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第44回 中国でもしまじろうは大人気!

連載:駐在員の妻は見た!中国の教育事情 第44回 中国でもしまじろうは大人気!

2018年より中国・広州に滞在中の6歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。(現在、コロナによる退避のため、一時帰国中)。


日本の人気キャラ達と出会い、大喜びする娘

中国に渡ったばかりの休日。友達もまだいない、外は暑くて遊べない、と仕方なく家族3人でショッピングモールを散歩していた時のことです。

「あーーーーっ!」といきなり大声をあげて、娘がかけ出しました。その先には、赤いシャツに青いズボンの、なつかしい虎が!

しまじろう?! 私の知っている姿とは、服装がちょっと違う……。もしや?

どうやら、ショッピングモールの1スペースを借り切って、こどもちゃれんじの宣伝、体験会を行っているようでした。

「中国にも、しまちゃんはいるんだね! 中国人も、しまちゃんが大好きなんだね!」

と大喜びの娘。紙で作ったしまじろう帽子をかぶせてもらい、テーブルに座って講座体験をはじめました。アルファベットをなぞり、知育おもちゃで遊んで満足気。その間、スタッフは熱心に売り込みをかけてきます。しかし、我々は日本で申し込んだこどもちゃれんじを海外受講しています。中国語での受講は考えていません。という事情を伝えました。スタッフもすぐに納得してくれました。体験スペースは満員です。なかなかの人気っぷり?

実は、中国では、体験スペースに長居する人達が多いんです。IKEAでは売り物のベッドやソファーに、住人のように長時間座ってくつろいでいる人達がいます。

こどもちゃれんじ体験スペースでも、まるで保育園のように子どもを任せている親達や、なかなか立ち去らない子ども達がいたので、「そろそろ終わりにしましょう、帰ってください」とスタッフが声かけをしていました。日本ではあまり見られない光景です。

しまじろう宣伝隊にはその後も数度出会いました。

宣伝隊からもらった、しまじろう教育セットのチラシ(表)

中国での会員数は、日本国内を逆転

こどもちゃれんじ事業は2006年に中国に進出。その会員数は中国110万人、台湾8万人(2020年4月)。なんと、日本国内の会員数を、海外会員数が上回っています。これら海外向けこどもちゃれんじ事業は、ベネッセグループ全体売上高の12.6%を占めるまでに成長しました。

中国では、0歳から8歳(小学2年生)までを対象とした講座を展開しているそうで、月額約140元(3000円程度)です。日本の未就学児向け会費は月額2000円前後ですから、強気の価格設定ですね。

そして中国といえば、コピー天国。ショッピングモールでしまじろう宣伝隊に会った時も、嬉しいというより、「これは本物? 相手にしていいもの?」と戸惑いました。

しまじろうとの再会直後には、ピカチュウのように見えるけれど、どこか違う(?)着ぐるみと遭遇し、娘はまたもや大喜び。夫と私は、もやもやした気持ちのまま遠くから見守りました。

しまじろうと再会した後、同じフロアで出会ったピカチュウもどき。とてもフレンドリーでいい奴でした。

話を戻して、こどもちゃれんじの中国語訳は「楽智小天地」、しまじろうは「巧虎(チャオフー)」といいます。ベネッセの現地パートナーとして中国中福会出版社がライセンス出版しているそうです。

中国でも、しまじろうコンサートは行われています。2017年には中国国内39都市で、のべ300回を超える公演が行われ、約17万人を動員。動画サイトでのアニメの再生回数も、2017年の時点で12億回を超えています。

街中でも、しまじろう人形やリュックを背負った子ども達を何度か見かけました。

中国では、しまじろうも一人っ子

しまじろうコンサートの写真をみると、みみりん、とりっぴぃ、にゃっきーは存在しています。しかし、妹のはなちゃんはいません。そう、しまじろうは一人っ子なのです。

一人っ子政策は最近廃止されましたが、中国の実情を反映してしまじろうも一人っ子として育っています(2020年2月現在)。

中国は、競争が激しい社会であり、日本よりも学歴重視です。さらに、中国では幼児でも漢字や計算を学ばなければなりません。日本の教材をそのまま使わず、中国の教育・家庭事情にあわせた内容を展開しているのが、受け入れられている要因かもしれません。

現在、会員が110万人といっても、中国の子どもの数から考えるとごく一部。中国の年間出生数(注1)はここ数年、毎年1500~1700万人前後で推移しています。仮に0歳~小学校2年生までを対象とするならば、約1.2億人が潜在市場として存在していることになります。

地方と都市部の経済格差、他社の幼児教育との競争、コロナの影響等もありますが、まだまだ可能性を秘めています。

チラシ裏。毎月送付の内容ではなく、目的別幼児教育セットの一覧。

日本からの、こどもちゃれんじが届かなった!

中国では、毎月日本からこどもちゃれんじが届くのを楽しみにしていました。しかし、2019年秋頃から配送が不安定になりました。

「母子衛生用品などが荷物に含まれるので、税関でとめています。内容と金額の証明を行ってください」という通知が毎月届き、そのたびに書類を出しました。この時期、広州でこどもちゃれんじを海外受講していた人達は一斉に同様の経験をしたそうです。

書類を提出しないと、こどもちゃれんじは届きません。娘は「まだ、しまちゃんは来ないの? 日本に帰っちゃったの? 誰かにとられたの?」と不安そう。

それまで順調でも、いきなり厳しい規制が入るのが中国。異国では、なかなか日本の絵本を買うことができないので、毎月届く教材は本当にありがたかったです。

(注1) https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_int_china20190921j-02-w380 中国の人口と出生数(2019年9月)

■「海外向けこどもちゃんれんじ事業」について、以下を参考にしました。
株式会社ベネッセホールディングス「DATA BOOK 2020」
https://pdf.irpocket.com/C9783/ng2K/HdMf/oVAS.pdf

■中国でのしまじろうコンサート・講座内容について、以下を参考にしました。
「ベネッセ教育情報サイト」
https://benesse.jp/kosodate/201802/20180214-1.html
https://benesse.jp/kosodate/201802/20180216-2.html

岡本 聡子

岡本 聡子ライター・経営学修士・防災士

戦略系経営コンサルティング会社を経て、上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を株式会社アルクより出版。幼稚園児の母。分析・事業開発支援、NPO運営なども行う。oyakobousai@gmail.com facebook.com/okamotosatokochina

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