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マンションのお風呂場から下水のようなにおいが!敷金、礼金は返ってくる?【弁護士・宮地先生に聞きました】

連載:子育ての悩みにプロがアドバイス ママのためのカウンセリングルーム・71 マンションのお風呂場から下水のようなにおいが!敷金、礼金は返ってくる?【弁護士・宮地先生に聞きました】

原則どおり、部屋を明け渡した後に敷金を返してもらうことができます

Woman wondering sitting at home

マンションのお風呂場の下水のような臭いが原因で転居する場合、敷金、礼金を返してもらえるのかというご質問をいただきました。

まず、敷金、礼金とは、それぞれどういうものかということから、お話ししていきます。
敷金は、部屋を借りるにあたって、大家さんに預けるお金です。大家さんは、借主が家賃を滞納したり、借主の不注意で建具や設備等が壊された場合に修繕して原状回復したりする費用の担保として預かります。敷金は、借主が部屋を明け渡した後、借主に返還されるものです。借主に家賃滞納などがあれば、その分を差し引かれて返還されます。
今回のようにお風呂場の臭いを理由にマンションを転居することにした場合も、原則どおり、部屋を明け渡した後に敷金を返還してもらうことができます。
JUJUさんが、賃料の滞納もなく、特に建具を壊したような事情もなければ、預けた敷金の全額を返還してもらえます。

礼金は、慣習的に借主が住まわせてもらう謝礼として大家さんに支払うお金とされています。敷金とは違って、退去時に返還されない性質のものです。礼金について、なし(0とする)物件もある程度ありますし、最近では賃料の1、2か月分程度に設定する物件が多いようです。
JUJUさんがこのマンションに入居するにあたって支払った礼金は、賃料何か月分でしたか。
特別に多額の礼金を支払ったという事情がなければ、お風呂場の臭いを理由にマンションを転居することにした場合も、礼金を返還してもらうことはできないことになります。

お風呂場の臭いが原因で居住することができなくて転居することになった場合、大家さんに対して損害賠償請求できる場合があります。
お風呂場からひどい臭いがして住んでいられない場合、大家さんは居住できる部屋を貸す義務を果たしていないものとして債務不履行責任を負います。この場合、借主は賃貸借契約を解除して損害賠償請求をすることができます。
今回、JUJUさんはマンションに入居して1か月ほど経ってから、お風呂場の臭いのことを管理人さんに伝え、配管の洗浄などしてもらったということでしたね。
配管の洗浄をしてもなお、ひどい臭いがなくならない、臭いのため住んでいられないということであれば、賃貸借契約を解除して、損害賠償を求めていくことになるでしょう。
損害の内容としては、次の転居先の賃貸借契約にかかった費用(礼金、仲介手数料、保証料、家財保険料)、次の転居先への引越費用などが考えられます。
この場合、住んでいられないほどひどい臭いであるといえるかが問題となります。臭いは、感じ方に個人差がありますし、嗅いだ人がもっているイメージや認識に左右されることもあります。まずは、JUJUさんがこの部屋を借りるときに仲介した不動産業者の担当者に来てもらい、お風呂場からの下水の臭いについて確認してもらってはいかがでしょうか。
第三者もその臭いについて認めれば、その臭いがひどく、住んでいられないほどの状態にあることの根拠の一つになります。

お風呂場の臭いが、住んでいられないほどひどい臭いとはいえなかった場合、賃貸借契約の解除や大家さんに対する損害賠償請求は認められません。
その場合、賃貸借契約書に定められた賃貸期間中の解約の規定に基づいて、JUJUさんから解約の申入れをして賃貸借契約を終了させることになります。

JUJUさんはこのマンションにお住まいになることを決めるにあたり、内見をしませんでしたか。
内見をしたけれども、その時は、お風呂場の臭いについて気がつかなかったのでしょうか。

賃貸物件について、数か月間空き室になっていた場合、台所、洗面所、お風呂場など水回りを使用しないと、排水管等から下水の臭いが上がってくることがあります。
内見の時に、臭いが気になって、不動産仲介業者の担当者や大家さんに伝えたところ、入居して水回りを使用しているうちになくなると説明を受け、それを信じて契約をしたのに、入居後も臭いがなくならなかったということでトラブルになることが多いようです。

賃貸借契約を締結する前には、必ず内見しましょう。そして、内見の時、風呂場、洗面所等の臭いについても、忘れずにチェックすることが大切です。もし臭いが気になった時は、不動産仲介業者の担当者や大家さんに伝え、入居後に臭いがなくならなかった場合についてどうするのかを話し合っておきましょう。話し合って決めた内容を、賃貸借契約書に定めておくと、トラブルを未然に防ぐことができます。

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宮地理子(みやち りこ)さん・弁護士
中央大学法科大学院修了。2010年11月から3年半、沖縄県の石垣島にある八重山ひまわり基金法律事務所で所長弁護士を務める。現在は東京四谷の弁護士法人アルタイル法律事務所で医療事件、家事事件、子どもをめぐる問題などに取り組んでいる。
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引っ越しはそんなに簡単にできるものではないですよね。事前の内見をしっかり行うことで未然にトラブルを避けられると良いですね。

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宮地 理子弁護士

中央大学法科大学院修了。2010年11月から3年半、沖縄県の石垣島にある八重山ひまわり基金法律事務所で所長弁護士を務める。現在は東京四谷の弁護士法人アルタイル法律事務所で医療事件、家事事件、子どもをめぐる問題などに取り組んでいる。「弁護士をもっと身近に」解決しにくいトラブルやお悩みは、お近くの法律相談センターへご相談ください。soudan-yoyaku.jp

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