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Column 発達障害児ママのドタバタ子育て奮闘記

単身赴任のパパとの関係を保つには?

2020.04.22


公立小学校の特別支援学級に通う6年生の次女、アタはASD、いわゆる発達障害児。最初はその事実を受け入れられませんでしたが、そのうち、普通の子より個性が強すぎるだけなのかも、という心境に。こう言っては不謹慎ですが、障害児を育てるというのは、案外面白いのです。現在、夫は海外に単身赴任中。大学生の長女と私、そしてアタの3人のドタバタライフを書き綴ります。


第9回 単身赴任のパパとの関係を保つには?

(1)発達障害児を連れての海外生活にピリオド。夫の長期単身赴任がスタート!

あれ、アタちゃんてパパいたよね? 初回で登場したっきりのパパ。います、いますよ!

ただ、仕事の都合で単身赴任が多く、アタは人生の半分はパパと別居しています。

障害児を連れて海外で生活できるか?

それは、その国の状況、障害の程度によっても違うと思います。少なくとも、アタが生まれた2007〜2011年の時点で、中国は障害児に優しい国とは言えませんでした。

浙江省の米国系インターナショナルスクールにダウン症児を転入させた友人は、赴任前から学校と交渉していたにも関わらず、実際の対応の違いに苦慮していました。

何に重きを置くかは各家庭違いますが、我が家は長女の日本での進学とアタの母国語習得を優先したかったので、長女の中学受験を機に帰国を決意。当時、長女は思春期真っ盛り。アタはまだ4歳。

「次に帰っても、口きいてくれないかも。アタには忘れられちゃうかも」

気弱になるパパを置いての先行帰国でした。世のお父さんは多かれ少なかれ、娘との関係に悩むようです。

(2)SNSでのコミュニケーションはなかなか難しい

さて、そんなパパの存在を救ってくれたのはLINEと微信(wechat)などの無料通話アプリ。国際電話でも料金を気にせずビデオ通話できるこのご時世。本当に便利でありがたいですね。

とは言え、通話は毎週末1時間ほどが精一杯。それにいざ話せと言われても、やはり普段通りにはいきません。

お互いに気を遣う微妙な空気が増え、だんだん上の娘は電話に出なくなりました。

アタも、会話が苦手なのでパパの言うことをおうむ返しするか、質問されるとじーっと考え込んで沈黙してしまいます。 さて困った。このままでは家族がバラバラになってしまいそう……。

(3)コミュニケーションが苦手な子に、「どう?」「どんな?」は聞かないで

そこで、ちょっと工夫しました。

アタには、あらかじめその日パパに話したいことを1つ考えさせておきます。そして、アタから先に話をさせます。

「きょう、のぼった!」

「へぇ、何に?」

「ジャングルジム!」

「1人で?」

「おともだち!」

「お〜、お友達と一緒か?」

「うん!」

こんな感じで、話題に沿って具体的な質問をしてもらい、単語でも会話ができるようにしました。

「今日はどうだった?」「どんなことやったの?」のような、答えが複数ある質問はアタを困らせます。答えられない自分にイライラしてキレてしまうのです。

会話が続くと、アタもニコニコ嬉しそうでした。何も言うことがない時は、絵本を音読させました。それだけでも今何がどれくらいできるようになっているか、様子がわかると思います。

コミュニケーションが苦手な障害児との会話は、その子の特性によって注意が必要です。夫も、アタに対してどう会話をリードしてやればいいか、ビデオ通話で少しずつ学んだようでした。アタも、母親には雰囲気で伝わることが父親には通じず、言葉で伝える努力をしなければなりません。

他人ではないけれどちょっと遠くて、でもちゃんと返事を待ってくれる存在。案外丁度いい距離感なのです。 会話練習にビデオ通話、おススメです!

(4)障害より思春期の方が面倒? 父親との関係は敢えてビジネスライクに!

余談ですが、パパとの会話は、実は障害のない上の娘の方が厄介でした……。

アタとパパが楽しそうに会話しているのを横目で見ながら、ビデオに映ろうともしません。そこで、絶対にパパを無視できない方法を採りました。

中学生になって、付き合いも欲しい物も激増した娘。月のお小遣いでまかないきれないことも出てきました。そこで、やりたい事や欲しいものができた場合、

「うちはパパが家計管理しているから、パパに相談しなさい」

と、自分で交渉させることにしました。欲しいものは自分の力でゲットしろ! いわば、スポンサーに投資交渉を行うわけです。

頼めば何とかなるだろうと思っていた長女。考えの甘さを容赦なく指摘され、最初の頃はふてくされていました。交渉決裂なら再挑戦かあきらめるかは本人次第。パパを説得するために、資料を揃えてのプレゼンもだんだん上手になりました。

「大人が認めてくれた」ことは結果的に自信になり、自己肯定感も上がったようでした。交渉が軌道に乗れば、投資条件は2人で話し合って決めてもらいます。母は一切口出さず。

普段は娘に甘いパパがですが、交渉相手として対峙すると社会人としての姿が見え、尊敬も生まれます。相手をどう説得するか試行錯誤するのも良い経験です。

何より、自分の生活を支えているのが誰かをきちんと知ることで、感謝の気持ちを持てるようになりました。父親にとっては娘と会話し、今何を考えているか知ることができます。

離れていてもお互い1人の人間としての信頼関係ができていれば、多少のブレがあっても大丈夫。話す機会が増えたことで趣味も共有。娘の影響で、パパが宝塚ファンになってしまったのはさすがに予想外でしたが……。

今でも、進路や勉強のことで相談するのは父親メイン。娘に必要とされることでパパの自尊心も支えられ、もうこれ、一種の親孝行かもしれません!

アタももう少ししたら、挑戦させてみようかと思います。査定が激甘になって長女に恨まれそうですが……。ところでこの方法、母親にとってはメリット大。何しろ、面倒な交渉事は全部パパにお任せ。決定に従って偉そうに管理すれば良いのですから。

表面的には「孤育て」状態ですが、1番得しているのは、実は私なのかもしれません(笑)

China

China (ちな)2児の母。

特別支援学級に通う次女、マイペースな長女と、すったもんだの日々を送っています。 娘ラブの夫は単身赴任中。エッセイを通して、発達障害って案外いいね!と思ってもらえたら嬉しいです。

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