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新型コロナの影響ここにも!幼稚園児の自宅学習
2020.05.16 by 岡本 聡子 岡本 聡子

連載:駐在員の妻は見た!中国の教育事情 新型コロナの影響ここにも!幼稚園児の自宅学習

2018年より中国・広州に滞在中の4歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。今回は、新型コロナウィルスに関連する動きをお伝えします。私自身は、偶然1月中旬に日本に帰国しており、渦中の中国にはいませんが、現地と頻繁にやりとりをしています。


第15回 臨時特別10号:新型コロナの影響ここにも!幼稚園児の自宅学習

新型コロナウイルスで幼稚園もオンライン授業に!

娘が通う、中国のインターナショナル幼稚園が休校になってから、4カ月目に入りました。広州の教育機関は5月~6月にかけて段階的に登校開始となるようです。広州日本人学校の登校開始日は、中1・中2は5月11日、小4~小6は5月18日、小1~小3は5月25日と許可が下りました。幼稚園は最後に開始予定です。

幼稚園からは、1日5本程度の動画やレジュメが送られてきます。複数教科が含まれ、全部観ると1日15分程度です。英語、中国語、音楽、体育、図画工作、科学実験、中国語や英語の絵本読み聞かせなどで、海外でも視聴できるので助かります。まだ幼稚園だから、強制ではなく、宿題もありません。「チャレンジしたら、動画や写真、成果物を担任まで送ってね」というゆるい感じです。

どの教科も先生達の工夫がつまっています。最近は先生達の動画編集スキルが目に見えて上がりました。そして、綿密な学習計画が練られています。

まず、毎月、月間予定表が配られます。2月は自然(植物、昆虫)、3月は季節・気候、4月は地域社会(町の仕組み、買い物、ゴミ)でした。この月間テーマが細分化され、一週間ごとに「今週の内容、その目的・ゴール、子ども達が獲得すること」の予定表が送られてきます。

月間テーマは、体育以外のすべての教科で共通して扱われます。英語・中国語で植物・昆虫の単語や仕組みを学び、図画工作で植物・昆虫を作り、絵本・音楽も同テーマを扱います。科目横断的な学び方であり、よく考えられています。 とはいうものの、まだ幼稚園児。3‐4分の動画を見るだけでは、英単語や発音はなかなか身につきません。何よりも集中力が続きません。音楽、体育、図画工作は興味を持って観るけれど、英語や中国語は我慢してようやく観終わります。他のお子さんも同様だと聞きました。

幼稚園児の自宅学習は、親の努力次第……

毎日15分というのが私には面倒に思えて、はじめはまとめて観ていましたが、やがて1週間程度で動画が期限切れになるとわかりました。毎日ちょこちょこ勉強する習慣は大切ですね。私は、夏休みの宿題をまとめて終わらせるタイプでしたので、動画視聴を毎日コツコツこなすのは苦手です。チェック体制などの強制力がないと、ついさぼりがちに・・・。

中国の小学生のように、双方向・生配信授業で出席・宿題確認されれば、毎日まじめに勉強しますが、幼稚園では年齢的に難しいでしょう。

ちょっと反省だな、と思った出来事がありました。

原則、英語科目についてはクラス担任が動画を作成して毎日送ってくれます。しかし、3月頃から娘のクラス担任が撮影した動画が少なくなりました。代わりに、他のクラスの先生の動画が送られてきて、娘も不思議そう。

やがて、担任から「最近、ネットワーク環境が良くない場所にいます。頻繁に皆さんと連絡がとれませんが許してくださいね」とメールが送られてきました。事情を知る中国人ママからきいたところ、当時、担任の先生は湖北省内(武漢の隣町)の、都市封鎖と隔離が厳しい地方にいたとのこと。ストレスで体調を崩したこともあったとか。

どうりで、先生は顔色が悪く、南国・広州とは違う内陸部の寒そうな部屋で撮影しているという印象を受けたわけです。「クラスのみんな、私に課題の答えや勉強している様子を送ってね」と先生が授業動画の中で毎回呼びかけても、私は初めの2回しか送りませんでした。他の生徒達もあまり送らなかったようです。先生、ごめんなさい、封鎖されて本当に大変なときに授業をしてくれたのに……。

アメリカ、イギリス、マレーシア、中国各地ほか、いろんな地域に退避・隔離中の先生たちがそれぞれ工夫を重ね、授業動画を送ってくれます。幼稚園児の自宅学習はやる気や集中力において制限がありますが、だからこそ親の協力が大切だと思います。

でも、私自身は、子どもは遊び第一、遊びをとおして自然に学ぶものだと個人的には考えているので、無理強いするのもよくない……、という気持ちもあります。中国にいると、周囲の影響で教育ママになりがちですが、頭を冷やさないと。授業動画をとおして、楽しみながら広州の幼稚園とつながっていることを感じてくれたらいいな、と思います。

教室の壁。英語の発音や、各国文化について先生たちが手作りで教材を作ってくれた。

(この記事は、2020年5月11日現在の情報を元にしています)

岡本 聡子

岡本 聡子ライター・経営学修士・防災士

2003~05年上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(株式会社アルク『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を執筆。2018年より、広州へ駐在帯同中。5歳女児の母。防災士としてNPO活動も行う。facebook.com/okamotosatokochina

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