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障害は突出した才能? アタ、金賞受賞への道
2020.09.09 by China China

連載:発達障害児ママのドタバタ子育て奮闘記 障害は突出した才能? アタ、金賞受賞への道

公立小学校の特別支援学級に通う6年生の次女、アタはASD、いわゆる発達障害児。最初はその事実を受け入れられませんでしたが、そのうち、普通の子より個性が強すぎるだけなのかも、という心境に。こう言っては不謹慎ですが、障害児を育てるというのは、案外面白いのです。現在、夫は海外に単身赴任中。大学生の長女と私、そしてアタの3人のドタバタライフを書き綴ります。


第19回  障害は突出した才能? アタ、金賞受賞への道

「できない」と言われたくないASDっ子。負けず嫌いも良いけれど……

「うまくできない」

自分でわかっていても、他人に言われると腹立ちますよね。それは障害児も同じです。

ASDもタイプは色々ですが、アタはこだわりが強く気持ちの切り替えが難しい子。できないと認めるのが嫌で、なかなか「助けて」が言えません。

テストの間違い直しも大嫌い! 悔しがってこの世の終わりみたいに泣きます。いっぱい間違った方が覚えられて良いんだよと言っても、

「でも、イライラが溢れちゃうんだ〜!」

小6で、検査上では言語理解力がほぼ年相応まで伸びたアタ。でも処理能力と速度は70%程度。典型的凸凹脳です。つまり、質問を聞いてから答えるまでに、すご〜く時間がかかるということ。上手く話せないことにもコンプレックスを持つようになっていました。

そりゃ、スムーズな会話は難しいけど、以前に比べればすごい進歩。そこは自信を持って! と思うんですが……。

まずはやりたいことで自信をつけて。ASDっ子の挑戦!

そんなある日、学校から「環境日記」なるものが配られました。6月から夏休みにかけての12週間、環境問題をテーマに日記を書くコンテスト。小学4〜6年生対象ですが、アタの学校では特別に小3から参加可能でした。折しもTVでは異常気象や環境問題に関する特集が組まれ、アタは興味津々。案の定、

「やる!」

ヨシヨシ、日記は言葉の練習になるぞ! 母は密かにほくそ笑みました。

ところが。

節電、節水、リサイクル。書くことはたくさんありますが、アタが理解できるネタを毎日探すのは意外と大変! ネット検索も、まずはキーワードを打ち込む練習からで、とにかく時間がかかります。

ひえ〜甘かった! でも調べるのは好きなようで、新聞を眺めては「これエコだ!」と見つけてご満悦。電車好きなので、駅のエコについて駅員さんに聞きに行ったりしました。

そんな中、最大の難関は書く作業。言ったことそのまま書けば良いよと言っても、自信が無くて書き出せないんです。言えるのに書けない。

足を踏み鳴らしたり、鉛筆投げたり、泣き叫んで髪を引きちぎったり。1日分6.4×9.4cmの小さなマスを埋めるのに、5時間かかったこともあります。

これが彼女の障害なんだと、つくづく思い知らされました。

そこで、アタが言ったことを私が書き取り、それを写させることにしました。苦手な部分は無理せずサポートすればいい。自分の文章にようやく安心したアタ。

「書けた!」 ホッとしてすごく嬉しそうでした。

頑張った結果は区の「奨励賞」。小さな賞ですが、アタが初めて自分の力で手にした評価でした。

表彰式の後すぐ、「来年もやる!」

え、あんなに泣き叫んだのに……。嫌なことをすぐハッピーに上書きできるのは、アタの特技かもしれません。母はちょっと気が遠くなりかけましたが。

特性に合えば人並み以上の能力を発揮できる発達障害児。短所こそ最大の長所に

それから毎年、アタは環境日記を書きました。せっかくなら去年よりいいものをと、内容もだんだんグレードアップ。文章も起承転結を使って、自分で直接書けるようになってきました。自信がつくって大事ですね。興味のあることについては記憶力も良いので

「これ小3の時書いた」

同じでもいいじゃん! と母は思うのですが、本人は納得しないので、調べ学習も更に過酷、いえ綿密に……。中国にいる主人、受験期の姉まで巻き込んで、家族総出でネタ探しでした。

とは言え、約3カ月の長丁場。サボリたくなる日も出てきます。

そこで、週に1度は川柳を詠んだり、漫画を描いたりして息抜き。自分で描いた謎の4コマ漫画に大ウケするアタでした。新聞のスクラップブック、プログラミングで環境ゲーム作り。一緒にあれこれ考えて、とにかくやってみる。できないことも多い反面、こんなことできるの⁉︎ と驚かされることもいっぱいでした。

そして最後の年、小6でアタはついに全国大会「金賞」を受賞!

4年間よく続いたなと思います。もはやルーティンワーク化して、本人も止められなかったのかもしれません。哀れなほど融通の効かない特性ですが、その切り替えの悪さが最高の評価を得ることにつながったのは面白いなと思います。

大きなホールでの表彰式。1人で堂々と壇上に上がるアタの姿を見て、障害特性って突出した才能なんだなぁと、しみじみ。

「やめられない」のは短所。でも「続けられる」のは最大の長所です。

環境問題について多くを学ぶ中で、アタは特に食品ロスの問題に興味を持ちました。 将来はエコに詳しい栄養士になって、世界の食品ロスを減らしたいと言っています。

China

China2児の母。

特別支援学級に通う次女、マイペースな長女と、すったもんだの日々を送っています。 娘ラブの夫は単身赴任中。エッセイを通して、発達障害って案外いいね!と思ってもらえたら嬉しいです。

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