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ママのためのカウンセリングルーム・101給食をめぐる、小学校でのトラブル!【弁護士・宮地先生に聞きました】

2019.10.23

クラス担当先生に,お子さんの給食について,好き嫌いや量を調整してほしいことをどのように伝えるのが良いかというご質問をいただきました。

クラス担当の先生は、生徒に好き嫌いをしないで残さずに食べることの大切さを、指導しているのでしょうね。

確かに, 給食は適正な栄養素と摂取カロリーを決めて作られているので,健康な体を作るという点から,えり好みせず,適正な量を食べることは大切でしょうし,食べ物を大切にすることを学ぶという点からも,残さず食べることは大切でしょう。

しかし,その指導が行き過ぎてしまうと,楽しく給食を食べることができなくなってしまいますね。完食を強制されることで,食べることに苦痛を感じるようになったり,食べても嘔吐したりするようになってしまったら,元も子もありません。

るなママさんのおっしゃるとおり,好き嫌いや食べられる量には個人差があります。文部科学省は平成19年に「食に関する指導の手引」を作り,「個に応じた指導」を掲げて,一人一人の体格や運動量などを考えて指導することを呼びかけています。

まずはお子さんが実際に,給食をどのように食べているのかを把握したいですね。たとえば順調に食べていて,ある段階でお腹がいっぱいになって進まなくなってしまうのか,嫌いなものが入っていて,食べ始める時から食が進まないのか,お友達とのおしゃべりに夢中になって食事が進まず,給食の時間内に食べられないのか。それによって,給食を楽しく食べられる方法…や工夫も変わってきますよね。

もし,お子さんに,偏食傾向や痩身傾向がある場合は,クラス担当の先生だけではなく,栄養教諭にも相談した方が良いこともあります。

それでは,担当の先生への伝え方についてお答えします。
るなママさんは,既に,給食レターで量を少なめにしてほしいことや食べられないものを伝えているということです。そうであれば,今回は,先生にお会いして,直接お話ししてみるのがよろしいものと考えます。

まず,お子さんが,給食の時間が苦痛で学校に行きたくないと話している,具体的には,給食が全部食べ切れずに残すと先生に怒られ,食べ終わるまで昼休みをとらせてくれないことに苦痛を感じていることを伝えましょう。

そして,「先生にもお考えがあって指導してくれていることと思いますので,うちの子が,どのように給食を食べているのか,様子を教えていただけませんか。」ともちかけてみてください。

担当の先生は,お子さんの好き嫌いや食事量,給食の食べ方の様子について把握しており,お子さんについて個別に配慮しながらも,「これだけは食べないといけない」と判断しているのかもしれません。また,指導の方法についても,給食を残すのを認めるときに先生は何と言っているのか(お子さんは怒られるといっている),昼休みを取らせないで食べ終わるまで監視しているのか,そのような子が何人もいるのか等,具体的に聞いてみましょう。
担当の先生の考えを聞いてみて,るなママさんの意見や指導に対する要望等を伝えるのがよろしいでしょう。

担当の先生が,お子さんの好き嫌いや食事量,給食の食べ方の様子について,あまり把握しておらず,個別の配慮をすることなく完食を強制的に指導しているようであれば,お子さんに合わせた対応に変えてほしいと伝えましょう。
たとえば,嫌いなものはよそわず,分けられない場合は残してよいとすること,給食の時間中に食べられる限度でよく,昼休みまで食べさせることはしないこと等,具体的に伝えるのがよいです。

お子さんがどのように給食を食べているのか,るなママさんご自身が把握できれば,指導の実態も把握できますし,お子さんが楽しく給食を食べられる方法や工夫を要望することもできますよね。給食参観,親子給食など,給食の雰囲気やお子さんの食べ方の様子を見る機会を作ってほしいと提案してみるのも,良いのではないでしょうか。

担当の先生の指導がエスカレートした場合,学校側にたいして何らかの法的処置がとれるかというご質問に対してお答えします。
担当の先生の指導に問題がある場合は,学校長の先生に相談し,担当の先生に注意をしてほしい,クラス担当を変えてほしい,先生を懲戒処分してほしいと要望を出すといった方法が考えられます。
また,給食で強制的な完食指導を受けて,体調不良になったり不登校になったりしたということで,学校側に対し慰謝料請求をすることも考えられ,実際に裁判をしているケースもあります。

miyachisensei

宮地理子(みやち りこ)さん・弁護士
中央大学法科大学院修了。2010年11月から3年半、沖縄県の石垣島にある八重山ひまわり基金法律事務所で所長弁護士を務める。現在は東京四谷の弁護士法人アルタイル法律事務所で医療事件、家事事件、子どもをめぐる問題などに取り組んでいる。
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