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Column 発達障害児ママのドタバタ子育て奮闘記

「療育手帳」は発達障害児のお守り

2020.06.10

公立小学校の特別支援学級に通う6年生の次女、アタはASD、いわゆる発達障害児。最初はその事実を受け入れられませんでしたが、そのうち、普通の子より個性が強すぎるだけなのかも、という心境に。こう言っては不謹慎ですが、障害児を育てるというのは、案外面白いのです。現在、夫は海外に単身赴任中。大学生の長女と私、そしてアタの3人のドタバタライフを書き綴ります。


第13回 「療育手帳」は発達障害児のお守り

(1)外出恐怖症を救ってくれた「愛の手帳」

アタとのお出かけは、いつもドキドキ真剣勝負。色々予測して準備しますが、何が起きるか読めません。ミュージカルを観に行ったら、会場が暗くなった瞬間「いやーっ!」

友達と遊園地に行っても、色んなマークが気になって並べず別行動。電車の乗り換えも思い通りでないと「ギャー!」目的地までわざわざ遠回りすることもしょっちゅうでした。

チケットが無駄になったり、周りに迷惑だと思うと、だんだん外出も消極的に……。今なら「そんなに他人の目を気にしなくても」と開き直れますが、当時は気持ちに余裕がありませんでした。

そんな時、助けになったのは「療育手帳」です。※

「療育手帳」=東京都では「愛の手帳」の愛称で呼ばれています。知的障害者の日常生活をサポートする、いわばお助けアイテム。障害者としての進学や就労を支援するだけでなく、障害者が外出しやすいよう、色んな施設の入場料や公共交通機関の料金割引やサービスを受けられます(東京都の場合、都営交通無料乗車券は別途申請が必要)。

割引料金なら、途中で退場しても惜しくない! とりあえずダメ元で連れてってみよう! 敷居の高かったキッザニアに挑戦できたのも「愛の手帳」のおかげでした。今や、アタにとって無くてはならないお守りです。

(2)思い込みで勘違い。自分から聞かないと情報は入って来ません

ところで、アタが「愛の手帳」を取得したのは小学校入学後でした。診断名がはっきりしないと申請できないと思っていたので、友人に「申請できるよ」と言われて、えーっ⁉︎

病院も療育機関も、何で教えてくれないの! と不満に思ったものでした。

でも。

手帳を取るか取らないかは完全に任意です。

プライバシーへの配慮で介入しにくい部分だと言えます。他人から「手帳を取った方がいいよ」なんて言われたら腹立ちますよね。

だからこそ、個人的な情報収集が大事になってきます。そういう意味でも、支援級保護者仲間は心強い味方。ネットを調べれば大抵のことは分かりますが、本当に知りたいことは、同じ悩みを持つ仲間に直接聞くのが一番。やはり持つべきものは友です。

そんなわけで早速、児童相談センターに電話。予約を取りました。申請件数が増えているとかで、予約が取れた日は約2カ月も先でした。

(3)イケメン判定員でIQもアップ⁉︎

当日は午後だったこともあり、眠くてご機嫌斜めのアタ。案の定ぐずり出しましたが、まあ今日は成績が悪い方が却って好都合。ビチビチ暴れるのを抱えていざ出陣! すると入り口で待っていたのは、優しい笑みを浮かべた若いお兄さんでした。

「こんにちは、アタちゃん。よろしくね」

とたんに、アタがピタリと泣き止みました。まーこの子は。

親が必要書類を書き込む間、子は別室で発達検査です。就学相談で「田中ビネー知能検査V」を受けていたので、この日は別の検査とのこと。どうやらこのお兄さんが判定員のようでした。

お兄さんに手を引かれ、ルンルン去っていくアタ。うーむ、6歳女児恐るべし……。1時間ほどで検査を終え、戻って来たアタはさすがに疲れた様子。床でゴロゴロし始めました。

「アタちゃん、よく頑張りましたよ」説明を聞いて驚きました。普段は他人の指示に従うのを嫌がるアタが、大人しく話を聞いたそうです。

やはりイケメン効果? そしてなんと、「暫定ですが、IQ70超えてます」

えーーーーーっ⁉︎

IQって数カ月でそんなに変わるもの? いやいや。先日就学相談で「IQは1年程度では変わらないので、検査は早めに受けて」と促されたばかり。形式が違うせいかもしれませんが、何も今、好成績出さなくても……。

と言うのも、東京都の「愛の手帳」の場合、支給判定の上限IQ値は70〜75。「ギリギリですが、日常生活でお困りですよね?」床で大の字のアタを見て、判定員さんが遠慮がちに言いました。

「お困りです‼︎」「分かりました。この後医師面接ですが、そちらに回す書類にも、今回IQは高めだけれど、普段は支援が必要な場面が多いと書いておきますね」

お兄さん……。後光がさして見えました。

打って変わって問診は機械的でした。医師はアタをチラリと一瞥しただけで声がけも無し。PC画面から目を離さず質問し、パチパチ打ち込むだけ。冷えた空気のまま10分ほどで面接終了。これで判定されちゃうの? と不安になりましたが、こんなもののようです。

出口まで見送ってくれたお兄さん。「アタちゃん、今日は偉かったね」アタも、名残惜しげにバイバイしてました。

約1カ月後、アタは無事「愛の手帳」を取得しました。

親身になって対応してくれた判定員さん。本当にありがたかったです。最近は知的遅れの無い、いわゆる「グレーゾーン」の子も多く、希望しても手帳が取得できないケースが増えていると聞きます。また、手帳の判定基準が自治体ごと違うため、転居で手帳を失う場合もあります。

「精神障害者保健福祉手帳」を取得することもできますが、「愛の手帳」が18歳まで継続して持てるのに対し、2年ごとの更新が必要。就学中の子には大きな負担です。

悩む親子の支えとなるよう、「療育手帳」を取りやすくして欲しい。 そしてウチのような転勤族が手帳を失う心配がなくなるよう、判定基準を全国統一にして欲しいと願うばかりです……。

※「療育手帳」は障害者手帳の1つです。

種類や取得方法等、詳細については、下記URL参照。
障害者手帳とは?種類ごとの申請方法と受けられるサービスを一挙にご紹介
LITALICO発達ナビ

China

China (ちな)2児の母。

特別支援学級に通う次女、マイペースな長女と、すったもんだの日々を送っています。 娘ラブの夫は単身赴任中。エッセイを通して、発達障害って案外いいね!と思ってもらえたら嬉しいです。

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