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【気になる!教育ニュース】新聞には驚きの学習効果が!?

連載:気になる! 教育ニュース 【気になる!教育ニュース】新聞には驚きの学習効果が!?

大学入試改革、プログラミング、英語教育……。教育の世界がなにやら騒がしい。このコーナーでは、最近気になった教育関連のニュースをピックアップして紹介します!

第73回 新聞を読んで学力アップ! 学校図書館に複数紙の新聞を配備へ

文科省、学校図書館の新たな整備計画を通知

新聞の発行部数は下降の一途。日本新聞協会が公表している「新聞の発行部数と世帯数の推移」によると、2000年の発行部数は約5371万部だったのに対し、2018年は約3300万部。

けれど、

「NIE(Newspaper in Education=「エヌ・アイ・イー」=学校などで新聞を教材として活用する活動のこと)」

という言葉が、空間を埋め尽くすほどの情報が飛び交う現代、少しずつ重みを増してくるかも。

2020年度から順次実施されている新学習指導要領には、情報活用能力の育成のため、新聞を教材として活用することが初めて明記されました。

しかし、選挙権年齢や、今年4月からの成人年齢の引き下げにともない、主権者教育の一層の充実が求められるように。そこで文部科学省は、この状況に新聞を活用すべく、1月24日、第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」を策定。2022年度からの5年間で、すべての公立小中高校で新聞を複数紙置くよう、各都道府県教育委員会に通知しました。目安は、小学校が2紙、中学が3紙、高校が5紙。

新聞が持つオドロキの教育効果

「ネットで簡単に情報が手に入るのに、なぜ、新聞?」と思いませんか?

よく指摘されるのは、新聞には政治、経済、文化など、多方面のニュースが集約されているため、社会の大きな流れを確認できる。また、ネットでは自分の興味ある記事しか読まない傾向が強いのに対し、新聞では興味のない記事の見出しも目に入ってくる、ということ。

2020年2月に、日本新聞協会が公表した「新聞の教育効果アンケート」の結果は、興味深いですよ(NIEを実施する30都道府県36小学校の回答を集計)。

・全国学力・学習状況調査(2019年)の国語の平均正答率をNIE実施校と比べると、NIE実施校が4ポイント高い

・新聞活用頻度で国語の正答率を比べると、月2回以下の学校に比べ、週1回程度活用している学校の方が、2・1ポイント高い

・学力向上に効果的な新聞の活用・活動の種類では、「新聞スクラップとコメントの記述」が最も効果的で、全国の国語の平均より4・5ポイント高い

・「新聞スクラップとコメントの記述」を頻度で比べると、週1回程度実施している学校は、全国の国語の平均より5・4ポイント高い。(算数も3・3ポイント高い)

実は、この結果は2017年の調査とほぼ同じ。つまり、「週1回、新聞をスクラップしてコメントを書く」ことを続けると、子どもの学力が向上! ということが確認されたのです。

もう1つ、興味深い調査結果が。読売新聞と電通総研が小4生~中3生を対象に行った調査では、SNSでニュースに接する子どもが中3で約75%、小4でも約31%。約半数が、情報源を確認しておらず、にもかかわらず、やはり約5割の子どもがSNSを「信じられる」「だいたい信じられる」と回答しています。

「トイレットペーパーがなくなる」「ワクチンを接種すると不妊になる」等々。

新型コロナウィルスの流行に関連し、さまざまなフェイクニュースが人々を翻弄しました。さらに巧妙化し、危険度を増すだろう、といわれるフェイクニュースを見極める力=メディアリテラシーを養うためにも新聞は役立ちます。なぜなら、新聞は十分な取材に基づいて記事を発信している「信用度の高い」媒体だからです。

楽しんで新聞に触れよう

ただ、「教育効果が高い」といわれると、ついつい「成績が上がるの?」「良い学校に受かるかも!」と期待してしまうのが親、かもしれません。少なくとも私は、そんなヨコシマな期待を胸に「気に入った新聞記事の要約」という課題を息子2人に与えていたことがありました。が、親の本心はすぐに透けてしまうようで、長続きはしませんでした。

私自身の新聞の始まりは小学校に入ったころ、テレビ欄から。朝から深夜まで、「この時間はこの番組、その次はこの番組……」と頭の中で見る番組を組み立てて(本当に見るわけではないけれど)、番組の内容や、自分の気持ちを想像する。その時間が本当に楽しかった! それからスポーツ欄、社会欄、と広がりました。

息子たちにも「新聞って、単純に楽しいよ」と、教えてあげられたら良かった、と思います。

好きなスポーツ選手や芸能人、美味しそうな食べ物、きれいな景色。そんな写真のスクラップから始めてみたらどうでしょう? 切り抜いた写真について、文章を書かなくても、家族で楽しく話ができたら、NIE最初の一歩、は大成功! じゃないでしょうか。

参照

日本新聞協会

https://www.pressnet.or.jp/data/circulation/circulation01.php

文部科学省・学習指導要領「生きる力」

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/

文部科学省・第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/dokusho/link/mext_01751.html

日本新聞協会・NIEの学習効果を調べるアンケート結果概要

https://nie.jp/research/survey/

1月26日・読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20220126-OYT1T50361/

中村 亮子

中村 亮子ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

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