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感染抑え込み成功?中国の態度が変わりました。
2020.03.07 by 岡本 聡子 岡本 聡子

連載:駐在員の妻は見た!中国の教育事情 感染抑え込み成功?中国の態度が変わりました。

2018年より中国・広州に滞在中の4歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。今回は、新型コロナウィルスに関連する動きをお伝えします。私自身は、偶然1月中旬に日本に帰国しており、渦中の中国にはいませんが、現地と頻繁にやりとりをしています。


臨時特別4号:感染抑え込み成功?中国の態度が変わりました

2月半ば、日本がやたらと称賛された

2月半ば、中国語検定試験「HSK」の日本事務局が湖北省の大学などに送った支援物資の箱に、「山川異域 風月同天」という八文字が書かれていたことを覚えていらっしゃいますか? これは、「住む場所は違うが、自然を通してつながっている」と相手に寄り添い励ます意味が込められています。これが、中国のSNS上で拡散、特に若い人達に大きな感動を与えました。

他には、京都府舞鶴市からの支援物質の箱にも、「青山一道同雲雨 明月何曽是両郷」という「別の地にいても、互いに同じ月を見ている」という漢詩が書かれていました。日本の政治家、企業も続々と応援メッセージや支援物質を送りました。この時期、私も多くの中国人から日本の支援や態度について、「日本ありがとう!」「感染が収まったら必ず日本を訪問します」とメッセージをもらいました。

同時期に、「中国からの一時帰国子女・中国に関わる子ども達を、14日間経過観察後は、速やかに学校に受け入れること。差別や偏見を生じさせないよう配慮すること」を教育委員会が学校に、学校から保護者に求めた書類も、中国のSNSで話題になりました。「なんと成熟した文化だろう」「誠実で思いやりにあふれている」とのコメント。

2004年頃、上海で反日感情に悩んだ私にとっては「こんなに中国の対日感情が良くなる日が来るとは」と目頭が熱くなりました。

ただ、同時期に、地方の友人から「武漢に全部医療従事者を送ったから、地元から医者がいなくなった。病院の外来が閉鎖してしまった。私達が病気になったら誰が診てくれるのか?」という声がきかれ、国民の不満も最大に達していました。

「国内政治への不満」と「外国への感謝、感情改善」は、やはり反比例するものだと思います。逆に「愛国心・自国への自信」が高まると、つい外国を厳しい目で見てしまいがちです。

2月後半、立場が逆転した

徹底的なコントロールを経て、2月後半には中国の感染拡大は統計上ピークアウトしました。現在、湖北省以外での新規感染者がゼロ~1桁で推移しています。終息にはほど遠いものの、感染者ピークを越えたというニュースは人々の気持ちを明るくします。人々は日常を取り戻し始めました。

現在、日本はイベントの自粛などで、皆さん、暗い気持ちになりがちな日々を送っておられることと思います。中国から退避中の私も、「感染流行があるかも、という不安な気持ち」を中国、日本で2度辿ることになり、疲弊気味です。

しかも、今は「日本からウィルスを逆輸入されたくない」と、中国側が日本に渡航制限をかけつつあります。中国の山東省・威海市では2月25日付で、日本および韓国からの渡航者を14日間、検疫のために隔離する措置(強制的な検疫)をとると発表しました。

広州でも、中国帰国後14日間は外出を避け、毎日健康状態を当局に報告すること等が義務付けられました。日本からの渡航者に対して、日々管理が厳しくなっています。日本からの渡航者の部屋は、14日間はルームクリーニングが入らず、ジムや共用部分の使用を禁止するというホテルも出てきました。

また、日本からの到着便においては、中国系航空会社から始まり、日系航空会社でも全員検温が実施開始されました。。中国入国が一日違うだけで、検疫措置が異なりびくびく……。昨日の検疫官はただのマスク姿だったのに、今日は防護服。昨日ホテルに入った人は14日間の経過観察(自己管理で隔離)はなかったのに、今日からは厳しい管理体制が敷かれている、など。日々対応が変わるため、情報確認に追われて、気苦労が絶えません。

2月末には、「広州でも、日本から到着した日本人は強制的にウィルス検査をされ、24時間当局施設で隔離、自宅へは当局の車で送られる。陽性ならば、そのまま隔離施設へ。陰性でも14日間の自宅隔離、預けた荷物は消毒される」という内容のSNSが出回りました。ちょうど3月1日は、多くの駐在員が広州に再渡航する日であり、緊張が走りました。この措置は、同じ管轄区の福建省厦門空港で行われている措置であり、翌日には間違いだと判明しましたが、「いつそうなってもおかしくない」「中国政府の強制力はハンパない」「強制隔離や連れ去られる危険と隣り合わせ」と皆さん不安を感じています。

コロナウィルスと日中関係 マスク
マンション内の掲示。「今日も、マスクをしていますか?」 イラストはかわいいが、マスクをつけないと罰則規定あり。

(この記事は、2020年3月3日現在の情報を元にしています)

岡本 聡子

岡本 聡子ライター・経営学修士・防災士

2003~05年上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(株式会社アルク『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を執筆。2018年より、広州へ駐在帯同中。5歳女児の母。防災士としてNPO活動も行う。facebook.com/okamotosatokochina

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