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色々やらせる? 様子見る? 当たって砕け続けたASDっ子の習いごと放浪記

連載:発達障害児ママのドタバタ子育て奮闘記 色々やらせる? 様子見る? 当たって砕け続けたASDっ子の習いごと放浪記

次女のアタはASD、いわゆる発達障害児。最初はその事実を受け入れられませんでしたが、そのうち、これって普通の子より個性が強すぎるだけなのかも、という心境に。こう言っては不謹慎ですが、障害児を育てるというのは、案外面白いのです。現在、夫は海外に単身赴任中。大学生の長女と私、そしてアタの3人のドタバタライフを書き綴っていきたいと思います。


第26回  色々やらせる? 様子見る? 当たって砕け続けたASDっ子の習いごと放浪記

じっとしていられなくて、追い出され続きの習いごと

1つでも夢中になれるもの、自信を持てるものを見つけて欲しい。そう願うのが親心。

4歳の頃。アタが初めて興味を示したのは、よりによってクラッシック・バレエでした。スタジオの前を通る度に中を覗こうとするので、ダメ元で体験を申し込んでみました。が、結果、惨敗……。大きな鏡張りのスタジオに、アタ大興奮! 

「ちょっといらっしゃる年齢が早過ぎましたね」

顔を引き攣らせた先生に、途中で追い出されたのは言うまでもありません。

ピアノは「30分座れるようになったら来てください」とやんわりお断りされ、見込みがありそうな水泳は、本人が嫌がるので習えず……。

「無理に何か習う必要ないよ。教える方も周りも、今コレ連れてったら迷惑でしょ。もう少し意思疎通できてからでいいんじゃない?」

主人に諭され、意気消沈。まあ、仰る通りです。そんなある日。

「お〜っ!」

リビングでTVを見ていたアタが叫んでます! 慌てて見に行くと、

「ファイトォォォ!」「いっぱぁ〜っつ!」

筋肉ムキムキのお兄さん2人が、崖の上に立ってるあの有名なCM!

え、これの真似してるの??

何の事やらよく分からぬまま月日は過ぎ、1年ほど経った頃でした。たまたまテレビでスポーツクライミングを紹介していて、すごいね〜なんて言いながら見ていたら、ジーッと画面に釘付けのアタ。あ、もしや。

「これやりたいの?」

アタ、しばらく考えてましたがひと言。

「……ヤリタイ」

クライミングとの出会い。でも障害児を教えてくれる所は……?

オリンピック種目となって知名度も上がったクライミングですが、当時は子どもの習い事としてはマイナーでした。初めて見た競技は忍者の修行⁈  と思うほどで、人間技とは思えず、落ちたらただじゃ済まないなと、正直思いました。

でも、アタが1年以上思い続けてるなら、何とかしてやりたい! ネットで調べまくり、電話をかけ、飛び込みでも聞きに行きました。近所にもいくつかジムはありましたが、そもそも子どもを受け入れていない事実に唖然。

ましてや障害児なんて、「今の所、対応の予定はありません」。

どこからもそう言われました。そんな中見つけたのが、横浜市鶴見区にあるクライミングジム『アラジン』でした。

「障害児もたくさん来てますよ。マンツーマンでレッスンもできるので、ぜひ見に来て下さい」

気さくなオーナーさん。早速レッスンを予約して行ってみると、倉庫みたいなでっかいジム! 色とりどりの石(ホールド)が壁に所狭しと取り付けられ、見ているだけでワクワクします。

着替えて靴を借り、ルールを教えてもらって、さぁボルダリングに初挑戦。すると、思った以上に難しかったのか、あのアタが慎重に言われた通り登るじゃありませんか!

調子に乗ってトップロープ・クライミングにも挑戦しました。さすがに怖かったのか降りる時泣き叫びましたが、他のお客さんは誰も気にせず。

「頑張って〜!」。かえって応援の声が響きます。もちろん先生は慣れたもの。

「泣いても叫んでも周りの目は気にしなくて大丈夫ですよ。他の方も分かってますから」

落ち着くのを待って自分から降りる合図をさせ、それができるとむちゃくちゃ褒めてくれました。降りてきた時、放心しながら、

「ぜ、ぜんぜん怖くなかったねっ!」と、言い放ったアタに爆笑でした。

「必ず成功体験にして次に繋ぎます。そうすればまたやりたい、もっと上手くなりたいと思うんです。障害があっても無くても、子どもの成長に必要なのはそれなんじゃないかな」

遠いので月に1回行くのがやっとですが、ここはアタにとって掛け替えの無い場所です。

全身の筋肉を使うのはもちろん、ルートの記憶や見通しを立てることは脳の情報処理の訓練にもなります。ボルダリング(クライミング)は、登ることが好きな障害児にはとても合うスポーツだと思います。障害者だからと特別扱いしないので、ルールを守ることも厳しく教えられます。そこもいい!

岩山のクライミングにも挑戦したこともありますが、泣き叫んで大変でした。怖さを知るのも良い勉強です。

そんなわけで、いつの間にか私も靴まで買って、一緒に登ってます(笑)。翌日は全身筋肉痛で動けない私を横目に、軽々走って学校に行くアタです。

参考:クライミングジム『アラジン』
http://www7a.biglobe.ne.jp/~aladdinclimbing/index.htm

China

China2児の母。

特別支援学級に通う次女、マイペースな長女と、すったもんだの日々を送っています。 娘ラブの夫は単身赴任中。エッセイを通して、発達障害って案外いいね!と思ってもらえたら嬉しいです。

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