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4月? それとも9月?入学時期を考える【気になる!  教育ニュース】
2020.06.21 by 中村 亮子 中村 亮子

連載:気になる! 教育ニュース 4月? それとも9月?入学時期を考える【気になる! 教育ニュース】

大学入試改革、プログラミング、英語教育……。教育の世界がなにやら騒がしい。このコーナーでは、最近気になった教育関連のニュースをピックアップして紹介します。


第17回 4月? それとも9月? 入学時期を考える

コロナで失われた学びの機会

新型コロナウイスルへの感染拡大防止のため、日本全国の小中高校では長期にわたる休校を余儀なくされ、今年度の子どもたちの学びに多くの心配や不安の声が沸き上がりました。

「カリキュラムはちゃんと終わるの?」「学力の格差が広がりそう」

そこで急浮上したのが9月入学案。

報道によれば、準備期間の短さなどの理由で、今年度・来年度のような直近での9月入学の導入は見送られる公算が大きそう。気になる学習の遅れに関しては、夏休みと冬休みの短縮や土曜授業などで補っていくことになりそうです。

ただ、この問題、過去に何度も検討され、その都度、実現が見送られてきました。今回も、9月入学に関する議論は継続される模様です。そこで、私自身、中高生の子を持つ親として、4月入学、9月入学、それぞれのメリット、デメリットをこの機会にきちんと整理してみたいと思いました。

それぞれの入学時期のメリット、デメリット

4月入学のメリットは、就職活動時期や、国家試験の日程などが、4月入学を前提に組まれていること。企業や自治体の会計年度とも合致します。国のシステムがここを基準に動いているのです。逆に、国際的にはほとんどの国が9月入学なので、この国際基準に乗り遅れることは大きなデメリット。日本と同じ4月入学はインドくらい。お隣韓国は3月です。海外留学をしたり、留学生を受け入れたりする時期を逸する可能性があるのです

一方9月入学のメリットは、国際基準とそろうため教育のグローバル化が加速すること。帰国子女や留学生の受け入れもスムーズです。感染症や大雪などの天候の影響を受けやすい冬の時期の受験を避けることができ、年度の途中で夏休みのような長期の休みを挟まないので学校運営がしやすい。来年度実施されていれば、今回の休校期間による学習や学校生活の遅れ、空白を取り戻すことができる、と大きく指摘されていましたね。

逆にデメリットは、制度移行時期の小学校1年生が大幅に増えるため、教室や教員の確保など、現場には難題が山積。仮に来年度実施された場合、増加率は1.4倍、と言われています。それに関連して、4月に入学予定だった園児の居場所の確保や、9月になり突然友達と別れ小学校入学、という未就学児への影響も大きいでしょう。何より、授業計画や行事日程など、大幅な見直しが必要で、現場は混乱を極めそうです。

また、文部科学省は衆院文科委員会において、移行期の4~8月も学校で学習する前提で試算すると、授業料や給食費、塾や習い事のような学校外活動費など家庭の費用負担が増加することを提示。公立の中高に通う我が家の場合、増加は2人で40万円程度とか!

いつでもどこでも、子どもたちに平等な学びを

9月入学に関する読売新聞による世論調査では(5月10日掲載)、賛成が約54%だったのに対し、反対は約34%。一方、日本教育学会は慎重な検討を求めています。

予想される新型コロナの第2波、第3波だけではなく、地震や気象災害など、今後も子どもたちの学習が唐突に中断される可能性も考えられます。スタート時期の問題だけでなく、双方向のオンライン授業の整備・拡充など、どんな状況でも子どもたちに均等な学びをあまねく行き渡らせる。そんな施策をまずは考えてほしい、と思うのは私だけでしょうか。

9月入学の直近での導入は見送られても、議論は続けられる。そうであるならば、政府には問題点の整理や説明、透明度の高い審議を期待したい。この問題の主役は、紛れもなく子どもたちです。子どもたちの学びの機会と、かけがえのない学校生活を継続して守っていく、という思いが議論の中心にあることを願います。

参照
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00138/051800007/https://tokusengai.com/_ct/17361981/p2

中村 亮子

中村 亮子ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

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