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学校とスマホの“新しい関係” 中学へのスマホ持ち込み解禁へ【気になる!  教育ニュース】

連載:気になる! 教育ニュース 学校とスマホの“新しい関係” 中学へのスマホ持ち込み解禁へ【気になる! 教育ニュース】

大学入試改革、プログラミング、英語教育……。教育の世界がなにやら騒がしい。このコーナーでは、最近気になった教育関連のニュースをピックアップして紹介します。


第19回 学校とスマホの“新しい関係” 中学へのスマホ持ち込み解禁へ

文科省が方針転換 スマホ持ち込みが可能に

高校生になってスマホデビューした我が家の長男。自由な学校で、特に使用に関する規制はナシ。芸能人の記者会見を休み時間にみんなで見たり!  親としては「えっ?」と思いますが、管理やトラブルは事実上すべて自己責任のよう。問題はあまり聞きません。

文部科学省は6月、中学生が学校に携帯電話やスマートフォンを持ち込むことを原則禁止、としていた従来の方針を転換。

・学校での管理方法や責任の所在を明確化

・「フィルタリング」を保護者が設定

・危険性や正しい使い方を学校や家庭で指導する

以上につき学校と保護者、生徒が合意する、との条件のもと、校内への持ち込みを容認する素案を示しました(小学校では原則禁止のまま)。

今回の方針転換は、地震などの緊急時や防犯上の対応のため、とされますが、これに対しては賛否様々な意見が示されています。

賛成 反対 それぞれの根拠は?

まず賛成派の根拠は、地震などの災害や、家庭内での緊急時の際の連絡手段。子どもの安否や所在確認等、子どもがスマホを持っていると安心、ということにほぼ集約。

2018年の大阪北部地震は生徒の登下校中に発生。長時間我が子の安否を確認できない、という事態が多発。これを受け、大阪府が府内小中学校へのスマホの持ち込みを容認したことは記憶に新しいですね。

これに対し反対派の根拠は、盗難や盗撮、SNSでのいじめ、などのトラブル、校内で使用することによる成績低下への不安。要は、生活秩序の乱れへの懸念、でしょうか。

確かに、校内での管理方法やトラブルへの対処など、現場の先生の負担は増えそう。

現在、小学生の約46%、中学生の約71%が使う、というスマホ(内閣府・18年度)。我が家の次男が通う公立中学では、緊急連絡用として公衆電話が1台置かれていますが、1台では何とも心もとない。緊急時では確かにスマホの有効性が高そうです。とはいえ、近くにスマホがあれば子どもは使ってしまうもの。生活の乱れが気になるのも道理。

ポイントはルール作りと責任の所在の明確化

では、スマホを上手に活用しつつ、安定した学校生活も守る方法ってないのでしょうか?

この点、多くの識者によれば、まず重要なのがルール作り。

・校内使用のルール。校内使用不可なのか、昼休みは可のか、など。

・保管場所のルール。学校保管なのか、個人のロッカーなのか、カバンなのか、など。

・ルール違反の規定。ルールに反した取り扱いをした際、取り上げて保護者返還なのか、呼び出し注意だけなのか、など。

次に重要なのが、責任の所在の明確化。盗難や盗撮などのトラブルが発生した際、誰が責任を負うのか、ということ。

この問題、実は世界共通の課題です。フランスでは2018年、国として小中学校での携帯使用を禁止。その一方で韓国やニューヨークでは使用が許可されています。各国の歩みは一律ではありませんが、緊急時の連絡手段として必要とされることも、授業中の使用などの問題が生ずることなども、同じです。

日本でのiPhone誕生は2008年。瞬く間に普及したスマホは、まだおそらく発展途上の道具であり、学校現場での有効な活用方法は、誰しも手探りで模索している段階なのかも。現在、保護者からスマホ持ち込みの申請があれば、その都度校長が必要性を判断している大阪市立矢田中学。校長は「スマホ利用のメリット、デメリットを子ども自身が考える必要がある」と言います。家庭も学校任せにはできませんね。

学校と保護者と子ども本人と。なぜ使うのか、なぜこの使い方はダメなのか、議論や試みを繰り返しながら、スマホとの最良の関係を築いていく、「道の途中」なのかもしれません。

参照
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20200621-OYT1T50082/
https://www.asahi.com/articles/ASN6S6DNSN6SUTIL01M.html

中村 亮子

中村 亮子ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

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