連載:発達障害児ママのドタバタ子育て奮闘記 発達障害児は放課後をどう過ごせばいい?(後編)
公立小学校の特別支援学級に通う6年生の次女、アタはASD、いわゆる発達障害児。最初はその事実を受け入れられませんでしたが、そのうち、普通の子より個性が強すぎるだけなのかも、という心境に。こう言っては不謹慎ですが、障害児を育てるというのは、案外面白いのです。現在、夫は海外に単身赴任中。大学生の長女と私、そしてアタの3人のドタバタライフを書き綴ります。
第16回 発達障害児は放課後をどう過ごせばいい?(後編)
アタ「放課後等デイサービス」デビュー
「デイサービス」ってお年寄り専用じゃないの?
初めて聞いた時は、そう思っちゃいました(笑)。今ではすっかり定着した「放課後等デイサービス」。障害のある就学児童(6〜18歳)が放課後や長期休暇に通える施設のことで、高齢者のデイサービスとは全く別物です。
でも、アタが小1の頃は、制度ができてまだ2年目。何ソレ?という感じでした。
教えてくれた先輩ママも、やはり友達の紹介で知ったそう。「子どもには、学校や家以外で落ち着ける場所も必要かなと思って。ウチは入れて良かったよ!」
なるほど、それは一理あり。早速見学を申し込んでみました。
実は「放課後等デイサービス」のタイプは大きく分けて3種類あります。
①習い事タイプ(水泳、ダンス等)
②まったり居場所タイプ(学童保育系)
③療育タイプ(学習等もフォロー、有資格者在籍が多い)
さて、初めて見学した「放課後等デイサービス」。幸か不幸か、そこは運動と学習を中心に行う、かなり本気の療育タイプでした。「放課後ひろば」みたいなのを想像していたら……全然違う!
ラダーやマットを使った準備運動から、各自机を並べて、フラッシュカードや音読、目のトレーニング。おやつ休憩を挟みながら、運動ではコーディネーショントレーニング、学習では各自の理解度に合わせて課題を流れるようにドンドンこなします。
こ……これ、アタできる⁉︎ 療育としてすごく良い! でも、アタが付いて行ける気が全くしません!
ところが主任の先生はニッコリ。
「みんな最初はビックリします。でも慣れたらだんだん周りに合わせてできるようになりますよ。ホントです! アタちゃんのように気持ちの切り替えが苦手な子は、先が見えないと不安を感じますよね。予定は壁に貼って、自分で確認しながら行動するよう指導します。時計を読む練習も取り入れたら良いですね。それに、友達の手助けや勝ち負けの感情コントロールなど、子ども同士で学ぶことも多いんですよ。実はそれが何より大事なので、スタッフもフォローしながら見守っています」
わずかの時間でアタの特性を見て、指導の仕方まで提案。プロだなぁと感心しました。でもちょっと良いことばかり言い過ぎ? 半信半疑でしたが、まあ、本人次第かな〜と思ってアタに聞くと、鼻息も荒く、
「やる!」うーん、まいっか。よし、やっちゃえ!
……そして、あれから早5年半。結論から言うと、アタにはこの教室「正解」でした。
体力があり、負けず嫌いな性格。がんばれば山のように褒めてもらえるこの環境は、アタにはピッタリ。ただ、途中で辞める子も多いです。どんなに「良い療育」も、本人が苦痛なら意味無し。ただ、我が子に合う場所は必ずあります。とことん探しましょう!
教室が増えた分だけ、悩みも増えています
ここ数年で「放課後等デイサービス」の事業所は4倍近く増え、就学直後から通う子も多くなりました。アタも3つの事業所を、曜日別で利用させてもらっています。受給者証を取得すれば障害者手帳が無くても通えるので、通常級や通級利用の子も多いです。費用は9割が自治体負担。利用者負担は1割とおやつ代くらい。
これだけ手厚い指導をこの費用で受けられるなんて、上の子の塾代と比べると本当にありがたい……。長期休暇中も預けられるので、仕事をしている親御さんも安心だと思います。障害児で得したなぁと思うことの一つでしょうか。
ただ、選べるほど増えた反面、見に行った中には「⁉︎」と思う事業所も。ネットで調べた情報とはかなり違っていました。口コミは悪く無かったんですが……。
また、最近は送迎付きの教室が人気ですが、申し込み多数でキャンセル待ちすらできない状態とのこと。アタの通う水泳指導付き事業所も、たまたま新規開所の情報を得たので滑り込めた感じです。
積極的な情報収集が鍵。障害児を支えるのは、人と人とのつながりです。
そういう情報も、気になったらとりあえず電話するなど、普段からアクションを起こしておかないと得られません。友達の口コミも有益です。
もちろん、もらった情報を鵜呑みにせず、自分で確認することが絶対ですが。情報を積極的に集めること。そして、自分の持っている情報は惜しまず教えること。障害児育ては、そこが鍵だと思います。「やはり保護者間の助け合いが大事なんですよ」と言うのは、長年苦労してこられた先輩保護者たち。
ですよねぇ……。
結局、障害児を支えるのは「人と人とのつながり」なんだなぁと実感させられる毎日です。
◎参考
放課後等デイサービスとは?:
https://h-navi.jp/column/article/35025515
放課後等デイサービスの情報検索:
https://www.wam.go.jp/sfkohyoout/COP000100E0000.do#
https://h-navi.jp/support_facility/tokyo/hoday