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第43回 広州の日本人向け医療レベルは?

連載:駐在員の妻は見た!中国の教育事情 第43回 広州の日本人向け医療レベルは?

2018年より中国・広州に滞在中の6歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続現在、コロナによる退避のため、一時帰国中)。

子連れ海外駐在で心配なことといえば、現地の医療レベル。
今回の記事は、駐在員とその家族の話として、私が2020年1月までに経験したことをもとにしています。

◆中国で、初めて子どもが受診した経験はこちら


クリニックの日本的な雰囲気とサービスに癒された

広州には日本人向けクリニックがいくつかあります。車での送迎、雰囲気、営業時間の長さ、薬の出し方などはそれぞれ特色があります。

中耳炎になりやすい3歳娘と私は、「櫻花(おうか)クリニック」をかかりつけとして選びました。耳鼻科、小児科、皮膚科、内科、といろんな科の医師に、このクリニックで診てもらいましたが、どの医師も丁寧に受け答えしてくれて、腕も確かでした。他の病院勤務医や、退職した医師が必要に応じて週何日か働いていました。

土日も夕方まで開いており、とても助かりました。予約がとれれば車での送迎も可能で、体調の悪い時にはありがたいです。そして、自由に日本語を話せる環境。日本の雑誌が置かれ、日本のテレビ番組が流れ、なによりも静かで衛生的! 中国では、こんな場所はあまりありません。

やはり日本って、すべての場所で衛生水準、サービスレベルが高いです。床が水浸しで滑って転ぶ、汚くてトイレが使えない、テーブルが汚れていて物を置けない、ということはありませんよね?

中国に住み慣れても、弱っている時は日本の静かで清潔な環境に戻りたくなります。

薬の処方は多いかも?

気になる点として、薬の過剰処方傾向は確かにあるかもしれません。処方される薬の種類も多いうえに、予備的投与にも積極的というか……。

子どもがインフルエンザにかかった時、両親にも予防薬としてタミフルが処方され、家族で1週間飲み続けたという話もよくききました。

ちなみに、インフルエンザワクチンを中国で受けるかは、毎年頭を悩ませました。中国製、フランス製など選べましたが、大切なのはその地域で流行するであろう型のワクチンを打てるかです。入荷自体が制限されることもあり、インフルエンザワクチン自体を受けない人達も多かったです。

日本製インフルエンザを求めて、香港に打ちに行く人達もいましたが、その型は中国大陸の今年の流行に有効なのか?  うーん、こればかりは予想に基づくものなので分かりません。クリニックで扱えない検査や治療は、医療サービス会社が病院を探して予約してくれます。私は経験ありませんが、通訳も同行派遣してくれるそうです。

薬は、中国製だけでなく欧米製も処方されました。日本語での詳しい説明もつけられていました。中国製の薬というと、日本人は良い印象を持っていませんが、特に問題はありませんでした。

ただ、これがほしい! というものがなくて困ったことはあります。

例えば、夫が飲んでいる薬は日本でしか手に入らず、そのため定期的に日本出張に行っていました。しかし、コロナ中は1年以上日本に戻れません。本社とかけあい、オンライン診療を受け、中国に薬を送ってもらいました。中国は薬の国際送付には厳しいので、よく入手できたものだと胸をなでおろしました。

乳幼児のヒルドイドローション(保湿剤)も、硬い軟膏タイプしか手に入らず、一時帰国の度に受診して、少しずつ中国に持ち帰りました。

処方された中国製の薬。飲み方や副作用など、すべて日本語の説明書付き。

広州特有のケガや病気

これだけ医療が手厚ければ、十分です。しかし、異国では思いもよらぬケガや病気に悩まされます。

例えば、風土や建材によるもの。

日本にいない虫に刺され、化膿して腫れあがったのが、私は特につらかったです。日本では刺さないタイプの、見えないくらいの小さな羽虫が公園にうようよ飛んでいて、よく刺されました。見えないし、刺されていること自体に気づきません。

湿気が多く、暑い広州。公園遊びは虫との闘いでした。

特に、日本人は広州の虫に対して免疫がないため、刺された箇所は熱をもって10センチ近くはれ上がり、皮膚科を受診するはめに。以後、公園に行くときは、決して肌を出さないようにしました。娘も、日本ではめったにかからない型の肺炎にかかりました。

そしてなんといっても多いのが、骨折。日本から赴任したての男性が、建物の床で滑って骨折する事件が多発しています。ショッピングモール、会社、ビルの軒先など、広州の床は雨・湿気や掃除により、よくつるつるになります。

もちろん子どもも骨折します。住居の床が大理石のような硬い石なので、ソファーから飛び降りて骨折。お風呂も石でできていて、骨折。

皆様、ご注意ください。

中国の一般病院との比較

最後に、中国の一般的な病院の仕組みにふれておきましょう。

中国人向けの病院は、まず受付のための番号札をとるために並ぶことからはじめなければなりません。最近はネットで番号とりができるようになったところもありますが、最近まで、そのために数日間並ぶこともあったそうです。

そして、先にお金を払わなければ受診すらできません。 コネやお金により、受けられる医療が異なります。中国にも社会保障制度はありますが、限定的。日本の皆保険制度って、すごいことなんだなぁ、と改めて思います。そして、中国人の日本の医療に対する信頼はとても厚いです。

岡本 聡子

岡本 聡子ライター・経営学修士・防災士

戦略系経営コンサルティング会社を経て、上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を株式会社アルクより出版。幼稚園児の母。分析・事業開発支援、NPO運営なども行う。facebook.com/okamotosatokochina

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