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「ママ、私は障害者?」我が子に聞かれたら、どう答えますか?
2020.09.23 by China China

連載:発達障害児ママのドタバタ子育て奮闘記 「ママ、私は障害者?」我が子に聞かれたら、どう答えますか?

次女のアタはASD、いわゆる発達障害児。最初はその事実を受け入れられませんでしたが、そのうち、これって普通の子より個性が強すぎるだけなのかも、という心境に。こう言っては不謹慎ですが、障害児を育てるというのは、案外面白いのです。現在、夫は海外に単身赴任中。大学生の長女と私、そしてアタの3人のドタバタライフを書き綴っていきたいと思います。


第20回  「ママ、私は障害者?」我が子に聞かれたら、どう答えますか?

5年生のある日、TVニュースを見ていたアタ。テテテッと側に来たと思ったら、ポソっと一言。

「ママ、私って障害者?」

画面は障害者雇用に関するニュース。一瞬、息を呑みました。

障害を持つ子どもたち、特に支援校や支援級の子は、自分を「障害者」だとは思ってないかもしれません。親御さんの愛情たっぷりに育って、みんな素直で伸び伸び。そんな子にわざわざ「お前は障害者だ」と言う必要があるでしょうか?

伝えたことで、自信をなくしてしまったら?

兄弟や友達との関係が変わってしまったら?

伝えるかどうかは、本人の障害の程度、性格、年齢、保護者の考えにもよると思います。考え方は色々です。でも将来自立を考えるなら、どこかのタイミングで「自分は障害者だ」と自覚させた方がいい、と私は思うのです。

「障害者」はなぜ「障害者」に。呼び方変えたらダメですか?

『僕の歩く道』というTVドラマをご存知でしょうか? 元SMAPの草彅剛さんが自閉症の男性を演じました。その中のあるシーンが忘れられません。

幼なじみの女性が、焼き芋を買ってくると、主人公は公園のベンチの落ち葉を自分が座る分だけ払い、サッサと座ります。幼なじみは一瞬あれ? という顔をしますが、ふと笑って焼き芋を手渡します。

自閉症の人にとっては当然の行為ですが、常識からするとあまりに失礼ですよね。でもそれは、あくまで健常者の「常識」。

健常者の社会で生きていくのに「障害」があるから「障害者」なんだと、このドラマは伝えています。

そもそもこの「障害者」という呼び方。それだけでマイナスイメージじゃないでしょうか?

「痴呆症」から「認知症」へと名称変更したように、もうちょっとポジティブになれる呼び方に変えて欲しいもんだなと思います。

そんなわけで、我が家では普段から「障害」「障害者」という言葉のマイナスイメージを取り払うことを心掛けてます。アタの前でも障害の話題を隠さず、「障害」=「特別な能力」とアピール。

例えば気持ちの切り替えができないことも、それは脳の命令の出し方が他の人と違って、集中し過ぎちゃうからだよ、実はすごい能力なんだよ、と説明しました。そして、楽に気持ちが切り替えられるよう魔法の言葉を一緒に考えました。それが、

「ま、いっか!」

今のところは半分キレながらこの言葉を叫んでいるアタ。感情コントロールはまだまだですが、こうして「障害」に向き合って、少しずつ自分の操作方法を身に付けられたらと思います。

兄弟姉妹との関係。「お兄ちゃんはなんで私より宿題が簡単なの?」

先のドラマでも分かるように、障害者といて傷ついたり我慢させられたりするのは、多くの場合身近な人、友達や兄弟姉妹です。なので特に、兄弟姉妹の理解は重要です。

そして兄弟姉妹に発達障害をいつどう伝えるかも、親にとっては悩みの種。

例の茶話会でも、ある保護者からこんな話が出ました。  

「小1になった妹が、兄に疑問を持つようになりました。お兄ちゃんだけどうして学校が違ってヘルパーさんがいるの? なんで宿題簡単なの? と聞かれ、説明に困ってしまって……」

親としては、「障害」という色眼鏡で兄弟を見て欲しくない。でも、当然のようにサポートする立場を求められる兄弟姉妹。一緒に成長していくうちに不満を感じることも多いでしょう。

とは言え、幼い弟妹に障害云々と話しても「?」。

そこで、その方は身体障害を持つ女の子を主人公にした絵本を読んだそうです。見えない障害の話をしても、子どもは分からない。だったら見える障害の話をして、それを「心」に置き換えて、兄が何に困ってるか考えて欲しいと伝える。素敵な方法だと思います。

妹さんにはまだ難しかったようですが、それでも最後に、

「じゃあ、お兄ちゃん大変だね。ずるいって言ったらおかしいね!」

と言ってくれたそうです。

自分の「障害」を自覚することで、感謝の気持ちを持って。

「障害者」だから大目に見て、というのはちょっと違う。

特性ゆえに、自分勝手に思われがちな発達障害者。自覚がないままだと、周りとうまくいかない自分を責めてしまうかもしれません。プライドが高いばかりで気を遣えず、嫌われてしまう場合もあります。障害を自覚して周りにも理解を求めることで、居心地の良い環境を作るのは大切なことだと思います。

そして何より、そんな自分をサポートしてくれる人たちに、常に感謝の気持ちを持てたら、苦手な人間関係もうまくいくかもしれません。

「障害者」だから大目に見てもらって当然ではなく、助けてもらう分、できることを頑張るという対等なギブ&テイクの意識を、障害者も持つべきだと思うのです。

アタが私に「私って障害者?」と聞いて来た時、私は、

「そうだよ、自閉症スペクトラムって言うんだよ。」

と答えました。どうしよう、ショックかな? 内心ドキドキでした。

「ああ、ASDね!」サラリと答えたアタ。

あれ……? 実は、本棚のASD関連の本を読んで自分と比べていたアタ。むしろステータスを見つけて嬉しそうな口ぶりでした。ホッとしたような、拍子抜けしたような。うーん。

やはりアタさんには敵いません。

China

China2児の母。

特別支援学級に通う次女、マイペースな長女と、すったもんだの日々を送っています。 娘ラブの夫は単身赴任中。エッセイを通して、発達障害って案外いいね!と思ってもらえたら嬉しいです。

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