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Column 駐在員の妻は見た!中国の教育事情

新型コロナウイルスの影響ここにも! 授業、宿題、習い事に休みなし!

2020.02.25

2018年より中国・広州に滞在中の4歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。今回は、新型コロナウィルスに関連する動きをお伝えします。私自身は、偶然1月中旬に日本に帰国しており、渦中の中国にはいませんが、現地と頻繁にやりとりをしています。


臨時特別3号:新型コロナウイルスの影響ここにも! 授業、宿題、習い事に休みなし

学生達は、案外忙しい

1カ月以上休みが延長され、自宅軟禁状態で子ども達はどう過ごしているのでしょうか?

意外にも、平日はかなり忙しいらしいのです。なぜならば、オンライン授業が行われているからです。しかも、学校と同じように、朝から晩までスケジュールがびっしり。確かに、「必ず自宅にいる、どこでも受けられる、体調が悪ければ隔離される」という条件では、出席せざるをえません。

実は、「食育」テーマの後にお伝えしようとしていたほど、中国の教育熱はすごいことになっています。自宅軟禁で学校が休みだといっても、勉強させないわけがありません。朝7時50分から夜9時まで、いつもどおりのスケジュール表が送られてきて、すべての授業で出席証明をしなければならないという学校もあります。(中国では、大学生まで昼寝をするため、小学生は午後6時、中高生は最大夜9時まで授業)

写真2-1 オンライン学習中の小学生

自宅でオンライン授業中の小学生

現在、私立・公立を問わず、ネット学習用のアプリを使い、ストリーミング中継や全生徒参加型の授業が行われています。人口の多い中国では、1クラス60~80人という小学校も珍しくないのですが、なんとクラス全員が同時にダンスや、運動をしています。画面分割機能により、誰がさぼっているかも一目瞭然。これは、きつい……。そして、階下から騒音の苦情が出て、体育だからと説明するというお決まりのやりとりがネット上で公開されていました。

中国ではLINEのようなWechatというコミュニケーションアプリが使われていますが、このアプリで普段から担任と保護者がやりとりをします。そして、子どもの宿題管理は保護者の責任であり、都度、先生に報告を行います。グループチャットでは成績や課題の進捗具合が公表され、管理不行き届きだと親が恥をかきます。そのため、保護者は必死で子どもに勉強させます。

もちろん、中国は競争が激しいので基本的に教育熱心ではありますが、親にかかるプレッシャーは相当のものです。ネットには「学校の宿題が多すぎる、でもやらせないと子どもをだめにする。しかし、子どもに勉強させるのが死ぬほど難しい。親子関係がおかしくなりそうだ」という悩みがたくさん書き込まれています。

話を今回の件に戻すと、親も必死、先生達も必死という中で、面白いオンライン授業が話題になっています。水泳の授業で、ベッドの上でクロールし続ける体育教師、生徒の注意をひこうとお酒を一気飲みするなど派手なパフォーマンスを行う数学教師……。

この他にも、もともとオンラインで英会話のマンツーマン指導を受ける幼稚園生や小学生もいて、習い事を含めると、子ども達は相当やるべきことがあります。もしかして、バレエやピアノもオンラインレッスン化しているのでしょうか、興味深いです。

娘の幼稚園の場合

幸いにも、娘は幼稚園生なので、びっしりスケジュールでもなく、強制もされていません。毎日、2~5分程度の動画が数個送られてくるだけです。ですので、私も日本にいることにかまけて、動画はまとめて娘と観ています。英語、音楽、絵本、体育は面白いのですが、最近のメイン授業のテーマが「植物の構造」のため、正直、退屈なんです。先生は、掘り出した木や花の根っこから花弁の仕組みまで英語で教えてくれるのですが、画面が地味すぎて……。

とはいいつつも、庭の梅の木を描いて先生に提出したり、教えられたように数字カードで足し算ゲームをする動画を送り、先生とのやりとりを楽しんでいます。ふと気が付くと、学校のモーメンツ(Facebookの投稿ページのような機能)に、娘の作品と顔を隠した写真がアップされていました。フィードバックがあるとやる気がでます。先生達だって、生徒からの反応がないと、オンライン授業は続きませんよね。「双方向」って大切、と今更実感しました。

先生達も自宅を出られないので、自宅撮影をしています。まだ海外にいる外国人の先生達は海外の自宅から。娘の幼稚園では、先生との直接のやりとりは行わず、今回を含めて、クラス代表委員を通してコミュニケーションを行っています。保護者の過干渉を防ぎ、公平性を保つという目的です。プライベートは謎に包まれた先生達の意外な一面が見られて興味深いです。

中でもオーストラリア人の体育教師は、自宅すべてを使い、子ども用アスレチックとして公開してくれました。ベッドから滑り台で降りたり、縄梯子があったり……。この人は、建造物を素手で登るようなワイルドかつ繊細な人で、私はその教育方針や雰囲気が前から好きでしたが、自宅での工夫をみて、ますますファンになりました。子どもも、体育と音楽は何回も繰り返して観ています。体育は、オンライン授業に最も適さない科目だと思っていましたが、アイディア次第なんですね。

写真2-2 幼稚園からの動画
幼稚園から送られてきた動画ファイルの一部。感染予防策について。

感染症の猛威の中でも、1人1人の生活がある

今回は、ちょっと肩の力を抜いて読める話題をとりあげました。連日、中国での感染者数や死者数が報道されており、私ですら感覚が麻痺しつつあります。しかし、その向こうには人々のリアルな生活が存在しています。不安や不自由さだらけの環境でも、1人1人懸命に毎日を生きていること、人間的な何かを感じていただければと思います。

岡本 聡子

岡本 聡子 (おかもと・さとこ)経営学修士

2003~05年上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(株式会社アルク『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を執筆。2018年より、広州へ駐在帯同中。5歳女児の母。防災士としてNPO活動も行う。facebook.com/okamotosatokochina

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