系経営コンサルティング会社を経て、上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を株式会社アルクより出版。幼稚園児の母。分析・事業開発支援、NPO運営なども行う。oyakobousai@gmail.com facebook.com/okamotosatokochina

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