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コロナで修学旅行どうなる?【気になる!教育ニュース】

連載:気になる! 教育ニュース コロナで修学旅行どうなる?【気になる!教育ニュース】

大学入試改革、プログラミング、英語教育……。教育の世界がなにやら騒がしい。このコーナーでは、最近気になった教育関連のニュースをピックアップして紹介します!

第48回 コロナ禍での修学旅行 様々な形の中に見えてくるもの

修学旅行は行きたいけれど

新型コロナの流行により、大きな影響を受ける子どもたちの学校行事。中でも、修学旅行は宿泊を伴うために実施の難しさが際立ちます。5月下旬に予定されていた中3の次男の修学旅行が9月に延期されました。でも、「9月じゃ無理だよね」というのが親子の大方の予想。

全国修学旅行研究協会の調査によると、昨年度、全国の公立中学校で修学旅行を中止したのは35.2%、行き先を変更して実施したのは51.0%でした。「中止」が多いのは、圧倒的に関東地方で、その割合は68.4%と全体の2/3に上ります。1月8日の朝日新聞によると東京都の都立高校は、昨年度の修学旅行の実施実績、なんと0校!

子どもたちのその後の人生に、大きな思い出として残っていくはずの修学旅行。何とか実施を果たした学校には、子どもたちのことを考えた、これまでにない工夫や配慮があったようです。

様々な形の修学旅行が登場!

5月10日の読売新聞によると、千葉県市川市の昭和学院の高校2年生が、修学旅行の代わりに台湾の高校生と画面越しにリモートで交流したそうです。

また、金属洋食器の街、新潟県燕市は、2019年度の修学旅行の受け入れ実績は0。ところが、昨年度は県内や長野、富山などの近隣県から3257人の子どもたちが修学旅行で訪れ、ものづくり体験や工場見学など、世界に誇る職人技に触れました。

更に岐阜県揖斐川町揖斐川中学校の修学旅行は、町の上空を遊覧飛行! 東京近郊への修学旅行の代わりに、郷里を空から眺めたのです。

昨年度、実施された修学旅行の内容を見てみると

・近隣県の文化財を活かした目的地変更
・バーチャルやオンラインでの実施
・遠出をせず、地元の魅力を再発見

という特徴が目立つようです。

確かに、地元や近隣県を修学旅行として訪れると、普段の生活では見落としていた価値に気づき、故郷への愛着や誇りにつながりそう。また、バーチャル映像では自分の視点では見学できない箇所も色鮮やかな映像で体験できるかもしれません。

コロナ禍が映し出す修学旅行の本当の価値

修学旅行ではありませんが、友人のお子さんが、こんな素敵な移動教室を体験しました。

舞台は東京都新宿区立落合第6小学校。主役は5年生。コロナで中止になった長野県の女神湖への移動教室を、大人と子どもが協力して創意工夫を凝らし、見事に学校で実現したのです。

お弁当を食べる耳に聞こえてくるせせらぎの音や鳥のさえずり。これは実際に大人が女神湖まで出向いて録音したもの。デザートのアイスクリームは長野県長和町の牧場から取り寄せました。ブドウ狩りは、校庭の藤棚に、長野県産の巨峰を洗濯挟みでつり下げて。暗い教室。カーテンに光る絵の具で作った星を飾ったプラネタリウム。キャンプファイヤーの炎は跳び箱と赤い布やビニールテープ。専門家の助言を得て、焦げるような匂いまで!

「本当にすごい移動教室で、子どもも大喜びだったけれど、私もとても感動した。こんなことができるなんて、コロナがなかったら考えられなかった」。友人の興奮した話しぶりに、私までワクワクとした気持ちの高ぶりを感じました。

修学旅行は、必ずしも「学年皆でどこかへ宿泊旅行すること」である必要はない。バーチャル、オンライン、地元密着。創意工夫で、いつもあるけれど気づかなかったつながりや思いが投影され、それを仲間と一緒に共有する。だからこそ、ほんのひと時に過ぎない修学旅行の時間が、子どもたちのその後の人生にしっかりとした記憶を刻むのかもしれません。

参照

全国修学旅行研究協会・令和2年度 修学旅行の実施状況並びに「学びの集大成を図る修学旅行」の取組について
http://shugakuryoko.com/chosa/kakushu/2020-01-chosa.pdf

1月8日・朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/DA3S14757041.html

5月10日・読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/support/information/CO036530/20210415-OYT8T50034/

4月13日・新潟日報
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20210413610260.html

2020年10月24日・中日新聞
https://www.chunichi.co.jp/article/142299

2020年10月4日・東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/59487

中村 亮子

中村 亮子ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

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