連載:世界でいちばん幸せな国フィジーの最「軽」量育児 第7回:「なんとかなる」と確信できる共助社会~助け合う大人の背中を見つめる子供たち~
前回の記事『「おひとりさま」とは真逆の「ひとまみれ」社会 〜孤独になれない子供たち〜』に引き続き、今回もフィジーの最軽量育児について書きたいと思います。第2回目の今回は「共助社会」について。
フィジーでは大人たちが助け合う姿を多々みかけます。経済的に豊かな国ではないので、助け合わないとやっていけないという現実があります。日本のような自助社会でなく、共助社会です。
僕もフィジーで生活していて、近隣住民からよく頼みごとをされます。「お金を貸してほしい」やら「おばあちゃんを病院に連れて行ってあげてほしい」やら「洗濯機を貸してほしい」やら、多種多様な依頼ごとがあります。
大人たちが日々助け合っている姿を子供たちはよく見ています。その結果、子供たちはこう確信します。
「大人になっていろんなことに困っても、絶対に誰かが助けてくれる。未来のことはわからないけど、とにかくなんとかなるんだ!」と。
フィジー社会における「自立」の定義は「誰にも依存せずに独り立ちすること」ではなく、「なるべく多くの依存先を担保すること」。「自己責任」ではなく、「お互い様」を学んでいます。フィジーはそんな共生社会です。
一方、日本の子供たちの中には厳しい競争社会を生きている子も多くいます。お受験では勝敗が明確に出ます。習い事でも、たとえば柔道を習えば、帯の色でランクが見える化されたり、英語を習えば、英語力に応じてレベル分けされたりします。自分と他人の能力を比較される機会が、とても多いのではないでしょうか。
もちろん、負けたときに悔しくて、それをバネに頑張ろうというモチベーションが湧き上がることもあるでしょう。そして、仲間たちと切磋琢磨しながら成長していくこともあります。
ただ、子供時代に過度に競争的な環境に身を置き続けると、「助け合う喜び」よりも「勝った時の優越感」を求めるようになる可能性もあるのではないでしょうか。勝ち負けという結果に感情をコントロールされてしまうと、「ありのままの自分でいい」という自己肯定感が下がることもあるのかもしれません。
助け助けられ、感謝し感謝される共生社会に生きるフィジーの子供たちは、友達が算数のテストでいい点を取ったとき、嫉妬するのではなく一緒に喜びます。そして、その友達から算数を教えてもらいます。もしくは、「算数は彼が得意だから僕は違う科目を頑張ろう」と考えます。「隣の芝生は青い」ではなく、「隣の芝生で一緒に楽しむ」というイメージです。
これからの時代、協働する力が必要です。
競争を煽ることによって、人間が本能としてもつ「コラボする力」が奪われないように願います。
日本では「人様に迷惑をかけてはいけない」という呪縛があり、誰かに頼りたくても頼れないというマインドの人も多いのではないでしょうか。自助が無理ゲーになりつつある今、競争と協力のいいバランスを保つことが大切なのだと思います。
■イベント情報
福田萌さんと一緒に幸福を学ぼう
10月16日(土曜)の「南国ライフスタイルLABO」では、タレントで二児の母である福田萌さんをお招きし、萌さんと一緒に「シアワセ」をアップデートするワークショップをやります。
萌さんは、旦那さんであるオリラジのあっちゃん(中田敦彦さん)とともに今年3月からシンガポールに移住しています。新天地でどのように幸せな生活を創っているのか。
そんなこともお伺いしながら、参加者の皆さんとともにワークショップ形式で「幸せ」を学んでいきたいと思います。
イベントURL(定員100名)はこちら。ぜひのぞいてみてください☆
https://happiness-with-moe.peatix.com/
【トークテーマ(予定)】
・萌ファミリーの幸せの秘訣
・「幸せ=A × B」ならAとBに何を入れる?
・「幸せ」の反対語から考える、幸せの正体
・私たちは本当に幸せになりたいのだろうか?
・「幸せになりたい?」それとも「後悔したくない?」
・「幸せになりたい?」それとも「不幸になりたくない?」
・ 幸せは「目的」か、それとも「手段(リソース)」か?
・「貧富の差」よりも「幸福格差」
・ 男女の幸福格差が日本は世界一
・「狭義の幸せ」と「広義の幸せ」という考え方
等々。