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中国人ママ友の輪に入ってみたら……、早速トラブル発生
2020.10.13 by 岡本 聡子 岡本 聡子

連載:駐在員の妻は見た!中国の教育事情 中国人ママ友の輪に入ってみたら……、早速トラブル発生

2018年より中国・広州に滞在中の5歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。(新型コロナウィルスによる退避のため、一時帰国中)


2018年の転園当初、早くクラスになじもうと勇気を出して、クラスの中国人だけのチャットグループに入りました。が、すぐに思いもよらぬ事件に巻き込まれました。

第25回 英語が公用語の幼稚園でも、親同士は中国語

中国の新学年開始は9月。私たちは10月半ばに転入したため、少し遅れをとっていました。転園初日、クラスの保護者対象のチャットグループがあるとわかり、急いで加入しました。他の日本人は語学の問題で参加していませんでしたが、チャットグループリーダーとは英語でやりとりができると聞いたからです。

英語が公用語の幼稚園に転入したので、中国人保護者も英語がわかるかも? と甘く考えましたが、実際に英語でやりとりできる人は1割以下。日本企業での勤務経験があり、日本語を話す人も少しいましたが、チャットや対面では中国語が中心となるため、必死で勉強しました。

こうして1年半経ち、中国語でスムーズにチャットし、クラスの係もこなせるようになりました。しかし、話すとなるとなかなか話題についていけません。それでも、皆、興味をもって話しかけてくれます。

転入2年目のハロウィン。私も中国語で受け答えできるようになり、とても楽しい思い出となりました。

早速トラブルに巻き込まれた

さて転園直後の話に戻ります。チャットグループに加入して1週間後、奇妙なメッセージが届きました。

グループリーダーの発信。

「我々の子ども達は、2か月前に新設されたばかりの教室で過ごしています。工事の影響で、教室の空気が悪いので学校にクレームして、空気の検査を行いました。しかし、その結果に納得できないので、保護者側も新たに独自検査を行いました。驚くことに、学校が雇った業者の検査では有害物質は基準値以下でしたが、保護者側の検査では基準値を少し上回りました。この結果に対して、学校側に更なる措置をとるよう要求します。皆で学校に話をしにいきましょう!」

何これ? 空気が悪い? 有害物質って何?

どうやら、日本でいうシックハウス症候群のような内容を指すと思われます。でも、中国ではPM2.5など外気汚染のほうが、私にとっては問題です……。一般的に中国人は、室内の空気、特に塗装の匂いや毒性に敏感です。工事の質や施工基準を信頼していない面があり、コロナ以前から換気を重視しています。

それにしても、学校側の検査結果を疑って自分達で検査するって神経質すぎないかしら、もしかして環境活動家? 困ったことに巻き込まれた、と、不安になりました。

保護者達が、高価な空気清浄器を勝手に購入して教室に設置した!

その2日後、同じ人から「学校側に空気清浄機を追加設置するように要求したが、時間がかかりそう。子どもの健康のためにも私達が先に購入して、学校に後で支払いを求めよう」とメッセージが届きました。

そして、空気清浄機の購入候補がたくさん送られてきました。

「この中から選んでください。問題なければ、OKと返事してね」

次々「支持します、よろしく」と返事する中国人達。最後に「聡子、あなたはどう?」と聞かれて、「新しく入ったのでよくわからないけど、この機種でOKです」と返事しました。

この時は、あくまで保護者が一時的に購入料金を立て替えて、学校側は後で支払ってくれるのだと私は理解していました。でも、実は食い違いがあったのです。中国人と英語でやりとりするということは、お互いが母国語以外で意思疎通をはかるということです。どうも詰めが甘くなりました。

直後に、1人9,000円の割り勘通知が届いた

その直後、1人9,000円の割り勘通知が届いてびっくり。アプリ上で即時に集金できる機能がついているので、Wechat(中国版LINE)は便利なのですが、初めての体験で混乱しました。

「これは、学校側が支払うまでの一時的な立て替えだよね?」とグループリーダーに確認したところ、「そうかもしれないし、多分寄付になるかも」とのこと。

1台10万円以上の空気清浄機を、他のクラスの生徒とも共有する空間に、なぜ私がお金払って寄付しなきゃならないの?! 学校がやるべきことでしょ?

納得できませんでした。

結局、学校に今までの経緯の説明を求め、割り勘への対処方法を相談しました。

担当者曰く、「払う必要はありません。だいたい学校が検査をして問題ないと言っているんですよ。それに、1人9000円なんてお金持ちの中国人にとっては、ディナー1回分ですよ。払わなくても誰も気にしません。彼らは、日本人が考えているより、ずっと裕福なのですから。駐在員として来た方々がつきあうには経済的に難しい相手かもしれません。ほどほどにして気にしないことです。無理して仲良くしなくていいですよ」

……予想外の回答でしたが、はっきり言ってくれる担当者でよかったです。

結局、割り勘は断った

こうして最初にけっこうな洗礼を受けて、私はかなり落ち込みました。中国人気質は、上海での経験である程度知っていたつもりなのに。どうやら今の広州では、特にこの幼稚園に通う家庭はかなりのお金持ちのようで、価値観を理解できないかもしれません。学校の担当者が言うように、仲良くやっていくのは無理なのかな?

日本人同士で固まっていれば良いのですが、それだけだとせっかく異文化に触れるチャンスがあるのに、つまらないです。そのうえ、娘には「中国人のお友達ができたらいいね」なんて言っておいて親が退くのも恰好がつきません。

結局、割り勘を断りましたが、特に何も言われませんでした。行事などで彼女達と顔をあわすことがあっても、この件は話題には出さず、挨拶してくれます。しかし私は「皆、普通に見えるけど、すごいお金持ちなんだ。それにいきなり何しだすかわからない。もしかして割り勘の件、ケチって思われているのかな?」と距離を置いてしまいました。

その後も、空気浄化のために親が持ち込んだ植物の鉢が、教室に置かれまくるという事態に遭遇しました。担任の中国人の先生は「緑って落ち着きますよね」とそつなく対応していましたが、教室は一時期ジャングルの様相を呈しました。

実は、このグループリーダーは日本大好きで、その後、家族同士で食事に行ったり、プールで遊んだりする仲になりました。その中で、彼らの育児を垣間見て、驚くことがたくさありました。でも、とても温かい人達です。そのお話は次回以降で。

(この記事は、2020年9月30日現在の情報を元にしています)

岡本 聡子

岡本 聡子ライター・経営学修士・防災士

2003~05年上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『中国のビジネスリーダーの価値観を探る』(株式会社アルク『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を加筆・改題)を執筆。2018年より、広州へ駐在帯同中。5歳女児の母。防災士としてNPO活動も行う。facebook.com/okamotosatokochina

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