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思いやりと正しい知識を持って ストップ!コロナいじめ【気になる!  教育ニュース】
2020.09.11 by 中村 亮子 中村 亮子

連載:気になる! 教育ニュース 思いやりと正しい知識を持って ストップ!コロナいじめ【気になる! 教育ニュース】

第25回 思いやりと正しい知識を持って ストップ! コロナいじめ

巷にあふれるコロナいじめ

小5生のママである友人からこんな話を聞きました。

「下校時間にパトロールをしていたら、3年生ぐらいの女の子2人が男の子1人に向って“こいつ、咳をしているからコロナじゃない? 密にならないように離れよう”って言っているの。慌てて注意してその場は終わったけれど、ショックだったなあ」

そういえば、息子も「友達の学校でコロナの感染者が出たんだけど、そのことがSNS上で話題になって、そいつの学校が超悪口を言われている」と言っていたことを思い出しました。

「医療従事者の子ども」ということでいじめられる。そんな話題を聞くようになったのは、コロナが徐々に広がりを見せ始めたころ。そして、学校再開に伴い、子どもの感染が増加、全国の学校でクラスターの発生が相次ぐようになった現在では、感染者に対するいじめや、学校への誹謗・中傷が大きな社会問題に。コロナいじめは「明日、我が家で起こりうる問題」となっているのです。

萩生田文部科学大臣がメッセージを発信

このような状況に対し、8月25日、萩生田文部科学大臣は、緊急のメッセージを発表。

児童・生徒に向けては

・感染者を責めず、戻ってきたら優しく迎え入れる。思いやりを持った行動をとること。

教職員に対しては

・子どもたちが、正しい科学的根拠に基づき行動したり、また医療従事者の方への感謝の気持ちを持つような指導を。

保護者や地域住民に対しては

・感染者や学校を誹謗・中傷する意見に同調せず、止めるべきだ、と声をあげること。

などを伝えました。

また、8月26日、「コロナいじめを防ぐには」と題した記事で、読売新聞は以下のポイントを紹介しています。

・「汗や皮膚から感染するか」「兄弟同室の場合、マスクはするべきか」などの具体例を挙げ、正しい科学的知識に基づき、子どもたちの不安を丁寧に解いていくこと。

・ハンセン病やエイズなど、感染者差別は繰り返されてきたけれど、感染拡大の阻止にはつながらない、という歴史的事実を伝えること。

・いじめている子どもも、家庭内などでコロナによる大きなストレスを抱えているかもしれないと、きちんと話を聞くこと。

さらに、東京都教育委員会ではコロナに関連したいじめや差別について考える漫画仕立ての教材を作成、公開しています。

思いやる気持ちは、非常時でも心のゆとりに

国立成育医療センターの調査によれば、「自分や家族がコロナになったら秘密にしたい」と考える子どもは30%以上、「コロナになった人とは治った後でも付き合うのをためらう」と考える子どもは20%以上でした。

コロナ、という非常事態が続く中、子どもでなくとも強い不安やストレスを感じます。そんな状況では、咳をする、密な行動をとる、といったささいなことがいじめの原因になりうるのかも。このタイミングで出された大臣のメッセージは、私たちが自分自身の行動を振り返り、今後の冷静な対応につなげるための1つのきっかけになるかもしれません。

私は、近所の仲良しと「どちらかの家族の、誰かがコロナに感染したら、お互いができる範囲で、できる限り助け合おう」という約束をしています。受け入れてくれる人がいる、という思いは、大きな安心感と気持ちの余裕をくれました。恐れるべきはウィルス。対象を間違えると、社会に分断と混乱が生じ、傷ついた心が癒えるにはコロナの終息までより長い時間を要するかもしれない。それが感染症の本当の怖さなのかも、と感じました。

参照
文部科学大臣のメッセージ
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00122.html

8月26日読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/newspaper-at-school/20200825-OYT8T50045/

東京都教育委員会
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/content/bullying_sns_material.html

国立成育医療センター コロナ×こどもアンケート第2回調査報告書
https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/report/CxC2_finrepo_20200817_3MH.pdf

中村 亮子

中村 亮子ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

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