子育てママのお悩み解決メディア
学校への連絡 ハンコ不要のデジタルへ【気になる!  教育ニュース】

連載:気になる! 教育ニュース 学校への連絡 ハンコ不要のデジタルへ【気になる! 教育ニュース】

第32回 学校への連絡 ハンコ不要のデジタルへ

「デジタル化」へ文科省の通知

突然ですが、お子さんの欠席連絡、ちょっとメンドクサイ、と思った経験、ありませんか?

我が家の場合、幼稚園と小学校では連絡帳を届ける必要がありました。中学校と高校では保護者による電話連絡。時間が限定されています。正直、私はちょっと、メンドクサイ派。

10月20日、文部科学省は全国の教育委員会や都道府県に対し、学校・保護者間の連絡は、できる限り「紙」から「デジタル」へ、押印も省略することを求める通知を出しました。

学校・保護者間の情報共有を迅速化して業務の効率化を図ること、先生・保護者双方の負担軽減につながること、が大きな理由です。

学校・保護者間の連絡、といえば欠席連絡以外にも、保護者会や各種イベント・行事、水泳授業の出欠、最近では毎朝の検温など、日々のプリントが数多く。

ところが、このプリントがまた曲者。リュックの底でくしゃくしゃになっていたり、学校のロッカーの中に学期が終わるまで押し込まれていたり。保護者の元にやって来るまでの道のりは険しいのです。

デジタル化で先生・保護者共に負担軽減

実は、埼玉県戸田市横浜市では、専用フォームによる欠席連絡など、国に先行して独自に学校連絡のデジタル化を進めています。現場におけるデジタル化への要望、必要性は、一般に考えられるより高まっている、といえるのかも。

確かに、長男が高校になって「楽だな」感じることの一つが、プリントが学校HPを通じて配信されること。欠席連絡や保護者会などの出欠は電話や紙で行いますが、プリントがHPに掲載されれば確実に内容を確認できる上、紙ごみの軽減にもつながります。学校側からすれば、先生方の印刷の手間が省略でき、授業の準備や生徒の指導にあてる時間を増やすことができ、必要となる印刷用紙も大幅に減少するでしょう。

文科省からの通知には、デジタル化の活用例が具体的に示されています。

例えば、欠席や遅刻の連絡は専用フォームを使用、保護者へのアンケートはインターネット上のアドレス(URL)やQRコードを読み取ることで回答できるようにする、手紙はメール配信システムを利用する、など。

学校風土、神速の変革期へ

オンラインでの連絡に不安を持つ保護者やデジタル対応が難しいご家庭も当然あるでしょう。個人情報の保護やセキュリティ対策にも万全を期さなければならず、細かな説明、対応は不可欠。

先生と保護者との直接のやり取りから生まれる信頼関係は、子どもたちが安心して学校生活を送る基盤となるものであり、ここがおろそかになるとすれば、本末転倒。11月19日の読売新聞は、虐待増加に関連して、コロナ禍で先生が保護者と直接会う機会が激減したことを指摘しています。

それでも。

長男は、今年3月、新型コロナによる休校期間中に中学の卒業式を迎えました。日々変わる教育委員会の方針に、卒業式への対応も二転三転。学校からは一斉メール配信で何度も保護者のもとに訂正の連絡がやってきました。

「一斉メール配信システム、という手段が存在する今だからこそ、今回の事態も対応しきることができた。電話連絡しかなかったら、と思うと頭を抱えざるを得ない。コロナは学校における常識を確実に変えつつあります」

当時を振り返った校長先生の言葉には、確かな重みがありました。

長男の小学校入学式。「えっ! 黒板じゃなくて白板!」と驚いたのはすでに遠く。1人1台タブレット、オンライン授業、デジタル教科書、学校連絡デジタル化、と教育のICT化に関する最近の議論の進み方はまさに神速。学校が変革の時代を迎えているのだ、と実感。

多少の戸惑いの中で、先生方も保護者も、子供の成長を支えたい、という思いを共有していれば、目指す方向は間違わないはず、と思っているところです。

参照

文部科学省・学校連絡デジタル化に関する通知

https://www.mext.go.jp/content/20201019-mxt_zaimu-100002245-1.pdf#search

横浜市・学校と家庭をつなぐ情報共有システム

https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kosodate-kyoiku/kyoiku/plankoho/plan/hatarakikatakaikaku.files/20190313.pdf

戸田市立戸田東小学校・Googleフォームを活用した欠席・遅刻連絡

https://www.toda-c.ed.jp/site/todahigasi-e/oshirase16.html

11月19日・読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/national/20201119-OYT1T50054/

10月20日・朝日新聞

https://www.asahi.com/articles/ASNBN3J51NBMUTIL042.html

中村 亮子

中村 亮子ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

中村 亮子さんの記事一覧 →