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第39回 幼稚園のテーマ学習に驚いた

連載:駐在員の妻は見た!中国の教育事情 第39回 幼稚園のテーマ学習に驚いた

2018年より中国・広州に滞在中の5歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。(現在、コロナによる退避のため、一時帰国中)。


娘は、英語が公用語の幼稚園に転入しました。同級生は、中国人が7割を占めています。

2~3か月毎に変わる、テーマ学習の徹底ぶりがすごい!

娘の幼稚園は、インターナショナルスクールを模したプログラムで運営されています。経営資本は中国人投資グループによるものですが、校長はイギリス人、そしてイギリス発祥のプログラムを用いています。

私が面白いと感じたのは、ひとつのテーマを2~3か月かけて、科目横断的に取り組むところ。

例えば、「虫」の場合はこんな感じです。

・英語:虫に関連する単語、虫の特徴や一生を学ぶ。虫の絵本を読み聞かせ。「はらぺこあおむし」は中国でも人気でした。

青虫と蚕の違いについて学ぶ

・中国語:虫に関連する絵本の読み聞かせ。

・理科:教室で蚕を飼い、成長を観察。「なぜ蚕?」と疑問に思いましたが、歴史に鑑みると納得。

教室で飼育した虫を観察

・音楽:虫に関わる各国の歌やリズム遊び。日本からは「ほたるこい」。

・図画工作:虫の絵、工作。

・体育:虫の動きを取り入れた体操や競争。

クモの巣について学習

・算数:さすがに、虫とは関連無し。

・校外学習:農園で虫の観察。

・イベント:テーマ学習の最後、虫を模したおやつを作ってビュッフェパーティ。虫の衣装を子ども達自ら手作りして仮装。

虫のおやつパーティー

かなり徹底していますよね。虫のおやつパーティーの写真をご紹介しますが、恐ろしいほどのこだわりを感じます。おかげで、娘は虫好きになりました。でも、お母さん達の中には「気持ち悪くて、おやつパーティーの写真が見られない!」「虫の工作を大量に持ち帰るのは勘弁」という人もちらほら。

虫をテーマにした手作りおやつ

マインドフルネスがテーマになり、私が戸惑った

次に印象に残っているテーマは「マインドフルネス」です。私のイメージは、「今この瞬間に集中する」「瞑想」なのですが、皆様ご存じでしょうか? でも、幼稚園児に瞑想?

アメリカの一部の小中学校でマインドフルネスを取り入れ、生徒たちの集中力が増して、成績向上につながったというニュースは見ましたが、幼稚園児にも効果はあるのでしょうか。それまでは「乗り物」「虫」「天気」「国・世界」「身体」「家族」「買い物」「町」「ゴミ」など、生活に即した具体的なテーマが続いていました。いきなり概念的なものになり、意外に感じました。

ちょうど中国では「子どもの自殺増加」が社会問題になっていた時期のことです。もしかして子どものメンタルヘルスを考えてのテーマ選択なのかもしれません。これは深読みしすぎかもしれませんが。

気になったので「今、幼稚園で何をしているの?」と娘に尋ねると、「ママがしているみたいに、皆で毎日ヨガをしてるよ」と答えてくれました。ふむふむ、ヨガで瞑想しているわけね。クラス担任からの教育内容説明書を読むと、毎朝5分間の瞑想と書かれていました。他には、目隠しをして裸足で校庭を歩く、校外学習で野外ヨガをする、いろんなものを触ってその感触を味わう、など面白そうな計画がいっぱい。

このテーマは3か月続きました。子どもに変化があったかは定かではありませんが、楽しそうにしていたのが何よりです。

目隠しして、裸足で校庭を「感じる」
岡本 聡子

岡本 聡子ライター・経営学修士・防災士

戦略系経営コンサルティング会社を経て、上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を株式会社アルクより出版。幼稚園児の母。分析・事業開発支援、NPO運営なども行う。facebook.com/okamotosatokochina

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