子育てママのお悩み解決メディア
その校則、本当に必要ですか? 見直し進む「ブラック校則」【気になる!教育ニュース】

連載:気になる! 教育ニュース その校則、本当に必要ですか? 見直し進む「ブラック校則」【気になる!教育ニュース】

大学入試改革、プログラミング、英語教育……。教育の世界がなにやら騒がしい。このコーナーでは、最近気になった教育関連のニュースをピックアップして紹介します!

第46回 その校則、本当に必要ですか?  見直し進む「ブラック校則」

校則が原因で不登校に

最近、よく耳にするなと感じる言葉の一つが「ブラック校則」。

正確な定義はないようですが、要は不合理な校則のこと。

2017年、大阪の府立高校の元生徒が、茶色っぽい地毛を黒く染めるよう学校から強要され、不登校になったとして府に損害賠償を求めて提訴しました(2021年2月16日・日本経済新聞)。この事件がきっかけとなり、ブラック校則が全国的に注目されるようになりました。今年2月の大阪地裁判決では、髪の染色を禁じた校則自体の違法性は認めませんでしたが、学校側の対応に一部違法性を認め、全国的にも校則を見直す動きが活発になっているのです。

思い返すと、1980年代の私の中学時代は、今より校則が厳しかったように思います。靴下、靴、髪ゴム、全て色が指定。スカートの長さも決まっていたし、どんなに寒い日でもストッキングやタイツは禁止。天然パーマの友達が髪を切るよう強要されたことも。学校が荒れていた時代。当時、校則は生徒を抑え込む道具で、窮屈ではあっても「そういうもの、仕方ない」と捉えていたような気がします。

けれど、2019年度の文科省の調査によれば、校則など「学校の決まりなどをめぐる問題」で不登校になった生徒は小中高合わせて5500人以上に上る、というのです。これはもう、看過できる問題ではありません。

次々明るみに出る「ブラック校則」

いくつか具体例を見てみましょう。

・川崎市の一部の市立小学校で、体操服の下に下着を着ることを禁止
→市議会で指摘を受け、市の教育委員会が全校調査を開始(2021年3月16日・東京新聞)

・鹿児島市の全ての市立小中学校で下着の色を白に指定
→2022年3月までに全校で見直される見通し(3月19日・毎日新聞)

・東京都世田谷区の区立中学で、下着の色は白、男子の髪の毛は襟にかからないように、など指定
→区議会からの指摘を受けすべての区立中学校で、下着や男女別の髪形規定などを削除(2019年月28日・東京新聞)

確かに、どの校則にも合理性を見出すことは難しく「そもそも校則って何のためにあるのだろう?」と考えてしまいました。

みんなの校則、みんなで決めよう

「校則のない学校」、として有名な東京都世田谷区立桜丘中学校。

定期テスト、制服、宿題、すべてなし。チャイムもならず、携帯電話の持ち込みも可。先生に怒られることもあまりありません。校則廃止の改革の旗手であった西郷元校長が赴任した当時、桜丘中学はとても荒れていたといいます。「法に触れない」という最低限のルールを守ることを条件に、校則を1つ1つなくしていくと、生徒の行動が落ち着いてきた、といいます(2019年4月2日・朝日新聞)。

多くの校則で子どもたちを規律するのとは、真逆ですね。

耳の上や襟足を刈り上げた段差のある髪形「ツーブロック」。禁止する高校も多いのですが、東京都世田谷区の大東学園高校では、生徒と保護者、教職員による三者協議会で話し合い、ツーブロックを禁止する校則の削除が認められたのだそうです(2020年8月2日・東京新聞)。学校に関わる皆で、校則を決めていく。そこには大きな示唆が含まれているのでは? と感じました。

「子どものため」そう言って大人が子どもを一定のルールで縛り、子どもが反発する。その構図は古今東西、変わることはないのかも。けれど、今は多様性の時代。校則で子どもを一律に扱おうとするのは、時代に逆行する感が否めません。

校則とは、学校という同じコミュニティで生活する皆が気持ちよく過ごすためのルール、と考えたらどうでしょう? だとすれば、大東学園高校のように問題となる校則の必要性を子どもと親、教職員が話し合い、結論として、残すか削除するか、どのような内容にするのか決めていく。その過程には大きな意義がありそう。それこそが、子どもたちが身に着けるべき自主性、社会性そのものなのではないでしょうか。

参照

2月16日・日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHC10AFC0Q1A210C2000000/

文部科学省・令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
https://www.mext.go.jp/content/20201015-mext_jidou02-100002753_01.pdf

3月16日・東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/91906

3月19日・毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210318/k00/00m/040/367000c

2019年11月28日・東京新聞
https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/education/24179/

2019年4月2日・朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASM304245M30UEHF002.html

2020年8月2日・東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/46445

中村 亮子

中村 亮子ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

中村 亮子さんの記事一覧 →