連載:発達障害児ママのドタバタ子育て奮闘記 ヨダレは多い方がいい?
次女のアタはASD、いわゆる発達障害児。最初はその事実を受け入れられませんでしたが、そのうち、これって普通の子より個性が強すぎるだけなのかも、という心境に。こう言っては不謹慎ですが、障害児を育てるというのは、案外面白いのです。現在、夫は海外に単身赴任中。大学生の長女と私、そしてアタの3人のドタバタライフを書き綴っていきたいと思います。
第33回 電子キーボードピアノ破壊、顔にカビも生えるアタのヨダレ量は健全?
「ママ〜、音が出ないよ!」 長女が半ベソかいてます。
3歳の誕生日に買ってもらったYAMAHAの電子キーボードピアノ。確かに高い「シ」の音が出ません。黒鍵もいくつか音が出なくなってました。
「接触悪くなっちゃったのかねぇ?」 残念がりながら翌日弾いてみると「あ、直った!」
そんなことが何度か続いたある日、原因が発覚。ふと見ると。
つかまり立ちし始めたアタがキーボードに近付き、いつの間に覚えたのかスイッチを入れ鍵盤をバンバン叩いてます。あら、楽しそうね〜なんて微笑ましく見てたら。
ボタッボタッ
アタの口から大量のヨダレが鍵盤に降り注いでるじゃありませんか! ひえ〜っ、原因はコレか!
どうやらヨダレの水分で中の基盤が接触不良。乾くとまた戻るというのを繰り返していたようで、このままじゃ故障しちゃう! 嫌がるアタをひっぺがしてキーボードを救出し、アタが触れない高い位置に置きました。ギーギー怒ってたけど、こればかりは仕方ない。何しろお姉ちゃんの宝物ですから。
以前から思ってましたが、アタのヨダレの量は尋常ではありません。口の周りは常にヨダレでテラテラしてるし、スタイはすぐにカビだらけ。いつも首回りがびしょびしょなので、食事用のシリコン製ポケット付きエプロンをしてたら、ポケットにヨダレが溜まってて、外した時ジャバーッ! えらいことになりました……。
そんなある日、アタの口の周りに赤い発疹が発生。ヨダレかぶれかと思ってましたが、それがだんだんひどくなって、皮が剥けてきちゃったんです。
ジュクジュク痛々しいので、保湿クリームをたっぷり塗ってみましたが全く効果無し。更に皮がベロベロ剥けてきて、あまりにひどいので医者に連れて行きました。
顔にカビ⁉︎ ショッキングな診断に唖然!
当時は上海住まいだったので、日本語の上手な中国人の先生に見てもらいましたが、一目見て、
「お母サン、これ、カビね」
カビ? 黴? ええ〜っ⁉︎ なんと、発疹の正体はカビ。よく見ると発疹同士が島になって、輪ジミのような状態になってます。そしてその部分の皮が白くふやけてベロベロ剥けてる感じ。
「水虫分かる? 白癬ってやつね。真菌だからクリーム塗っても治らないよ。栄養いっぱいあげて増やすだけ。どんどんひどくなっちゃうよ」
ぎゃ〜! つまり何? 私は娘の顎で水虫菌育ててたってこと⁉︎
皮が剥ける=乾燥=保湿クリーム、という単純な発想は大間違いでした。「石鹸でしっかり洗って清潔を保ち、抗真菌剤を塗れば良くなるけれど、赤ちゃんはヨダレ多いのでまた生えるかもしれない。ちゃんと根っこから治さないとね」と言われました。
本人、感覚が鈍いせいかあまり痒がったり痛がったりしないのが救いでしたが、いや、ビックリでした。顔にカビ生えるんだ……。
水虫だからもちろん移る可能性もあるので、スタイは毎回消毒。できるだけこまめに取り替えて湿気が溜まらないようにしました。1週間ほどで見た目は良くなりましたが、その後もしばらく治療に通いました。
パパは「俺が原因?」って嘆いてましたけど。
ヨダレの量は個人差あり。でもアタの場合は……?
それにしても。この子はなんでこんなにヨダレが多いの? 調べると、赤ちゃんのヨダレが多いのは
・飲み込む力が弱いから。
・口を閉じる力が弱いから。
で、4、5カ月くらいから1歳半くらいまでが1番多いそうです。「ヨダレが出る=消化器官が働いてる」証拠で、多い少ないは個人差があるけれど元気なら問題ないそう。昔から「ヨダレが多い子は虫歯ができにくい」とも言われますがそれも根拠あるんですね。
ただアタの場合、そういうレベルじゃありません。常に服がヨダレでビッチョリなので、抱っこも勇気がいります。家族は慣れちゃって麻痺してるけど、よその人が見たら「うへぇ〜っ」て感じだったと思います。
その原因に発達障害が関係しているかもしれないと指摘されたのは、帰国して療育と歯科に通い始めてからでした。(次回につづく)