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中国の競争社会は、子どもの習い事にも影響を与えている
2020.09.14 by 岡本 聡子 岡本 聡子

連載:駐在員の妻は見た!中国の教育事情 中国の競争社会は、子どもの習い事にも影響を与えている

2018年より中国・広州に滞在中の5歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。(新型コロナウィルスによる退避のため、一時帰国中)


中国で子育てをしてみて感じたのは、中国人の教育熱。ある程度は想像していましたが、習い事の数と真剣さはすごいです。英語で教育を行う幼稚園ですので、特に教育熱心な親が集まるためかもしれませんが……。

第23回 中国の競争社会は、子どもの習い事にも影響を与えている

習い事は多岐にわたる

中国では幼稚園児でも、放課後は習い事がたくさん組まれています。英語、ピアノ、バレエ、などが人気の習い事で、そのほかに数的・論理能力、プログラミング、サッカー、少林寺、水泳など多岐にわたります。

娘の幼稚園では、アフタースクール(校内で行う、放課後の習い事)があります。だいたい1回(1時間)200元~450元(3000円~7000円弱)。料理、歌、地理、テニス、サッカー、空手、実験、プログラミング、バレエ、図画工作、モデルクラスなどです。

主に幼稚園の先生が行うものと、外部団体が行うクラスがあります。1時間3000~7000円と、けっこう高額です。昨年度は、英国式ミュージカルクラスが最も高いクラスでした。内容は、英語で歌い、簡単な振りを覚えて、最後は舞台を借りて発表会。ちなみに、サッカーは南米の方が先生。授業は英語です。

私には割高に思えてずいぶん迷いましたが、娘は1時間3000円の歌のクラスを10回受講しました。本人が歌大好き、かつ、その音楽の先生のことが大好きだからです。そして現在、娘は、ピアノやダンス、音楽を楽しむ子になりました。うまくならなくていいです。つらい時期や、知らない土地に行ったとき、音楽が彼女の力になり、人とつながるきっかけになれば、と思います。コロナによる一時退避や休校期間中、心からこのように感じました。

でも、こういう考え方は中国人ママには「甘い」と映るようです。

民間のダンス教室にも娘を通わせた。先生はウクライナ人、授業は英語。1時間1000~1400円程度とリーズナブルだが、直前の場所・予定変更が頻繁に起きて困った。

習い事に真剣な理由は、受験で差をつけるため?

習い事に真剣な理由は、中国の競争社会にあるようです。

ずばり、入試に有利だから。例えば、ピアノでは「級」を重視するそうです。詳しく聞くと、ピアノの級には「アメリカ式」「イギリス式」があるらしく、親同士はどちらがよいかを議論していました。

「中国は、日本人には理解できないほど競争が激しい社会。小学校や中学校の入試で、同じ成績、同じコネの子がいれば、他にアピールできることがないと。せっかくピアノやバレエを習うなら、願書に何級と書いてあるほうが受かりやすいはず」との意見も。

中国では、入学金や月謝という概念はなく、習い事は回数チケット制。バレエ50回分チケットや100回チケットを購入して熱心に通う親子がいて驚きました。ピアノにしても、幼稚園や小学生でコンクールを目指す特別料金クラスをよく目にします。皆どうしてこんなに真剣なの? そんなに音楽家にしたいの? と最初は不思議に思いましたが、これも「コンクールで入賞すれば、入試に有利」という背景があるのかもしれません。

競争社会の厳しさが、子どもの生活にまで影響を及ぼしています。中国では、好きだから、楽しいから、だけでは習い事を語れません。

あるバレエ教室の待合室。保護者は待合室でモニターを通してレッスンを観る。子ども達がレッスンに集中できるようにとのこと。

(この記事は、2020年8月23日現在の情報を元にしています)

岡本 聡子

岡本 聡子ライター・経営学修士・防災士

2003~05年上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(株式会社アルク『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を執筆。2018年より、広州へ駐在帯同中。5歳女児の母。防災士としてNPO活動も行う。facebook.com/okamotosatokochina

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