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マンションの下の階から「音がうるさい」と苦情が。どうしたらいい?【弁護士・宮地先生に聞きました】
2018.09.28 by 宮地 理子 宮地 理子

連載:子育ての悩みにプロがアドバイス ママのためのカウンセリングルーム・59 マンションの下の階から「音がうるさい」と苦情が。どうしたらいい?【弁護士・宮地先生に聞きました】

音は人により感じ方が違うもの。
誠実な対応と具体的な防音対策が必要です

happy child girl having fun jumps and plays bed

階下の住人の方から、管理会社を経由して、騒音の苦情を受けてしまったというご相談をいただきました。

階下の住人は老夫婦で一日在宅しているのですね。

音は、人によって感じ方が異なるもので、敏感な方もいることに配慮する必要があります。とはいえ、マンションのような共同住宅に住む以上は、ある程度の生活音がすることはお互い様ですから、階下の方も受忍(我慢)しないといけません。

今回、管理会社を経由して苦情を受けているので、じゅんさんのお宅も、できる限りの対策をして気を付けているということを、管理会社を通じて、階下の住人に伝えてもらうのが良いでしょう。

じゅんさんのお宅では、マットなど引いたり、子どもに静かにするように言い聞かせたりされているとのことです。費用をかけた防音工事までしなくても、たとえば、より防音効果の高そうなクッション性のあるカーペットやコルクマットに変えてみる、リビングだけではなく廊下にも敷いてみる、家具の配置を子どもが走りにくいように変えてみる、ドアクローザーや椅子の脚カバーをつける等、工夫できることがありそうです。

管理会社の方にじゅんさんのお宅に来てもらい、防音対策の工夫を見てもらった上で、階下の住人の方に、じゅんさん宅はできる限りのことをしている、お子さんにも言い聞かせていることを伝えてもらうのが良いでしょう。

また、管理会社を通じて、階下の住人の方が、どういう音をうるさいと感じているのか、具体的に聞き取ることも有用です。例えば、子どもが廊下を走る足音がうるさい、子どもがリビングでソファ等から飛び降りる音がうるさい等、お子さんに関する音かもしれませんし、意外に、夜遅い時間に洗濯機が稼働する音がうるさいと感じているのかもしれません。

階下の方が騒音と感じていることに応じた対策をとることが大切ですね。

じゅんさんのお宅が、苦情に対して誠実に対応していることが階下の住人に伝わり、騒音と感じている音についての防音効果が上がれば、苦情は無くなるでしょう。

対策をとっても苦情が止まない場合は、弁護士に相談を

しかし、それでも階下の住人による苦情が止まない場合や、話し合いを求められた場合は、弁護士に相談してみてください。

弁護士が代理人として話し合いに入ったり、管理会社の立会を求めたり、裁判所での話し合いをする民事調停を利用したり、第三者が入った話し合いの場を設けるのが良いです。

当事者同士のみの話合いでは感情的になってしまうことも、第三者が入ることで、冷静に話し合うことが可能になります。そこで、じゅんさんのお宅が、騒音の苦情に対し誠実に対応していることを伝えながら、できる限り話し合いで解決することを目指します。

マンションの騒音に関して、騒音を受けている側が不眠症などの健康被害を被ったことを理由に、損害賠償請求の裁判が起こすことがあります。
上階の幼児が室内を走り回ったり飛んだり跳ねたりする音が問題となった裁判では、ほぼ毎日50〜65db(デシベル)程度の音が階下の住戸に及んでいたことなどから、受忍(がまん)すべき限度を超えているものとして、慰謝料30万円を認めた判決が出されています。

ちなみに日常の人の話し声が約50〜61dbとされていますので、幼児が走り回る音が、階下にはそれなりの大きな音として及んでいたことが分かります。

この裁判例は、単に音の大きさだけではなく、音がほぼ毎日及んでいたこと、午後7時以降、時には深夜にまで及ぶことがしばしばあったこと、長時間連続して及ぶことがあったこと、話合いの場で、上階の人が「これ以上静かにすることはできない。」と取り合わず誠実に対応しなかったことを重要な要素として、階下の人が受忍(がまん) すべき限度を超えているとしました。

騒音トラブルは、音を発している方は気が付かない、それほど大きな音と思っていないのに対し、受けている方には大きな苦痛で健康被害まで引き起こす、深刻なトラブルに発展する可能性があります。

深刻なトラブルに発展する前に、騒音の苦情を受けた時にはすぐに防音対策の工夫をするといった早期対応をとりましょう。その上で、苦情に対して誠実に向き合っていることを伝えることが大切でしょう。

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宮地理子(みやち りこ)さん・弁護士
中央大学法科大学院修了。2010年11月から3年半、沖縄県の石垣島にある八重山ひまわり基金法律事務所で所長弁護士を務める。現在は東京四谷の弁護士法人アルタイル法律事務所で医療事件、家事事件、子どもをめぐる問題などに取り組んでいる。
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まずは、できる限りの対策をとって、管理会社に伝えてもらうことからはじめたいですね。

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宮地 理子

宮地 理子弁護士

中央大学法科大学院修了。2010年11月から3年半、沖縄県の石垣島にある八重山ひまわり基金法律事務所で所長弁護士を務める。現在は東京四谷の弁護士法人アルタイル法律事務所で医療事件、家事事件、子どもをめぐる問題などに取り組んでいる。「弁護士をもっと身近に」解決しにくいトラブルやお悩みは、お近くの法律相談センターへご相談ください。soudan-yoyaku.jp

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