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息子のおもちゃを盗んでしまうお友だち。どう対応する?

連載:子育ての悩みにプロがアドバイス ママのためのカウンセリングルーム・47 息子のおもちゃを盗んでしまうお友だち。どう対応する?

警察に捕まる、と脅すのではなく、誰が悲しむかを考えさせることから

Toys, kids, child.

とても深刻なお悩みですね。人のものを盗んでしまう心理の裏側には、自分の欲を満たしたかったり、相手が困っている様子をみることで気持ちが満足するということがあると思います。

ちょうど4才児を担任していた時に、人のものを取って隠すのが好きな子がいました。

はじめは、私もクラスの子どもたちと真剣に探していましたが、あまりにも頻繁に起きるので不思議に思い、観察したところ、クラスのある子が盗んで隠す行為を目撃してしまったんです。

素直に見ていたと話そうかどうか、とても迷いましたが、隠した本人が自ら名乗り出るまで「待つ」ことにしました。しかし、ただ待つだけでは名乗り出ることはないので、子どもたちを集めて、「隠された子がどんな気持ちでいるのか?」「盗むことが大きな事件につながること」を話していきました。

「先生は、皆のことが大好き。だけど、お友達が物を隠されて悲しんでいる姿を見るくらいなら、明日からは保育園にはもう来たくない」と加えて伝えていくと、隠してしまった子が、「せんせいごめんなさい……。もうしないから、ほいくえんにあしたもきて……」と泣いて訴えてきました。

本人にどうして隠してしまったのかを聞くと、「先生や友達の困っている顔が見たかった……」とのこと。本人には、「自分で名乗り出たことは偉かったこと」、けれども、「困った顔を見たいという気持ちはなくさなきゃいけないね、人がうれしい顔になるのを見るほうが、うれしい気持ちになるからやってみよう」と話していきました。

相手のママに任せず、自分から話してみても

今回のご相談は、盗んで隠すということとはまた、状況が異なると思います。しかし、盗んでしまう子に対して、きちんと向き合って話をしていくのは大切だと思います。

まずは、取ってしまう現場を見てしまったことを相手のママに話すのがいいでしょう。できればその時に、自分からその子に話してもいいか、相手のママに聞いてみてもいいと思います。

相手のママは、わが子が盗んだと知ったら、おそらく感情的になってしまうと思います。相手のママにすべてをお任せするのも一つですが、「本人と話して、自分が現場を見てしまって悲しかったということを伝えたい。あとで経過は報告するから」とお話ししてみてはどうでしょうか。

相手のママとの関係もあって難しいかもしれませんが、盗んだお子さんも第三者だからこそ話せることがあるんじゃないかと思います。当事者のママが一人で抱え込まず、周りのママも一緒に子どもを育てるような関係ができたらいいですね。

実際に、取ってしまったお子さんと話す機会ができたら「DXさんのお子さんが、カードがなくなって困っていること」を直接伝えて「どうしたらカードがなくならないか?」を質問してみるといいと思います。

本人は、自分が盗んでいると自覚していると思います。答えが上手く出てこないかもしれませんが、その子の答えに耳を傾けてみてください。

最終的には、カードを返してもらいたいと思うので、その子に対して「〇〇くんが盗るところ見てしまって、とても悲しかった。うちの〇〇も、カードがなくなったことが悲しくて泣いていたの。今ならまだ間に合うから返してもらえると嬉しい」と、「悲しんでいる」ということを強調して訴えてみましょう。

相手のママにはありのままを伝え、これからも子ども同士、仲良くさせていきたいことや、それ以上深く責めるつもりはないことも伝えてください。

「〇〇くんはこんなふうに思っていたみたい。うちの子がなんか悪いことや悩みを打ち明けたら今度は、相談にのってやってね」みたいな関係ができるのが理想だと思っています。

盗んでしまうという行為は「欲しいという気持ちを我慢する」訓練が必要となってきます。我慢することができるように、そのお子さんをお母さんだけでなく、周りの皆が助けていくことも支援の一つです。

他人の物を盗ってしまう行為の裏には、ただ単に「欲しい」だけではなく、複雑な心境や背景もあり得ます。そのことも私たちが把握しておかなければならないのかもしれませんね。

kawanishi_keito

河西景翔(かわにし けいと)さん・子育てアドバイザー
小学生の頃から保育士を目指し、中学から保育園でのボランティア活動を通して、日本音楽学校に入学し、保育士・幼稚園の資格を取得。平成14~26年まで、保育士・幼稚園教諭として現場で働く。
現在は、セミナーを開催したり、ウェブマガジン・ブログを通し、子育てに悩むママに向けて、子育てに関する情報を発信。「子育て中のママと、共に悩みながら最良の道を切り開く」を念頭において、日々奮闘中。
http://s.ameblo.jp/chloe69/
「ほいくらいふ」でも連載中!

難しい問題だからこそ、周囲のママとも問題を共有できたらいいですね。

子育てのこと、夫婦のこと、仕事の両立のこと。悩んだり、迷ったりしたときは、ぜひ「Hanakoママ 働くママのカウンセリングルーム」に声をお寄せください!

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宮地 理子

宮地 理子弁護士

中央大学法科大学院修了。2010年11月から3年半、沖縄県の石垣島にある八重山ひまわり基金法律事務所で所長弁護士を務める。現在は東京四谷の弁護士法人アルタイル法律事務所で医療事件、家事事件、子どもをめぐる問題などに取り組んでいる。「弁護士をもっと身近に」解決しにくいトラブルやお悩みは、お近くの法律相談センターへご相談ください。soudan-yoyaku.jp

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