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【気になる!教育ニュース】小中学生の自殺が過去最多

連載:気になる! 教育ニュース 【気になる!教育ニュース】小中学生の自殺が過去最多

大学入試改革、プログラミング、英語教育……。教育の世界がなにやら騒がしい。このコーナーでは、最近気になった教育関連のニュースをピックアップして紹介します!


第63回 小中学生の不登校、自殺が過去最多 コロナが影響か

コロナ禍 子どもたちのストレスは想像以上

この話題、本当はあまり取り上げたくないな。でも、やっぱり。

そんなことを感じながら、です。

文部科学省は10月、今年度の全国の小中高生の不登校、自殺者が過去最多だったことを公表。コロナによる長期休校などによるストレスが、大きな要因の1つ、と考えられるそう。

国公私立の小中高校と特別支援学校を対象に毎年実施されているこの調査。不登校も自殺も、増加の一途をたどっています。

「どうして?」「どうしたら?」

調査結果が出るたびに、そんな声があちこちから沸き起こりますが、結局、大局的な流れは変わらず、時間だけがいたずらに過ぎていきます。

今回の調査結果によれば、不登校は小学生63350人。中学生132777人。また、自殺した小中高生は415人。重い、重い数字。でも、これを単に数字の多寡の問題にしたくはない。数字の1つ1つに、顔があるのです。彼らは、私たちに何かを問うているはずなのです。

いじめ 虐待 居場所を奪われる子どもたち

不登校の原因では「無気力、不安」が半数近くを占め、最多。高校生の増加が際立った自殺は、「家庭不和」が最多だったものの、過半数を占めたのは「不明」でした。また、コロナでの長期休校で登校日数が減ったためか、いじめ件数は前年度より減少。一方で、SNSなどを利用したネットいじめは過去最多を記録。家庭での児童虐待もまた、過去最多(厚生労働省発表資料より)。

学校ではいじめがあり、家庭では虐待がある。それぞれに対する防止策を講じていくことは非常に重要で、人工知能(AI)を活用し、いじめや虐待から子どもたちを守ろうとする取り組みは注目を集めています(47NEWS)。けれど、いじめや虐待を完全になくすことは難しい。

岐阜市立草潤中学校は、今年4月に誕生した不登校特例校。校則も制服もなく、時間割は生徒の実情に応じて変更可。授業はすべてライブ配信で、校内の教室以外の場所や自宅からも受けられます。図書室にはテントやハンモック!(朝日新聞記事より)。

中高生が次々と入っていくのは、とある商店街の一角にある建物。ここは、家庭の収入が一定水準以下の生徒などに東京都足立区が用意した「居場所」。週6日、夜8時まで利用でき、学習や食事ができます。子どもが安心して利用できるよう、住所は非公開(読売新聞記事より)。

横浜市立横浜総合高校で2016年から開かれている「ようこそカフェ」は、原則週1回の昼と夕方、無料で飲み物や軽食を配布し、約200人の生徒が利用します。様々な課題を抱える生徒を孤立させず、支援につなげることが、カフェの最大の目的。スタッフや学生ボランティアに悩みも相談できます(読売新聞記事より)。

どこまでもどこまでも 支え続ける大切さ

不登校特例校、サポート校、通信制高校、そしてフリースクール。

私の子ども時代は「学校は行くもの」でした。けれど、そんな思い込みが、子どもたちをさらに追い詰めてしまう。現在は、学校に行きたくない子どもたちにも複数の選択肢が与えられるようになりました。その子に合った教育環境を整えていく。方向性は決して間違っていないと思うのに、不登校や自殺者は増え続ける。社会の変化はとても速くて突然で、私たちの歩みがなかなか追いつかないのかもしれません。

東京都豊島区内で4か所の子ども食堂を運営するNPO法人「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」の理事長、栗林知絵子さん。読売新聞の取材に対し、無料で勉強を教えていた男子中学生が口にした「家族一緒にご飯を食べるなんて気持ち悪い」という言葉が活動のきっかけとなった、と明かしています。「問題なさそうに見えても、困難を抱える子どもがいる。愛情を受けてこそ、人は育つ。だからこそ、誰もが来やすい場所を作ることが大切」

いじめや虐待をどれだけ目の細かいザルで防止しても、そこからこぼれ落ちる子どもは必ずいます。その子どもを受け止める居場所が、だからこそ必要なのです。用意したザルからこぼれ落ちる子どもがいたら、さらに目の細かいザルを。そこからも、こぼれ落ちてしまう子どもには、さらにさらに目の細かいザルを。果てしない挑戦のように思えますが、広がり始めた歩みを止めてはいけないのだと思います。この拙い記事も、小さな小さなザルの一つの目になるのなら、何度でも書きたい。そう、感じます。

悩みを聞いてくれる相談先(NHKニュース参照)

厚生労働省・SNS相談等を行っている団体一覧

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sns.html

「24時間子供SOSダイヤル」0120-0-78310
https://www.mext.go.jp/ijime/detail/dial.htm
「子どもの人権110番」0120-007-110
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken112.html

「チャイルドライン」0120-99-7777
https://childline.or.jp/

「いのちの電話の相談」0120-783-556
https://www.inochinodenwa.org/

一般社団法人日本臨床心理士会、一般社団法人日本公認心理師協会「新型コロナこころの健康相談電話」050-3628-5672

参照

文部科学省・令和2年度(2020年度)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査

https://www.mext.go.jp/content/20201015-mext_jidou02-100002753_01.pdf

厚生労働省・令和2年度 児童相談所での児童虐待相談対応件数(速報値)

https://www.mhlw.go.jp/content/000824359.pdf

47NEWS

https://www.47news.jp/6756239.html

4月8日・朝日新聞

https://www.asahi.com/articles/ASP476QN4P47OHGB006.html

7月31日・読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20210727-OYT1T50354/

7月10日・読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20210706-OYT1T50198/

2018年6月13日・読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20180614-OYT8T50022/

中村 亮子

中村 亮子ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

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