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子どもの鉛筆、主役は2B 鉛筆の濃さと筆圧は反比例?【気になる!教育ニュース】

連載:気になる! 教育ニュース 子どもの鉛筆、主役は2B 鉛筆の濃さと筆圧は反比例?【気になる!教育ニュース】

大学入試改革、プログラミング、英語教育……。教育の世界がなにやら騒がしい。このコーナーでは、最近気になった教育関連のニュースをピックアップして紹介します!

第47回 子どもの鉛筆、主役は2B 鉛筆の濃さと筆圧は反比例?

主流は2B~6B

現在高2の長男が小学校入学の時、先生から「鉛筆はB、書写用は2Bか4Bを用意してください」と言われて驚いた記憶があります。私自身の小学校時代は、鉛筆と言えばほぼHB。学年が上がるとHを使う友達も。

ところが、4月20日の読売新聞を読んで、さらにびっくり! 現代の小学生が使う鉛筆の主流は、2B~6Bだというのです。

そこで、トンボ鉛筆の学童用の売上数量を見てみると、2Bは2000年の50%から2019年には71%にまで上昇! 逆に、Bは36%から15%、HBは14%から5%と、いずれも下落しています。

どうして「濃い鉛筆」はここまで人気なのでしょうか。

2020年4月30日の朝日新聞によると、多くの小学校では、新入生に2Bを指定するそう。

・軟らかい鉛筆の方が筆圧をかけやすく、しっかりした字が書ける・HBだと字が薄くなる

・硬い鉛筆だと力が入り、正しく持てない

などが濃い鉛筆を指定する理由のようです。中でも多い指摘が、筆圧との関係。つまり、子どもの筆圧が落ちてきているというのです。

筆圧、あなどるなかれ

「筆圧」とは、文字を書くときに筆記具の先に加えられる圧力のこと。筆圧が弱いというのは、要は筆記具を握る手の力が弱い、ということになります。子どもの筆圧が落ちている要因としては、ゲームなど室内での遊びが増え、ボールなど、手の力を使う外遊びや、水道の蛇口や瓶のふたなどをあける日常の動作が大きく減少したことが挙げられるようです。

「手は第2の脳」とも言われますが、手指の力と脳の前頭葉の発達には深い相関性があり、手を使うことで脳が刺激され、活性化することがわかっています。「たかが筆圧」とあなどってはいけないのです。

とはいえ、4人の子どもを東大理Ⅲに合格させた佐藤亮子さんは、著作「灘→東大理Ⅲの3兄弟を育てた母の秀才の育て方」の中で「筆圧が強すぎることが計算スピードの遅さや、正答率の低さの要因となっていた」と指摘しているので、筆圧は強ければよい、というものでもないようですが……。

以前、小学校の家庭教育学級で書道家の先生をお呼びしたとき「昔の人は字が上手だった、といわれることがあるが、筆を使うには力の加減が求められる。筆記具の主流が筆だった時代の人は、力の加減が上手だったのかもしれない」とおっしゃっていたことを今回思い出しました。これこそが「筆圧」なのかもしれませんね。強すぎず、弱すぎず。

濃い鉛筆、滑らかな使い心地

とはいえ、息子が中学生になると、筆記具は鉛筆からシャーペンに一変。周囲の話を聞いても、中学生以上のほとんどが鉛筆ではなくシャーペンを使用。その上、生活のIT化が進み、小中学校も「1人1台端末」の時代に突入。そもそも「字を書く」習慣自体が減少しています。鉛筆と共に過ごすのは、人生のほんの短い期間だけ、ということに……。

東京鉛筆組合昭午会によれば、徳川家康や伊達政宗も使っていたという鉛筆が、日本に本格的に輸入されるようになったのは明治時代。鉛筆の生産量は、ピークだった1966年の約14億本から、2018年には約2億本にまで激減。鉛筆世代としては少々寂しい。 

絵画教室を主宰する友人に勧められて、10Bの鉛筆を使ったことがあります。線を書いてみると、思いがけず「気持ちよい!」 ぬめるように柔らかな感触が手に残り、それほど鉛筆を使うわけでもないのに、1ダース購入! 案外、筆圧云々の問題だけでなく、単純にこの書き心地を好む子どもも多いのかもと、ふと思いました。

因みに、硬度の「H」は「Hard」、「B」は「Black」の頭文字に由来するそうですよ(三菱鉛筆HPより)。
ご存じでしたか?

参照

4月20日・読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/life/20210419-OYT8T50093/

トンボ鉛筆・HP
https://www.tombow.com/press/201104_1/

2020年4月30日・朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASN4Z3DMSN4FPTIL001.html

東京鉛筆組合昭午会・HP
http://www.pencil.or.jp/

三菱鉛筆・HP
https://www.mpuni.co.jp/customer/pencil/qa_05.html

中村 亮子

中村 亮子ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

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