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第16回 フィジーのプロポーズって?

連載:世界でいちばん幸せな国フィジーの最「軽」量育児 第16回 フィジーのプロポーズって?

日本ではプロポーズのときに「指輪(リング)」が使われることが多いかと思います。さて、フィジーでは何が使われるのでしょうか?

答えは「マッコウクジラの歯」です。フィジー語では「タンブア(TABUA)」といいます。タンブアは神聖なモノとして扱われ、幸運や神秘の力を持つと信じられています。マッコウクジラが絶滅危惧種に認定されていることもあり、フィジーでは非常に希少価値が高いものなのです。原則、フィジー国外への持ち出しは禁止されており、政府の特別な許可がある場合のみ、年間225本だけは持ち出しを許可されています。

フィジー人の男性がプロポーズするとき、付き合っている女性に結納品としてタンブアを渡します。ただ、タンブアは希少品なので、入手することにもハードルがあるようです。親戚をまわってなんとか確保する人も結構いるとか。

私自身も、日本人の妻にプロポーズしたとき、フィジーの風習にならい、指輪ではなくタンブアを使いました。フィジーで長く同棲していたので、妻もそのしきたりのことを知っていると思い込んでいましたが、実際は知らず、タンブアを見せたときに「なにこれ?」という反応でした……。それでも無事に結婚を承諾してもらえたのは、もしかしたらタンブアの力なのかもしれません。

このタンブアは昔の伝統なので、今は廃れているのかと最初は思いました。しかし、いまの10代の女性たちに「将来、どんな人と結婚したい?」という質問をしたところ、「タンブアをくれる人」という回答が出るなど、まだまだ現役で機能しているもののようです。

親からも口酸っぱく「タンブアも用意できないような男性と結婚すると、将来、経済的に苦労するよ」と言われていることも影響があるのでしょう。タンブアを所有しているということは、哺乳類最大ともいえるクジラにも勝てるくらいたくましい男性だという意味もあるようです。また、タンブアは大きければ大きいほど、数も1つよりも2つ、3つと多いほうがいいようです。

フィジーでは、タンブアの売買は禁止されていますが、現在はコロナ禍ということもあり、観光業に従事していた多くの人々が失業してしまったので、生活費に困った方々がやむにやまれずタンブアを売りに出していることもあると聞きます。長さ15cmほどのものが数万円の価値があるそうです。フィジーの最低賃金は時給140円程度ですから、やはり高級品です。

もともと、フィジーでタンブアを獲得する手段は、海辺に打ち上げられたマッコウクジラからもぎ取るか、隣国トンガとの貿易を通じてか、に限定されていました。その後、世界中で象牙(アイボリー)を代表例として、動物の歯や牙の市場ができ、フィジーにも流入するようになりました。

現在、タンブアは結納品として以外にも、葬式や式典での最高級の贈答品として、また、村と村の間の争いを収めるためなどにも活用されています。

今や入手困難なタンブア。神秘な力をもつと信じられている

みなさんもフィジーを旅することがあれば、タンブアをいろんなところで見かけると思います。たとえば、BARの壁に飾られていたり、フィジーの20セント硬貨や50ドル札にも描かれていたりします。

日本では見る機会がほとんどないとは思いますが、フィジーにお越しの際はぜひ意識してタンブアを探してみてはいかがでしょうか。

Information

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永崎裕麻

永崎裕麻ライター

大阪府生まれ。神戸大学経営学部卒業。二児の父。ライフスタイルをアップデートする英語学校カラーズ校長(https://colors-fiji.jp/)。南の島のゆるい空気感を日本社会に届けるべく「南国ライフスタイルLABO」(https://peatix.com/group/7241168)というコミュニティーを運営。内閣府国際交流事業「世界青年の船2017」日本ナショナル・リーダー。2019年からはフィジー・デンマーク・日本の世界3拠点生活(トリプル・ライフ)を開始(現在はコロナで休止中)。100ヵ国を旅した経験を生かし、講演家やライターとしてフィジーから発信活動を続けている。著書:『世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論』(いろは出版)。amazon.co.jp/dp/4902097982

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