
連載:カツヤマケイコのコミックエッセイ カツヤマケイコの絵日記 息子と、行きあたりばったりのおでかけをした理由

新年度も始まりGWも目前ですが少し前の春休みの話。
またまた息子とのお出かけ話になってしまうんだけど、それも仕方ないんですよ!
前回にも書きましたが今年3年生になった息子と二人でお出かけできるなんてことはもう秒読み段階! 今年が最後の年になるかもと、こちらはビクビクしてるわけです。
外出のたびに抱っこをせがまれ大量の荷物(着替えやオムツ)を持ち、座ってくれないベビーカーはタダの荷物と化したあの頃、「一人で出かけたい…」という夢は遠くに感じたけど意外にすぐそばにあったっていう、ね!
長女は5歳、次女は2歳だからまだまだお出かけは大変な状況ではあるんだけど、そんな日は長くはないと知ってしまったのです。
あ~しめっぽい~!!!
気を取り直して、春休み。
そんな訳で最後の日くらい一緒にでかけたいと仕事を早めに片付ける。
行き先は…
ノープラン!!!
……というのも、前日に息子が質問してきた。

そこで「そうだ!明日行き当たりばったりで出かけよう!」となったのです。
ルールはただひとつ、『息子の思うままに行動する』。
息子の思いつくままに道を歩き、思いつくままにバスや電車に乗り、思いつくままに降りて、思いつくままにその街で過ごす。
この提案に息子もノリノリ。仕事を片付けている間もやれ「まだかまだか」とうるさかった。

うちの近所はいろんな行き先のバスが通るのだが、息子は初めて乗るバスを選んだ。行き先は『調布駅』。

「途中で降りてもいいよ」と行ったのだが結局終点の調布駅まで行く。
調布駅は昔友達が住んでいて利用したことはあるがもう10数年前の話。それ以来であった。

着いたのはお昼過ぎ。お腹が空いていたので、早く「行き当たりばったり」でお店を選んで欲しいのだが、なかなか店を決めようとしない息子。調布の街を思いつくままウロウロと歩き回る。

大久保先生は2年の担任だった先生。とてもいい先生で、息子も大好きだった様子。「バッタリ会えるかもしれないね」…って、なるほどそれでウロウロしてたのか!!

会えないことに気づいた途端、お腹が減ったのか、目の前にあった回転寿司屋に決定。
腹ごしらえのあとは調布から電車に乗り、息子が決めた『永山』という駅で降りてみた。
タモリでもあるまいし正直何もない場所を歩いてもおもしろくないだろうな……と思っていたら、降りてすぐ「銭湯&ゲーセン&ボーリング場」の複合施設が!ラッキー!
ボーリングやりたい!となりカウンターへ急ぐも春休みのせいで満員。仕方なく待つ間、併設のゲームコーナーで「1回だけね」と景品を取る系のゲームをやらせた。……ら

開いた扉からはタミヤのプラモデルとボーリング1ゲーム無料券が。
まさかこの手のゲーム機で景品が取れるとは夢にも思ってなかった。ちゃんともらえることもあるんですね。
ボーリングをタダで楽しみ、卓球コーナーでラリーに挑戦し(って言っても9回が最高記録……)大満足で帰路についたのでした。
本当にいい思い出になった。
「また行き当たりばったりツアーやろうね!」と次回の約束も取り付けたし(笑
さて後日談。
息子の「大久保先生愛」をご本人にお伝えしたくて、この日「大久保先生に会えるかも」と調布をウロウロしていた息子の話を手紙にして拙著と共にお渡ししたところ、ご丁寧に返事をいただきました。
便せんには本のお礼と2年生時の思い出が綴られており、改めて「いい先生だったな……」としみじみしていたところ衝撃の事実が。

『私は高円寺に住んでます』
おしまい。