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いじめ認知件数、過去最多 一人で悩まずSNSで相談を【気になる!  教育ニュース】

連載:気になる! 教育ニュース いじめ認知件数、過去最多 一人で悩まずSNSで相談を【気になる! 教育ニュース】

第30回 いじめ認知件数、過去最多 一人で悩まずSNSで相談を

いじめ認知件数、6年連続増加

読売新聞で7月に連載された「しんどい君へ

お笑いタレント、ジャングルポケット・斎藤慎二さんの言葉は、自身が体験したいじめの苛烈さも相まって、真摯で誠実で、読んでいて心に迫るものがありました。今現在、いじめに苦しんでいる子どもたちへのメッセージは、様々な場所から発信されていて、それぞれが「生き抜いて」という力強いメッセージを備えていると感じます。

それなのに。

文部科学省は10月22日、問題行動・不登校調査の結果を発表。全国の小・中・高校などが2019年度に認知したいじめ件数が61万2496件で過去最多だったことが明らかになりました。6年連続での増加です。

文科省の担当者はこの理由について、「教員が積極的に介入し、早期の発見につながっているからでは」としています。えっ、本当に? そう、思ってしまいます。

懸念される「重大事案」の増加

調査結果をもう少し詳しくみると、特に認件数の増加が顕著だったのは小学校。全体の増加分の9割近くを占めています。いじめの内容としては「冷やかしやからかい、悪口を言われる」が最も多く、全体の6割強。8割は年度内に解消しているようですが、気になるのは、不登校になる、などの「重大事案」の増加。723件で、やはり過去最多でした。

連日のように報道される中高生の自殺は、同年代の子を持つ親として、本当にやり切れない。いじめは放置すれば生命に関わるのです。「重大事案」の増加は、対策が後手に回っているからなのでは、という感が拭えません。

子どもが小学生だったころ、学年で大きないじめがあり、臨時の保護者会が開かれたことがあります。その時の担任の先生の言葉が忘れられません。

「お母さん方はご存じないかもしれませんが、今の子どもたちはすぐに相手に“死ね”、と言います。真面目できちんとした女の子でさえ同様です。でも、だからと言って、言われて平気な言葉ではなく、大きないじめへの端緒となり得ます」。

SNSを利用した悩み相談 全国に拡大へ

文科省は、来年度から全国でSNSを利用した児童・生徒向けの悩み相談を実施する方針を固め、その関連費用を概算要求に盛り込みました。国が支援するSNS相談は既に2018年度から30の自治体で始まっており、それを全国に拡大することとしたのです。

今や小・中・高生にとってスマホは生活に密着した存在。総務省の「2019年度版・情報通信白書」によると、10代の平日の携帯電話での通話時間は平均3.3分。一方SNSなどの利用時間は66.1分。コミュニケーション手段として電話よりSNSの方がはるかに浸透しているのです。若者に身近なSNSの利用により、いじめの深刻化に対応しよう、というのが狙いです。

昨年度、SNSによる悩み相談を試行した神奈川県によると、相談者の8割以上が「相談が役に立った」と感じ、高い満足感を得ていることがわかったそう。

・音声がなく匿名性が高いSNSは気兼ねなく気軽に使用できる

・誰かに話を聞いてもらった、ということ自体が満足につながっている

神奈川県教育委員会は、そう分析しています。いじめそのものの発生を撲滅することは難しいかもしれません。だからこそ、いじめが深刻化する前に対処できる仕組みを作ることで、繰り返す悲劇を防ぎたい。

「しんどい思いを抱える君には、“君は変われる。誰かを頼ってほしい”ということを、やっぱり伝えたい」。ジャングルポケット・斎藤さんの言葉です。

SNSがしんどい君と、頼ることのできる誰かをつなぐ道になりますように。

参照

7月3日・読売新聞

https://www.mext.go.jp/content/20200929-mxt_kouhou01-000010168_1.pdf

文部科学省・児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査

https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00351.html

文部科学省・令和3年度概算要求

https://www.mext.go.jp/content/20200929-mxt_kouhou01-000010168_1.pdf

総務省・令和2年版情報通信白書

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/index.html

平成30年度SNSいじめ相談@かながわ実施結果https://www.pref.kanagawa.jp/documents/41334/shiryou.pdf#search

中村 亮子

中村 亮子ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

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