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Column 気になる! 教育ニュース

このフェイク、見抜けますか?メディアリテラシー教育【気になる!教育ニュース】

2020.06.01

大学入試改革、プログラミング、英語教育……。教育の世界がなにやら騒がしい。このコーナーでは、最近気になった教育関連のニュースをピックアップして紹介します。


第15回 このフェイク、見抜けますか?メディアリテラシー教育

社会に溢れるフェイクニュース

「新型コロナウィルスはお湯を飲めば感染を防止できる」

「PCR検査をした検体はすべて破棄。患者には陰性と伝えている」

「4月1日にロックダウンされる」

新型コロナウィルスに関連して実際に流れたニュースですが、すべてフェイク。何だかちょっと、騙されてしまいそうですね。そういえば、記憶に新しいトイレットペーパー騒動も、フェイクニュースが発端でした。

メディアが多様化し、私たちが接する情報量は飛躍的に増えています。一方、IT社会の現代では、個人での情報発信が容易に。検閲や精査などのチェック体制がない個人レベルの情報発信が増えていることは、フェイクニュース増加の一因です。フェイクニュースに踊らされないために、情報を的確に取捨選択し、理解・活用する能力=メディアリテラシーが今、強く求められています。

メディアリテラシー教育とは?

昨年公表された国際学習到達度調査(PISA)で、日本の読解力は15位。前回の8位から急落しましたが、その要因と指摘されたのが、情報の価値や信頼性を吟味しながら読む力の低さ。実は、学校の授業でのICT(情報通信技術)の活用状況に関しては、日本は世界的に遅れているのです。ちょっと意外!

今年度からスタートした新学習指導要領では「メディアリテラシー」という言葉こそ使われていませんが、情報活用能力を「学習の基盤となる資質・能力」と位置付け、情報から問題を発見、解決する能力を育成することを目指しています。

では、それって、具体的にどんな授業でしょう。川崎市の小学校で、5年生に対し行われた授業の一部です。

子どもたちは「下北半島のニホンザル」という映像に①少し暗い②かなり暗い③明るい、という3種類の音楽を合わせ視聴します。そして、それぞれにセリフをつけて発表するのです。①の曲では「寒いよ」「でも食べないと」。②の曲では「死にそうだ」「助けて」。③の曲では「もうすぐ春だから」など。

同じ映像でも、音楽が違うだけで印象が全く変わることに驚く子どもたち。そして、そこに作り手の意図が入ることを学ぶのです。

グローバル社会を生き抜く力に

歴史を紐解けば、江戸時代後期に数百点もの偽書を残した、フェイクニュースの元祖ともいうべき椿井政隆(つばい まさたか)という人物が実在します。その中には自治体に引用されたものまであるそうです。専門家によれば「こんな歴史であってほしい、こんな資料があると便利」そんな私たちの需要から、偽書の利用が広がった、と考えられるそうです。自分の願望に沿った情報は「本当かな?」と思っても信じたい、そんな気持ちの弱さにつけこむのが「フェイクニュース」なのでしょうか。だとすれば、数多くの情報が飛び交うグローバル社会で、発信者の意図を見抜き、情報の真偽を判定、自分の頭で問題を解決する能力は、子どもたちが社会を生き抜く糧となるはず。

ご家庭では新聞や、テレビCMなどを活用して、「このニュースって誰が何のために作っているのかな?」など、親子で話し合うこともお勧めですよ。

また、NHK Eテレの「メディアタイムス」という番組で、メディアリテラシーについてドラマ仕立てで分かりやすく紹介しているので、参考にしてみては?「フェイクニュースの見抜き方

参照
https://mainichi.jp/articles/20200422/k00/00m/040/168000c
https://kodomo-manabi-labo.net/media-literacy-02

中村 亮子

中村 亮子 (なかむら・りょうこ)ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

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