子育てママのお悩み解決メディア
歴史マンガがブーム!?【気になる!教育ニュース】

連載:気になる! 教育ニュース 歴史マンガがブーム!?【気になる!教育ニュース】

大学入試改革、プログラミング、英語教育……。教育の世界がなにやら騒がしい。このコーナーでは、最近気になった教育関連のニュースをピックアップして紹介します!


第52回 中学受験から大学受験まで大活躍! 歴史マンガは群雄割拠

歴史マンガで慶応に合格!

なんと、79点!?

実はこれ、2020年の大学入試センター試験(日本史B)で小学館の「学習まんが少年少女日本の歴史」を読み込んでいれば、79点が取れた、というデータ。小学館が公表しました。

「歴史マンガと聞けば、「ああ、あれね。」と思う方も多いのでは。でも、一口に「歴史マンガ」言っても、前述の小学館だけでなく、学研やKADOKAWA、講談社や集英社まで様々な種類があること、ご存じですか? 実は現在、コロナ禍の巣ごもり需要も後押しして、まさに「歴史マンガ、群雄割拠の時代」ともいえる様相が繰り広げられていることを4月13日の読売新聞が報じています。

歴史マンガブームの火付け役といわれるのが、2013年刊行の「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」(KADOKAWA)。ビリギャル、映画にもなりましたね。この中で「学習まんが少年少女日本の歴史」を「偏差値30でも効果が上がる勉強法」として紹介。確かに、マンガ仕立てならどの時代もイメージしやすい上、ストーリーがあるため記憶に残りやすいかもしれません。

マンガだって読解力は向上する!

さらなる追い風となっているのが、来年、22年度から高校で始まる新学習指導要領。18世紀以降の近現代史を重視する「歴史総合」が新設されます。各出版社はこれを見据えた紙面作りを研究。古いシリーズの刷新や、新シリーズの刊行が相次いだのです。

「講談社学習漫画」は中学受験を念頭に、小学生にもわかるマンガとともに大学受験に必要な用語を「マメ知識」として全ページの欄外に記載。2月の発売後、2か月で88万部を売り上げたKADOKAWA「世界の歴史」は、同時代に世界各地で起きたことを多角的に語る「グローバル・ヒストリー」という手法を採用。新学習指導要領に対応すべく、近現代史を重視。さらに学研は2月、DVD付きの「学研まんがNEW日本の歴史」を刊行。小学校低学年にもわかりやすく評判も上々だそう。

「でも、結局マンガでしょ? マンガだけじゃなく、本を読んでほしい!」と思いませんか? 確かに、2018年に行われたOECD生徒の学習到達度調査(PISA)によると、新聞や小説を読む生徒の読解力は、読まない生徒の読解力より30~40点高い傾向がありました。ところが、マンガを読む生徒も、読まない生徒より約30点も読解力が高いことがわかったのです!

マンガの中から学びにつながる作品を選ぶ「これも学習マンガだ!」というプロジェクト。主宰する、一般社団法人マンガナイトの代表理事、山内康裕さんは、読売中高生新聞のインタビューで、「マンガには、文字だけでなく絵にも多くの情報が詰まっている。登場人物のセリフや動きを頭の中でイメージしやすいため、登場人物の感情や行動を想像する力がつく」と語っています。

マンガを学びのきっかけに

日本体育大学在原高校では、「漫画で学ぶ地歴公民」という授業があり、大正時代の授業では、あの「鬼滅の刃」を取り上げたそう。担当の岡田新平さんは、授業でマンガを使用することで生徒の関心や集中力が高まった、といいます。また、埼玉県立飯能高校の通称「すみっコ図書館」には、なんと2700冊ものマンガが!  司書の湯川康弘さんが赴任した当時、ほとんど生徒の来なかった図書館には、マンガが増えるのと比例して生徒の数も増えていったそうです。

学びの入り口は、まず興味から。マンガにはそのきっかけとしての可能性が溢れているのかもしれない。絵とセリフ、両者から発信されるメッセージを、自分の頭で言葉で理解する。それは、すでに学びなのかも。日本大学在原高校や飯能高校の例を見ると、マンガの持つ大きなパワーを認めざるを得ません。

各社歴史マンガの、中学受験から大学受験までも意識した内容の充実ぶり。ふと自分の高校時代、世界史の先生の授業がとても面白く、「しょせん、暗記科目でしょ」と思っていた世界史が実に生き生きと動き出したことを思い出しました。あんな経験がマンガでできるのなら……。中3、高2のマンガ大好き、の息子たちにも、手遅れにならないうちに勧めないと。この夏休みに一気読みするのもいい機会ではないでしょうか。

そうそう、「これも学習マンガだ!」のサイトは面白い。おススメです。

参照

小学館・ホームページ
https://www.shogakukan.co.jp/pr/manganichireki/feature.html

4月13日・読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20210412-OYT8T50131/

KADOKAWA・ホームページ
https://www.kadokawa.co.jp/product/311928100000/

文部科学省・高等学校学習指導要領解説
https://www.mext.go.jp/content/1407073_03_2_2.pdf

国立教育政策研究所・OECD生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf

一般社団法人マンガナイト・これも学習マンガだ!
https://gakushumanga.jp/

6月11日・読売中高生新聞
https://kyoiku.yomiuri.co.jp/torikumi/teen/contents/post-664.php

日本体育大学在原高校・ホームページ
https://nittai-ebara.jp/ebarasai/

埼玉県立飯能高校・ホームページ
https://hanno-h.spec.ed.jp/zen/

中村 亮子

中村 亮子ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

中村 亮子さんの記事一覧 →