連載:発達障害児ママのドタバタ子育て奮闘記 発達障害児の進路はどうする?
公立中学校に通う次女のアタはASD、いわゆる発達障害児。最初はその事実を受け入れられませんでしたが、そのうち、これって普通の子より個性が強すぎるだけなのかも、という心境に。こう言っては不謹慎ですが、障害児を育てるというのは、案外面白いのです。現在、夫は海外に単身赴任中。大学生の長女と私、そしてアタの3人のドタバタライフを書き綴ります。
第45回 偏差値じゃ測れない高校選択。発達障害児の進路の悩み再び!
アタも中学2年生後半。
「進路どうする?」
親同士、顔を合わせるとこの話題になります。中学3年間ってあっという間! いよいよ具体的に考える時がやって来ました。
定型発達の子だったら、志望校を決めるのにまず偏差値や内申点を参考にしますよね? 長女は中学受験でしたが、模試を受ける度、成績表と睨めっこでした。あれはあれでしんどかった……。よく頑張ったなと思います。
発達障害児の学校選びはIQと特性である程度決まってきます。その上、親亡き後どうやって生きて行くかまで、高校選びの時点で考えることを求められるので更にシビアです。違う意味で胃が痛い。
発達障害児は「夢」を追ってはいけないの? 先生の薦めに疑問……
アタは小1から特別支援学級。いくら通信添削で勉強してるとは言え、個人面談で担任の先生が婉曲に薦めるのは「特別支援学校高等部」。
「特別支援学校に進学すれば、卒業後は就職一択ですよね?」
先生に聞くと首をコックリ。
「ほぼそういうことです」
・アタは他人とのコミュニケーションが苦手。
・処理能力が遅いので時間がかかる。
・一度に色々指示されるとパニック。
こうなると、やはり一般企業で仕事をするのは難しいので、将来の自立のためには障害者雇用枠での就労を目指した方が良いと客観的に判断されるわけです。
アタの「将来は管理栄養士さんになりたい」という夢は「それは趣味として勉強を続けるとして、現実的に社会で自立して生活して行くための学びの方が重要です」と言われます。
定型発達の子だったら、将来の夢を職業として目指すことを先生も応援するはず。挫折してもそれはそれでいい、挑戦してみることが大事だ、そう励ますと思います。
それを考えると、とてもやるせない気持ちになりますが、今の社会で障害児が生きて行く環境はまだまだ厳しい、ということなんでしょう。
特別支援学校のメリット、デメリット。グレーゾンの子にとっては綱渡り的な面も
特別支援校に行けば、掃除や調理など仕事に直結する教育を受けられる。時間をかけて手に職を付けられるので、とてもありがたい仕組みです。
実際、一昨年見学に行った就業支援科(受験ありの特別支援学校)のレベルの高さには驚きました。とても障害のある子どもたちとは思えない程。
ただ、もし途中でやっぱり進学したくなったら面倒は見てもらえるの?
それにアタのようにIQがギリギリで療育手帳を所持している子は、卒業時に手帳が外れてしまったら障害者枠での就職はできない上、一般就労では高卒資格がない扱いになります。
そんな状態で世の中に放り出されたらどうなる?
東京都は療育手帳がなくても、医師の診断書で特別支援学校に入学は可能です。精神障害者保健福祉手帳を取得できれば、卒業後障害者雇用枠での就労もできます。ただ、精神の手帳は2年ごとの更新なので、卒業時に持っていられるかは保証されていません。
もちろん、手帳がない子でも特別支援学校はきちんと就労のサポートはしてくれるそうです。何しろ100%の就職率を目指してますんで。
不安はいっぱいあるけれど、ごちゃごちゃ考えてないでとにかく見に行ってみよう!
学校の先生と話していると、やっぱり特別支援学校に行かせた方がいいのかな、私は甘いのかなぁという気持ちになって、グラグラ揺れてきます。
管理栄養士目指して頑張って勉強して大学まで行けたとしても、他人と上手く会話できないアタが大学生活楽しく送れるんだろうか?
卒業しても就職できるんだろうか?
アタが人間らしく楽しく生きて行くためには、何を優先したらいいんだろう?
うわ〜煮詰まった!
いくら考えても答えは出ないので、とりあえず色んな学校を見に行ってみることにしました。
(つづく……)
参考: