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Column 駐在員の妻は見た!中国の教育事情

中国のオンライン授業を経験して考えたこと

2020.07.04

2018年より中国・広州に滞在中の4歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。今回は、新型コロナウィルスに関連する動きをお伝えします。私自身は、偶然1月中旬に日本に帰国しており、渦中の中国にはいませんが、現地と頻繁にやりとりをしています。


第19回 臨時特別14号:中国のオンライン授業を経験して考えたこと

オンライン授業を受けました

中国の幼稚園は、コロナウィルスにより1月後半から6月初旬まで休校していました。

休校中、広州の幼稚園からは、毎日2~3本、計15分程度の授業用ビデオが送られてきました(第15回の記事参照)。これは、時間のある時に観ればよいもので、宿題や成績への影響はありません。

5月下旬からは、上記に加えて週3回ほど1回30分のオンライン授業が行われました。こちらは双方向性の会議システム(Tencent meeting)を使うものでした。出席は自由、宿題も特にありません。クラスの生徒は20人超いるのですが参加者は毎回6~7人程度でした。

私と娘は、音楽、英語、算数の授業を受けました。クラスメイトの顔が見られて、楽しかったです。先生は「〇〇ちゃん!」と一人ずつ呼びかけ「わかった人、答えを教えて」と問いかけ、双方向の授業になりました。

にこにこして参加する子、無反応な子、どこかに逃亡する子、ずっとしゃべり続け「〇〇ちゃん、話をきいてね」と注意される子、ぬいぐるみを抱っこする子、様々でした。先生からの問いかけに答えるため、ミュートを外した状態で授業を受ける(自分の発言がすべて皆に聞こえる状態)と、皆のつぶやきが聞こえてしまい、わちゃわちゃとした雰囲気になります。「英語わからない、これ何て言っているの?」「疲れた~、もう終わりたい」「ママ~」など丸聞こえでした。

幼稚園児の集中力は15分が限度。大好きな音楽の授業でさえ、娘は最後あくびをしていました。これは親がつきっきりでないと無理だと悟りました。

私は、スマホで視聴しているのですが、画面が小さくてレジュメが読めないなど、不便を感じています。そろそろ、パソコンかiPadを買わねば……。

音楽のオンライン授業を配信する、先生の様子

オンライン授業を、習い事にもフル活用する中国人親子

コロナウィルスによる4か月以上の休校期間、中国の小・中・高校生は一日中オンライン授業を受けていました(第7回の記事参照)。

習い事もウェブ授業があるからなんとかなる、という声は、中国人の友達からよくききます。普段から、習い事をたくさんこなす幼児や小学生達。例えば、英会話は海外のネイティブと週2回のオンラインレッスン、論理や算数も3~5人のオンライングループ学習やソフトと組み合わせて週2回、という友人は、休校中もすべての習い事を続けていました。

コロナウィルスにより対面レッスンができないので、ピアノ教室をオンラインで継続受講しているという人もいました。語学、音楽、座学中心の科目はオンラインとの相性がよさそうです。

オンライン化が難しい習い事は?

反対に、絵画・工作教室はオンラインでは難しいようです。画材を揃え、後片付けまで自宅で行うのは面倒くさい、という声をききました。そして、作品の細かい添削・修正もオンラインではできません。あらゆる習い事の中でも、絵画が一番好きだという小学3年生の中国人は、3年ほど続けた絵画教室をやめました。

この他、バレエやサッカーなどもオンラインでは代替しづらいのでは、と感じます。大人向けは可能だと思いますが、子どもの集中力だと限界があるかもしれません。しかし、先生たちが工夫をこらしてレッスンを続けていらっしゃるので、今後に期待しています。

オンライン化とどう向き合うか

私はまだ考え方が古いのか、対面に勝るもの無し、と考えてしまいます。オンライン授業は、通学時間の節約ができ、確かに効率は良いです。でも、登下校中の時間、先生・友達との他愛もない話が自分を育ててくれた気がしています。

そうはいっても、感染症を防ぐために、今はオンラインを積極的に取り入れたほうが良い時期です。コロナ渦が過ぎ去った後「オンラインが楽すぎて、対面が面倒」と思わないように子どもや自分の変化に気をつけたいです。まぁ、人間は本来、集まるのが好きな動物なので、ほっといても人の集まる場所に出ていくと思っています。

今は、「人間らしさ」と「効率」のバランスを考える機会なのかもしれません。

6月上旬、まだ閉鎖中のピアノ教室

(この記事は、2020年6月7日現在の情報を元にしています)

岡本 聡子

岡本 聡子 (おかもと・さとこ)ライター・経営学修士・防災士

2003~05年上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(株式会社アルク『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を執筆。2018年より、広州へ駐在帯同中。5歳女児の母。防災士としてNPO活動も行う。facebook.com/okamotosatokochina

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